シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅱ | 2024 | 秋学期 | 木3 | 商学部 | 高橋 豊治 | タカハシ トヨハル | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-12XS
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
「有望な企業」を探そう
~マーケティング戦略や経営戦略、実証会計・ファイナンスの考え方と実践~
「有望な企業」を見つけ,企業を取り巻く環境や企業に関する様々な情報をもとに「有望な企業」を見つけ出し、投資する方法を身につけることを目標とします。
学問としての興味だけでなく、ひとりひとりのキャリア形成にも役立てるため、社会人として活躍しているゼミのOB/OGから、取り組んでいる仕事の話を聞き、イメージと現実のギャップを実感することにも取り組みます。こうしたゼミ活動を、将来の就職活動にも役立てるようにしましよう。
〈3年次 〉
3~5人ずつのグループごとの報告と全体の討論を中心に、企業を取り巻く環境や企業に関する様々な情報をもとに、「有望な企業」を見つけ出すことに挑戦します。そのために必要な、マーケティング戦略や経営戦略、実証会計・ファイナンスなどの考え方について、丸亀製麺、セブン銀行、メルカリ、アットコスメなどのケースも交えながら教科書を利用して学びます。また、3年次の「インベストメント/証券投資論」で扱う現代証券投資理論(MPT:Modern Portfolio Theory)の実践も念頭に置きながら授業を進めます。(ゼミ参加者は商学部の「インベストメント」の授業を履修してください。)。
教科書での学びに加え、問題解決型の日経stockリーグやCFA協会リサーチ・チャレンジなどのコンテストへの参加を通じて、日本企業の具体的な分析を試みるとともに,他大学のゼミとのディベート大会などの交流などで,証券投資,企業財務にかかわるトピックスについて理解を深めるとともに、ゼミ内外での親睦を深めます。
〈4年次 〉
3年次に学んだ投資技法,企業評価をさらに発展させ、担当教員の実務経験も活かしながら,実際の投資の現場で活用できるようなテーマを各自選定し、過去のデータの分析を中心にその内容を検証し、演習論文へと収束させます。
大学院の「インベストメントⅠ・Ⅱ」および「金融工学I・Ⅱ」の授業も履修することで、より高度なテーマを学ぶとともに、実践的な演習を行います。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
到達目標
商学部で学ぶ講義内容を,社会に出て利用できるための実践力を身に着けることを目標とします。
授業計画と内容
3年次
企業を取り巻く環境や企業に関する様々な情報をもとに、「有望な企業」を見つけ出すことに挑戦します。そのために必要な、マーケティング戦略や経営戦略、実証会計・ファイナンスなどの考え方について、丸亀製麺、セブン銀行、メルカリ、アットコスメなどのケースも交えながら教科書を利用して学びます。
春学期
まずは、マーケティング戦略の考え方について教科書(『わかりやすいマーケティング戦略〔第3版〕』 )を,その後、経営戦略の考え方について教科書(『一橋MBAケースブック 戦略転換編』)のケースを利用して、担当者が内容を報告し参加者全員で議論する形(プレゼンテーションとディスカッション)で学習を進めます。
1. イントロダクション──大きく,未来を,論理的に考える(わかりやすいマーケティング戦略:序章)
2. マーケティング・ミックス──4つのP(わかりやすいマーケティング戦略:第1章)
3. ターゲット市場の選定──セグメンテーション(わかりやすいマーケティング戦略:第2章)
4. プロダクト・ライフサイクル──4つの段階とマーケティング・ミックス(わかりやすいマーケティング戦略:第3章)
5. 市場地位別のマーケティング戦略──いかに他社と競争するか(わかりやすいマーケティング戦略:第4章)
6. インターネット時代のマーケティング戦略──ロングテールとプラットフォーマー(わかりやすいマーケティング戦略:第5章)
7. 業界の構造分析──6つの競争要因(わかりやすいマーケティング戦略:第6章)
8. 全社戦略──PPMの考え方(わかりやすいマーケティング戦略:第7章)
9. 事業とドメインの定義──戦略的思考の基本・出発点(わかりやすいマーケティング戦略:第8章)
10. 戦略的思考に向かって──切り捨て,集中する(わかりやすいマーケティング戦略:終章)
11. 丸亀製麺の成功要因--結合ターゲット・アプローチによるマーケティング・ミックスの自己強化サイクル(一橋MBAケースブック 戦略転換編:第3章)
12. 家電量販店の業界構造変化--郊外型と都市型のコントラスト(一橋MBAケースブック 戦略転換編:第4章)
13. 家具業界における大塚家具の戦略分析(一橋MBAケースブック 戦略転換編:第6章)
14. 三菱電機の全社戦略転換--フィリップスとの比較から見える「事業の選択と集中」の2つのポイント(一橋MBAケースブック 戦略転換編:第7章)
秋学期
まずは、経営戦略の考え方について教科書(『一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編』)のケースを利用し、その後、実証会計・ファイナンスの考え方について教科書(『実証会計・ファイナンス』 )を利用して、担当者が内容を報告し参加者全員で議論する形(プレゼンテーションとディスカッション)で学習を進めます。
1. クリエイト・レストランツ・ホールディングスの成功要因(一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編:第1章)
2. セブン銀行の協調戦略--良循環を生み出すポジショニング(一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編:第2章)
3. 食品トレー業界におけるエフピコの成長(一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編:第3章)
4. 訪問介護事業における競争優位(一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編:第4章)
5. リユース市場におけるメルカリの戦略分析(一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編:第6章)
6. アットコスメの成長(一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編:第7章)
7. 会計入門(実証会計・ファイナンス:第1章)
8. ファイナンス入門(実証会計・ファイナンス:第2章)
9. R言語入門(実証会計・ファイナンス:第3章)
10.財務データの取得と可視化(実証会計・ファイナンス:第4章)
11. 株式データの取得と可視化(実証会計・ファイナンス:第5章)
12. ファクター・モデルの導入(実証会計・ファイナンス:第6章)
13. ファクター・モデルの応用(実証会計・ファイナンス:第7章)
14. イベント・スタディ(実証会計・ファイナンス:第8章)
4年次
春学期
金利のタームストラクチャー・モデルを検討し,担当教授の実務経験から前述のTokyo Swap Reference Rateを基礎とした金利の期間構造モデルの構築技法を身につけます。
1.Black-Scholes モデル
2.金利関連インストゥルメント
3.債券・マーケット、マネー・マーケット
4.金利関連デリバティブ
5.金利の期間構造
6.LIBOR+スワップ・マーケットの金利の期間構造
7.債券マーケットの金利の期間構造
8.マルチンゲール理論
9.HJMモデルの定式化
10.デリバティブの解析的評価
11.マーケットモデルの定式化
12.数値計算によるデリバティブの評価
13.金利モデルの実用化
14.全体のまとめ
秋学期
過去の卒業論文で多く用いられてきた分析ツールを確認し,卒業論文のテーマを検討,卒業論文を完成させます
1.卒業論文作成に必要なWord機能の確認
2.分析ツールの確認(1)主成分分析
3.分析ツールの確認(2)イベントスタディ
4.分析ツールの確認(3)最適化
5.卒業論文のテーマ発表(1) プレゼンテーションとディスカッション
6.卒業論文のテーマ発表(2) データの収集,整理,加工
7.卒業論文のテーマの修正(1) ディスカッションからのフィードバックの反映
8.卒業論文のテーマの修正(2) モデルの修正
9.中間報告会 卒業論文の中間報告(プレゼンテーションとディスカッション)
10.中間報告論文の修正(1) ディスカッションからのフィードバックの反映
11.中間報告論文の修正(2) データの収集,整理,加工
12.最終報告会(プレゼンテーションとディスカッション)
13.論文へのコメント
14.全体の総括
授業計画は,ゼミ参加者の理解度やプレゼンテーションとディスカッションの結果を反映させ,最適な内容とするため,修正することがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストの内容を報告し実践する準備
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 100 | ゼミへの貢献度により評価します。具体的には,毎回の授業の報告,参加したコンテスト等への取り組み,ゼミ合宿での報告・討論を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業の性格上、すべての授業・ゼミ行事に参加するする必要があります。1度でも無断欠席や正当な理由のない欠席がある場合,評価対象外(F評価)とします(正当な理由であることを示すには、証明する書類が必要です)。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
Windows PCの活用
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
シグマベイスキャピタル株式会社にて取締役研究開発部長(1991年9月~1996年3月)として,(ポートフォリオ構築やデリバティブ管理などの)システム開発,(Tokyo Swap Reference Rateに代表される)データ提供の統括を担当
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
証券投資ビジネスで要求される分析手法を明らかにする。
Excelの技法を,システムのユーザーと開発者をつなぐツールとしてとらえた際に,どのような点が求められるかを踏まえた授業運営を行う。
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
沼上『一橋MBAケースブック 戦略転換編』 東洋経済新報社 2018年 ISBN:978-4-492-52222-6
沼上『わかりやすいマーケティング戦略〔第3版〕(有斐閣アルマBasic)』 有斐閣 2023年 ISBN:978-4-641-22219-9
沼上・加藤『一橋MBA戦略分析ケースブック 事業創造編』 東洋経済新報社 2020年 ISBN:978-4-492-52226-4
笠原・村宮『実証会計・ファイナンス Rによる財務・株式データの分析 (ライブラリデータ分析への招待)』 新世社 2022年 ISBN:978-4-88384-349-7
〔参考文献〕
大村敬一 『ファイナンス論 -入門から応用まで』 有斐閣 ISBN:464118383X 2010年
藤林・岡村・河内 『Excelで学ぶファイナンス(2) 証券投資分析 改訂版』 きんざい ISBN:4322222218
ボディー、ケイン、マーカス著 『インベストメント [上],[下]』 日本経済新聞出版社 ISBN:4532605024(上),4532605032(下),2010年
マッキンゼー・アンド・カンパニー著『企業価値評価 -バリュエーションの理論と実践 第6版[上][下]』ダイヤモンド社 ISBN:4478068771 (上),447806878X (下),2016年
この他ゼミを進めていくなかで、必要に応じて紹介します。
その他特記事項
Microsoft Excelに加え、R (統計ソフト)やFinancialQUEST、⽇経ValueSearchなどのデータベースを活用します。
事前の知識は必要としません。
参考URL
https://toyohal.r.chuo-u.ac.jp/