シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅱ | 2024 | 秋学期 | 月3 | 商学部 | 山田 哲弘 | ヤマダ アキヒロ | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-12XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
会計情報を用いた企業・市場・制度の実証分析
山田ゼミの特色は「実証会計」と呼ばれる分野について専門的に研究できることです。
皆さんは、会計がどのような役割を持っているか、考えたことがありますか?もちろん、簿記や財務諸表論など、たとえば簿記試験・会計士試験で問われるような内容も会計学の一つであり、とても大切です。また、会計の数値を利用した経営管理も、実践的で非常に興味深い会計の研究領域だといえるでしょう。
しかし、会計を情報という側面からとらえたとき、そこにはまた違った会計の役割、あるいは会計学のおもしろさが隠れています。
会計が情報としての側面を持っているとすれば、会計情報は証券市場に対して大きな影響を持っているかもしれません。たとえば、東京証券取引所の2015年1月の株式時価総額は、約530兆円でした。このとき、仮に会計情報が株価の10%を説明しているとすれば、日本の約53兆円もの資金の流れと関係しているということになります。実際に会計情報によって証券市場の一部の動きを説明できることが知られています。ここから会計は情報開示を通して、がんばっている企業・成果をあげる企業に、より適切に資金を配分するための役割を担っているといえます。
もっとも、情報開示の問題は、市場が十分に機能していれば、市場参加者(特に企業)の自発的な競争によって解決されうる問題ですが、企業独自の情報開示には膨大なコストが生じることがあるため、市場の働きを助ける情報開示制度が必要です。会計制度は情報開示制度のひとつであり、その制度が上手に機能しているかを検証することは実証会計研究の課題の1つとなっています。
また、会計情報は様々な契約に利用されているかもしれません。たとえば、株主や銀行・金融機関は多かれ少なかれ、企業や経営者の評価(たとえば負債契約や報酬契約など)に会計情報を用いるでしょう。立場を変えて、このことを企業側から考えてみると、会計情報の内容によって、企業の資金調達額や経営者の報酬額が変化する可能性があるといえます。したがって、会計情報に「自分は優れた企業・経営者である」という情報をいかに織り込むかは、経営戦略や経営者の評価を左右する重要なポイントとなり得ます。このことから、会計情報を分析することで、経営者の私的情報(たとえば、その企業が将来どのように変化していくのか)を読み取ることができる可能性があるといえます。上記のようなポイントは、例えば「利益調整」などのテーマで扱われており、これまでに数多くの論文が公表されています。
実証会計研究では上記のような内容をはじめとする様々な視点から、会計情報を統計的な手法を用いて分析します。
例えば、山田ゼミでは、次のようなテーマに取り組むことができます。
「財務諸表には企業の本当の姿が映し出されているのか?」
「企業はどうして自主的に情報を開示するのか?」
「会計情報を使って株で儲けることはできるのか?」
「成長する企業にはどんな特徴があるのか?」
「新たな制度に対して企業や市場はどのように反応するのか?」
「研究活動は本当に利益に結びつくのか?」
「在庫はどれくらい維持すべきなのか?」
「企業は赤字を気にするのか?」
「利益とキャッシュフローは何が違うのか?」
もちろんテーマは上記の例に限定されません。どんなに馬鹿げたアイディアであっても、「これは会計か?」と思うようなテーマであっても歓迎します。条件は、財務データ(会計データや株価データ)をもちいた検証を行うことだけです。
〔授業計画〕
(3年次)
グループでテーマを設定し、演習論文の作成とその報告を通して、論文の読み方、統計的な分析手法、プレゼンテーションの方法など、実証研究の進め方や論理的な議論の進め方の基本を習得します。
(4年次)
個人でテーマを設定し、卒業論文を作成します。
なお、学内外の学生・専門家を交えた研究報告会を予定しています。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
実証会計分野の基本的な研究を行い、研究の報告、論文の作成を行います。
到達目標
会計情報の分析を通じて、基本的なレベルでの会計学の知識を習得、データ処理の手法、統計的分析手法等を身につける。加えて、それらの情報を整理し伝えるための基本的な技法についても修得することを目標としています。
授業計画と内容
3年次
第1回 テーマの決定
第2回 テーマの決定
第3回 テーマの決定
第4回 テーマの決定
第5回 仮説の議論
第6回 仮説の議論
第7回 仮説の議論
第8回 仮説の議論
第9回 分析
第10回 分析
第11回 分析
第12回 分析
第13回 分析
第14回 分析
第15回 論文作成と研究報告
第16回 論文作成と研究報告
第17回 論文作成と研究報告
第18回 論文作成と研究報告
第19回 論文作成と研究報告
第20回 論文作成と研究報告
第21回 論文作成と研究報告
第22回 論文作成と研究報告
第23回 論文作成と研究報告
第24回 論文作成と研究報告
第25回 論文作成と研究報告
第26回 論文作成と研究報告
第27回 新しい研究計画の作成
第28回 新しい研究計画の作成
4年次
第1回 先行研究の確認
第2回 先行研究の確認
第3回 先行研究の確認
第4回 先行研究の確認
第5回 仮説の議論
第6回 仮説の議論
第7回 仮説の議論
第8回 仮説の議論
第9回 分析
第10回 分析
第11回 分析
第12回 分析
第13回 分析
第14回 分析
第15回 論文作成と研究報告
第16回 論文作成と研究報告
第17回 論文作成と研究報告
第18回 論文作成と研究報告
第19回 論文作成と研究報告
第20回 論文作成と研究報告
第21回 論文作成と研究報告
第22回 論文作成と研究報告
第23回 論文作成と研究報告
第24回 論文作成と研究報告
第25回 論文作成と研究報告
第26回 論文作成と研究報告
第27回 論文作成と研究報告
第28回 論文作成と研究報告
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
必要な学習・作業・検討・打合せ等は事前に済ませておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 50 | ゼミでの取り組み、学内外での研究報告 |
その他 | 50 | 論文の提出 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業時間内外を問わず、適宜、必要なサポートを行っています。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
他大学、他ゼミとの合同ゼミを予定しています。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
データの処理や統計的処理を行う際に、PCを利用します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
政府系金融機関での勤務、特に融資業務、コンサルティング業務。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
例年、就職活動前にゼミでの研究・学習内容と実際の経済活動との関係づけを行うことを目的として、政府系金融機関の方をお招きし、実際の業務等について講義していただいています。
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
適宜、紹介します。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名
〔募集方法〕
〇レポート(manaba「レポート」利用)
〇面接試験
〔課題図書〕
〔注意事項〕
〔国外実態調査〕
実施しない
〔授業で利用するソフトウェア〕
(多くの場合に利用)
FinancialQUEST
(必要に応じて利用)
S&P Capital IQ Platform
日経ValueSearch
IBM AMOS
IBM SPSS
参考URL
https://sites.google.com/site/akihiroyamadalab/