シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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環境政策Ⅰ | 2024 | 前期 | 金1 | 経済学部 | 鳥飼 行博 | トリカイ ユキヒロ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-PB3-811X
履修条件・関連科目等
環境政策Iと環境政策IIは、姉妹科目などで、同時でなくともよいが、2科目ともに履修することが望ましい。
経済学の視点で考察するので、経済の基礎理論、国際経済学にかかわる科目を事前履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
「持続可能な開発のための環境政策・国際協力」:
テキスト鳥飼行博著『開発と環境の経済学』東海大学出版部、をもとにして、経済発展と環境保全を両立させ、将来世代に負荷を与えないように配慮して、現在世代の発展を目指す持続可能な開発(Sustainable Development)、特に地球温暖化とも関連する森林破壊・熱帯林減少の要因と対策、世界の再生可能エネルギーの大半を占めている固形木質バイオマスエネルギーの開発途上国における利用、里山の意義、アグロフォレストリーなどを、先進工業国と開発途上国との南北比較をし、「環境政策Ⅰ」「環境政策Ⅱ」を連携させながら、南北関係、南北格差を重視して、実証的かつ理論的に検討する。
予習として、シラバスを参考に、テキスト『環境と開発の経済学』を熟読しノートにまとめる作業2時間、復習として、講義中のノートテークを教科書・参考書を使って補充してまとめる作業に2時間をかけること。
面接授業・遠隔授業では、manaba、website鳥飼行博研究室を使った課題の作成・提出を随時求める。文字数は400-1000文字程度で、manaba経由で、あるいは面接授業中に作成・提出する。授業に出席し、出された課題を提出することは、授業履修のための必要条件と考えてもらいたい。
科目目的
環境問題とその解決のための環境政策をグローバルな視点とローカルな視点の双方でとらえ、南北格差(開発途上国と先進工業国との社会経済的格差)を考慮した持続可能な開発を達成する方法を模索することが授業課題となる。
そこで本講義では、開発途上国の貧困解消、南北格差、社会開発、環境保全に関連して、経済の視点から、森林減少の要因を再検討し、地球温暖化対策の一環ともなるバイオマスエネルギーの利用をグローバルな視点で検討する。総合的、具体的に分析を進めるが、南北格差、地域コミュニティの住民、財産権(保有権、利用権、処分権)に配慮した環境政策も持続可能な開発に寄与することを明らかにしたい。
到達目標
持続可能な開発やSDGsについて、自ら積極的に考え、調べることができるように自発性を伸ばすとともに、自らの関心を高めて、時にはローカルに、時にはグローバルに応用対処できる能力を養う。
授業計画と内容
1.持続可能な開発――グローバルな視点とはなにか。持続可能な開発の定義と諸原則。
2.南北格差――先進工業国と開発途上国の貧困・厚生水準の南北比較。
3.環境保全と貧困・開発――地球環境問題における貧困と経済発展の因果関係と環境ODA。
4.熱帯林とは何か――森林被覆率による定義、FAOの森林面積推計方法。
5.熱帯林の減少――その要因を薪炭生産、用材生産、貿易・投資・援助から再検討する。
6.熱帯林の保全のあり方――GEF(Global Environment Facility)、森林認証制度を理解する。
7.ローカル・コモンズ(自然共有資源)管理――土地なし労働者、焼畑、フロンティア開発、地域コミュニティ。
8.生物多様性の保全――自然保護区、エコツーリズム、参加型の開発、草の根の環境保全。
9.アグロフォレストリーとバイマス利用――世界の主な再生可能エネルギーは、伝統的バイオマスである薪炭を燃焼することであられる熱エネルギーである。これを考慮しないで、太陽光発電、風力発電、バイオマス液体燃料の開発を論じることは、環境政策・開発経済学の上からも、問題点を誤解している。現場の視点の重要性。
10.昔話「桃太郎」と里山――なぜ日本の里山は荒廃したのか、なぜ維持管理できないのか、NGOによる里山保全の限界はどこにあるのか。
11.廃棄物のリサイクル――マテリアルリサイクルとサーマルリサイクル(ケミカルリサイクル)。石油も薪もごみも燃やせば何でもエネルギーになるからリサイクルと同じ?
12.廃棄物輸出・再生資源の輸出――グローバル化するリサイクルと有価物。半アジア型循環型社会の形成可能性。
13.環境税としてのごみ有料化、バージン資源課税、循環型社会形成の序章。
14.汎アジア循環型社会の形成の可能性――環境協力の必要性。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習として、シラバスを参考に、テキスト『環境と開発の経済学』を熟読しノートにまとめる作業2時間、復習として、講義中のノートテークを教科書・参考書を使って補充してまとめる作業に2時間をかけること。
面接授業・遠隔授業では、manaba、website鳥飼行博研究室を使った課題の作成・提出を随時求める。文字数は400-1000文字程度で、manaba経由で、あるいは面接授業中に作成・提出する。授業に出席し、出された課題を提出することは、授業履修のための必要条件と考えてもらいたい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 授業中に提示する小レポートの評価80%でこれにはwebサイトの課題レポートも含む。小レポートは5回から9回の予定。 |
平常点 | 20 | 授業にかかわる意見・質問、積極的な受講の姿勢など授業時間外も含めて熱意・関心・能力を反映した取組みを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)あるいはブログ掲示(http://torikai007.livedoor.blog/)を用いた課題を提示するが、フィードバックを行うことがあるが、フィードバックは限定されたものとなる。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)にあるwebsiteを利用して授業を進める。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〈テキスト〉鳥飼行博『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』東海大学出版部,1998年(初版)
テキストなしに受講や課題作成はできません。
〈参考書〉
田中廣滋編『環境ネットワークの再構築―環境経済学の新展開』中央大学出版部,2001年
鳥飼行博『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』東海大学出版会,2002年
鳥飼行博『地域コミュニティの環境経済学―開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』多賀出版,2007年
鳥飼行博『アジア地域コミュニティ経済学―フィリピンの棚田とローカルコモンズ』東海大学出部、2015年
その他特記事項
連絡や資料検索は、鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)を活用すること。
参考URL
鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)およびブログ掲示板(http://torikai007.livedoor.blog/)を活用すること。