シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
演習Ⅲ | 2024 | 春学期 | 火3 | 商学部 | 熊倉 広志 | クマクラ ヒロシ | 4年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF4-13XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
「マーケティング入門」「消費者行動論」「マーケティング・リサーチ」「統計学入門」「社会調査入門」を可能な限り、履修・単位取得して下さい。なお、3年次に並行履修しても結構です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕消費者行動研究とデータ分析によるマーケティング研究
身近で面白い・不思議なマーケティング現象を発見し、そのなりたちを考えます。
私たちの身の回りには、面白い・不思議なマーケティング現象が多数あります。あるゼミ生は、プロ野球と居酒屋の関係に気づきました。彼は東京ドームの近くにある居酒屋でアルバイトをしており、巨人が勝つと居酒屋の売上がアップすることを発見しました。さらには、勝ち方も売上に影響することに気が付きました。たとえば、初回に大量得点をとって大勝しても売上はあまり増えませんが、接戦・逆転で勝つと売上が大いにアップすることなどです。
さらに、ヤクルト&米国MLBで活躍した投手・石井一久の妻・木佐彩子(元アナウンサーです)は、夫(石井投手)が大量点をもらって勝っても少ししか嬉しくないが、投手戦で僅差で勝利すると非常に嬉しいと、テレビで語っていました。
これは、消費者行動論における期待研究から理論的に説明できます。消費者は、事前の期待に比べ、知覚された品質(結果)が高いとき、満足を感じます。一方、事前の期待が大きすぎると、品質が多少良くても、不満を感じます。つまり、初回に大量得点をとってしまうと、勝って当然と思い、勝ったとしても試合後の満足は大きくはありません。一方、接戦だと試合に勝つ見込みが低くなるため、勝利したときの喜びが大きくなります(その結果、居酒屋でたくさん注文する!)。
マーケティング研究・消費者行動研究の研究対象は、消費者です。そして、皆さんは、毎日、様々な財・サービスを購買・消費する消費者です。つまり、マーケティング研究・消費者行動研究の研究対象は、皆さん自身です。皆さんの日々の生活の中から、面白くて不思議なマーケティング現象や消費者行動を発見し、そのメカニズム(なりたち)を考えましょう。
ここでは、そのために、
①毎日の生活の中で、面白くて不思議なマーケティング現象・消費者行動を発見
②それを、マーケティング研究・消費者行動研究に依拠して、理論的に考察
③その仮説を、データを用いて実証
④最後に、優れた研究論文を執筆(可能であれば学会で研究発表も!)
します。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
私も商学部で勉強しました。成績は非常に良かったのですが(授業料免除!)、正直、授業はつまらなかったです。社会や企業で働いたことがなかったため、経済や企業の話には馴染みがなく、ピンとこなかったからです(皆さんの中に、商学部の勉強を面白いと思わない人がいても当然です)。大学を卒業後、企業に勤務しながら、ビジネススクールで勉強しました。学部のときと授業内容はほぼ同じでしたが、今度は、すごく面白かったです(あまりに面白かったので、教員になってしまいました)。それは、企業での勤務経験を通じて、経済や企業の問題を、自分のこととして捉えることができるようになったからです。
勉強を面白いと思い、良い研究をするためには、マーケティングや消費者行動を「自分の問題」として捉えることが重要です。マーケティング研究・消費者行動研究の研究対象は、消費者です。つまり、皆さん(消費者)が研究対象です。だから、マーケティング研究・消費者行動研究とは、皆さんが皆さん自身の行動や思考について研究することなのです。ここでは、自分自身の行動や思考を理解するために、消費者行動研究の理論と、データ分析の方法を習得します。
到達目標
具体的な到達目標は、
◆マーケティング・消費者行動の理論を理解する、分析方法を習得する(3年・4年)
◆優れた研究論文を作成する(4年)
◆学会発表する(4年・卒業後)
ことです。
文系の場合、学部生が学会発表をすることは稀ですが、皆さんの努力により、教員・大学院生にまじって発表することは十分に可能です(滅多にないチャンスなので、ぜひチャレンジして下さい)。
過去の成果(コンテスト入賞、学会発表、卒業論文)は、以下を参照して下さい。
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/kumakura/%E5%B0%82%E9%96%80%E6%BC%94%E7%BF%92/members
これまで米国・カナダで3年数か月、研究してきました。最近、日本と米国・世界との差に驚かされます。日本は大丈夫かな…とちょっと心配です。(日本に限定することなく)世界で活躍できるようになって下さい。
たった一度の学生時代、将来の成長のために、甘いケーキではなく、栄養たっぷり、でもちょっと苦手な「ピーマン」「ニンジン」(つまり勉強!)を私と一緒に食べましょう。
授業計画と内容
〔授業内容〕
ここでは、①消費者行動研究を理論的基礎に、②定量的手法を用いて、マーケティング研究を行います。
授業では、
(1)テキスト・論文の輪読
(2)研究方法・統計的方法の習得
(3)消費者調査・インタビュー の実施
(4)ケーススタディ(事例研究)
(5)プレゼンテーション、ディスカッション
(6)学術論文の執筆(卒業論文、4年進級論文)
などを行います。
授業は、「ゼミ」と「自主ゼミ」から構成されます。自主ゼミはインプットの場です。マーケティング理論・消費者行動論、定量的手法・データ分析方法について、テキストの輪読などにより、皆さんで自主的に学んでもらいます。(1)(2)を行います。
ゼミはアウトプットの場です。皆さんの学習状況を確認した後、皆さんの研究についてプレゼンテーションしてもらい、皆でディスカッションします。(3)~(6)を行います。
〔授業計画〕
授業計画は随時、ゼミWebsiteで更新します。以下の授業計画はひな型で、具体的な授業計画は皆さんと相談しながら策定していきます。
(3年)
研究に必要な基礎的能力・知識を獲得します。マーケティング・コンテストなどにおいて、その応用を図ります。また、演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳを2コマ続けて受講して下さい。
(春学期)
消費者行動研究の基礎を学びます
第1回 『ソロモン消費者行動論』2章
第2回 『ソロモン消費者行動論』3章
第3回 『ソロモン消費者行動論』4章
第4回 『ソロモン消費者行動論』5章
第5回 『ソロモン消費者行動論』6章
第6回 『ソロモン消費者行動論』7章
第7回 『ソロモン消費者行動論』8章
第8回 『ソロモン消費者行動論』9章
第9回 『ソロモン消費者行動論』10章
データ分析手法の基礎を学びます
第10回 『SPSSによるやさしい統計学 第2版』
第11回 『共分散構造分析AMOS編』
第12回 『共分散構造分析AMOS編』
第13回 統計ソフトR
第14回 『共分散構造分析R編』
(秋学期)
外部のコンテスト(たとえば、野村総研・ マーケティング・コンテストなど)に参加します
第1回 グループ研究発表と討論
第2回 グループ研究発表と討論
第3回 グループ研究発表と討論
第4回 グループ研究発表と討論
第5回 グループ研究発表と討論
第6回 グループ研究発表と討論
第7回 グループ研究発表と討論
第8回 グループ研究発表と討論
第9回 グループ研究発表と討論
商ゼミ連プレゼン大会への準備をします
第10回 プレゼンテーション準備
第11回 プレゼンテーション準備
卒論作成に向けて個人研究発表をします
第12回 個人研究発表
第13回 個人研究発表
第14回 個人研究発表
(4年)
卒業論文の執筆に向けて、研究成果について発表してもらった後、皆で議論します。また、3年生への指導をお願いすることもあります。また、演習Ⅰ・Ⅱを2コマ続けて受講して下さい。
(春学期)
個人研究発表をします
第1回 個人研究発表と討論
第2回 個人研究発表と討論
第3回 個人研究発表と討論
第4回 個人研究発表と討論
第5回 個人研究発表と討論
第6回 個人研究発表と討論
第7回 個人研究発表と討論
第8回 個人研究発表と討論
第9回 個人研究発表と討論
第10回 個人研究発表と討論
第11回 個人研究発表と討論
第12回 個人研究発表と討論
第13回 個人研究発表と討論
第14回 個人研究発表と討論
(秋学期)
個人研究発表をします
第1回 個人研究発表と討論
第2回 個人研究発表と討論
第3回 個人研究発表と討論
第4回 個人研究発表と討論
第5回 個人研究発表と討論
学会発表のための準備をします
第6回 学会発表へ向けた準備と討論
第7回 学会発表へ向けた準備と討論
商ゼミ連プレゼン大会への準備をします
第8回 プレゼンテーション準備
第9回 プレゼンテーション準備
卒業論文の発表をします
第10回 卒業論文発表と討論
第11回 卒業論文発表と討論
第12回 卒業論文発表と討論
第13回 卒業論文発表と討論
第14回 卒業論文発表と討論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業外で以下の活動を予定しています。
◆自主ゼミ(週1コマ)
◆ゼミ合宿
◆マーケティング・コンテストへの参加
◆店頭見学・工場見学・企業訪問など
◆実務家による講演会
◆学内論文大会への参加
◆4年次には、3年生の研究指導をお願いすることもあります。
◆演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳを2コマ続けて受講して下さい。
研究活動以外では…
◆ゼミ対抗球技大会(必ず勝つ!)
◆スポーツ(フリスビー・アイススケート・ヨットなどが好きです。一緒にやりませんか)
◆レクレーション(カードゲーム、ボードゲームなど。一緒に遊んで下さい)
◆飲み会、食事会、お茶会(@研究室)
◆卒業後の進路準備などなど
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 25 | マーケティング論・消費者行動研究への理解を確認するため、毎回、小テストを実施する予定です。 |
期末試験(到達度確認) | 25 | 研究プレゼンテーションをお願いします。 |
レポート | 25 | 卒業論文につながる小論文の提出をお願いします。 |
平常点 | 25 | 毎回参加し、毎回発言して下さい。 |
成績評価の方法・基準(備考)
論文・発表・ディスカッション・小テスト・ゼミ活動への貢献などにより総合的に評価します。無断で参加しなかったり、参加が常でない場合には、E判定とすることがあります。卒業論文は、必須です!!
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業の大半は、皆さんの発表と議論です。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
プレゼンテーション、データ分析などにおいて、PCなどの情報機器を利用します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
メーカーで営業として2年、証券会社で流通業担当の企業アナリストとして2年、広告会社でマーケッターとして12年間、働いてきました。マーケティングや広告が楽しくて(!)、教員になってしまいました。企業で働くことの意味や楽しさ(&つらさ…?)についても、皆さんに伝えたいです。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
マーケティング(&消費者行動)の理論と実務は、車の両輪・コインの裏表です。理論と実務の両方を理解することにより、マーケティング論・消費者行動研究を深く楽しく学べます!
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
◆消費者行動研究
杉本他(1997)『消費者理解のための心理学』(福村出版)
→絶版ですが、アマゾンで入手できます。
田中(2015)『消費者行動論』(中央経済社)
ソロモン(2015)『ソロモン 消費者行動論』(丸善)
◆手法
浦上・脇田(2021)『調査系論文の読み方 改訂版』東京図書
安藤他(2017)『社会心理学研究入門』東京大学出版会
照井・佐藤(2013)『現代マーケティング・リサーチ』有斐閣
内藤・秋川(2007)『文系のためのSPSS超入門』プレアデス出版
岸(2012)『SPSSによるやさしい統計学』オーム社
豊田(2007)『共分散構造分析Amos編』東京図書
小塩(2014)『はじめての共分散構造分析』東京図書
松村(2018)『RユーザーのためのRStudio実践入門』
豊田(2008)『データマイニング入門』東京図書
などなど →皆さんが授業などで利用したものがあれば、それでも結構です。
◆統計
鳥居(1994)『はじめての統計学』日本経済新聞社
→皆さんが授業などで利用したものがあれば、それでも結構です。
◆論文
論文のコピーをお願いすることもあります。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名
〔ゼミの雰囲気〕
ゼミは、2013年度から始まりました(米国での研究のため、2017・2018年度はお休みでした)。第8期生として、ゼミの伝統を作って下さい。
ゼミ活動を、学生生活の中心に位置付ける学生さんを希望します。また、意欲的・積極的でリーダーシップがとれ、打たれ強く忍耐力のある学生さんを歓迎します!!
企業で16年間勤務してきました。企業と学校との大きな違いは、勉強に対する仲間の評価です。企業では、勉強する人間が尊敬されます(一流企業ほど、その傾向にあります)。一方、学生の中では、なぜか、勉強=カッコ悪いという雰囲気が散見されます。勉強する学生さんを高く評価します。
〔ゼミ生の選抜〕
◆面接:皆さんの長所を見せて下さい(多様な人材を求めています)。
◆研究計画書:面接前に提出して下さい。詳しくは応募者に連絡します。
◆成績:皆さんの成績を事務室から入手する予定です。応募する方は、私が事務室から成績を入手することに同意して下さい。
面接・研究計画書・成績により評価しますが、必ずしも総合評価とは限りません。いずれかで勝っていれば合格です。 キラリと光る才能の片鱗を見せて下さい!
質問があればメールを下さい(kumakura@tamacc.chuo-u.ac.jp)。
〔前提科目&並行履修科目〕
ゼミは3年生・4年生合同で、火曜3限・4限に行います。2時限続けて出席して下さい。
春学期・金曜4限に大学院講義科目「マーケティング・コミュニケーション論Ⅰ」を必ず受講して下さい。科目登録すれば、単位を取得できます。
以下の科目の履修をお願いするかもしれません。
・消費者行動論
・心理学
・社会学
・マーケティング・リサーチ
・社会調査入門
・統計入門
・統計理論
・計量経済学
・ミクロ経済学
〔その他〕
◆ 私について…
古い教育を受けてきたためか、学生さんの欠点をついつい指摘してしまい、いかんなぁ…といつも反省しています。「褒めて育てる」「長所を伸ばす」を目標としています(でも、達成は簡単ではないです…)。皆さんと一緒に、私も成長できればと嬉しいです。
メーカーで営業として、証券会社で企業アナリストとして、広告会社でマーケッターとして働いてきました。企業で働くことの意味や楽しさ(&つらさ…?)についても、皆さんに伝えたいです。
◆私の研究について…
例年、消費者データを解析する「データ解析コンペティション」にも参加しています。興味のある方は、こちらにも参加して下さい。
〔国外実態調査〕
現時点では、予定していません。
参考URL
ゼミ生を思い浮かべながら、『草のみどり』に原稿を書きました。以下から読んでみて下さい(タイトルに脱字があるのが、恥ずかしいです)。
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~kumakura/kumakura/PDF/kusanomidori.pdf
2021年度のゼミのHPです。参考にして下さい(私が作成しているのですが、センスがないです。どなたか、手伝って下さい)。
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/kumakura/%E5%B0%82%E9%96%80%E6%BC%94%E7%BF%92