シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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構造力学1 | 2025 | 前期 | 金3 | 理工学部 | 大下 英吉、西岡 英俊 | オオシタ ヒデキ、ニシオカ ヒデトシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-CV2-3A06
履修条件・関連科目等
1年時の「材料力学」,「線形代数」,「微分・積分」および「解析学基礎」の内容を理解していることを前提として講義を行う。再履修者を除き、構造力学演習を同時に履修することを原則とする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
前半は「力のつり合いだけで断面力が計算できる」静定構造物の解法を解説する。半ばから後半にかけ、「材料力学」で学んだ応力とひずみの考え方をはりで展開し、弾性方程式を導く。
構造力学は,形が変化する物体(固体)の力学として一般的な原則を学んだ「材料力学」の内容を踏まえ,3次元的挙動を示す物体に対して特有の条件を適用することで1次元に単純化した骨組構造物における力学的挙動を学ぶ基礎的な学問である。
本科目では,物体挙動の3次元から1次元への単純化プロセスの概念,骨組構造のうち「静定はり」としての力学的挙動の振る舞いを,数式的かつ図式的に表現する手法を学び,実事例に適用可能となる素養を習得することを目的とする。
科目目的
構造力学1は、水理学1と並ぶ都市環境学科2年次の必修科目であり、学科の基幹科目といえる。形が変化する物体(固体)の力学として一般的な原則を学んだ「材料力学」を受けて、骨組構造物特有の条件を入れて単純化したものが構造力学である。橋梁など、実際の構造物の解析手段であるほか、コンクリート工学や地盤工学に通じる、応力の伝達や破壊の原因などを学び、感覚を身につけるための基礎となる学問である。
到達目標
構造物を設計するためには、その力学的挙動を知る必要がある。構造物の力学的性質の初等的考え方を修得し、実際の構造物に対して、その力学的特性が判定できるようになることを目的とする。
授業計画と内容
次の計画に従って、講義をおこなう。出来るだけ講義→演習と連動させるが、場合によっては演習が講義の予習の役割を果たすことがあるので、必ず同時に履修すること(再履修者を除く)。
第1回 材料力学と構造力学の違い/座標の考え方/構造物の例(材料力学の復習を兼ねる)
第2回 さまざまな支点と反力/静定と不静定
第3回 静定はり(1) 反力(単純ばり、片持ちばり、ゲルバーばり)
第4回 静定はり(2) 曲げモーメント図、せん断力図
第5回 静定はり(3) 特殊な静定骨組(アーチ構造、ラーメン構造)
第6回 静定はり(4) 力のつり合いの微分方程式
第7回 中間到達度確認
第8回 変位とひずみ、軸力問題の弾性方程式
第9回 はりの弾性方程式(1)(曲率の変位表示、ベルヌイ・オイラーの仮定)
第10回 はりの弾性方程式(2)(支点条件と境界条件、静定はりとの比較)
第11回 はりの弾性方程式(3)(微分方程式の解法による不静定はりの例/モールの定理)
第12回 静定トラス(1) トラス構造の特徴
第13回 静定トラス(2) トラス構造の解法(節点法、切断法)
第14回 静定トラス(3) トラスのはりアナロジー,総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前に配信する動画の視聴を指示し,講義で学生にその内容の説明を求めたり,事前配信動画を踏まえた演習問題に取り組んでもらう場合がある。なお,時間外の学修が不足していると判断した場合は,平常点を減点する。
話を聞いて理解したつもりになっただけでは、構造力学の試験にはまったく対応できないと考えた方がよい。
授業を復習して、式展開を自分自身でフォローするとともに、参考書の章末問題など、多くの問題を自ら解いてみるのが構造力学の理解を早める方法である。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 25 | 静定構造物について,力のつり合いだけで支点反力・断面力が計算できる |
期末試験(到達度確認) | 25 | 梁の基本式に基づき,トラスの計算、たわみの計算ができる。 |
平常点 | 50 | 平常点は,manabaあるいはresponでの小テスト等の正答率と出席状況に基づいて、試験の点数に乗じる補正率(0~100%)として評価する。なお,出席状況は事前配信動画や講義内容をまとめた手書きノートあるいは授業中に示した演習課題の回答の提出と受講態度も加味して評価する。なお,平常点は,普段の学修を着実に実施していることが確認できれば満点(100%)とし,不足があれば減点する減点法での評価を原則とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績は,「中間試験(100点満点)の点数×0.5+期末試験(100点満点)の点数×0.5」に,「平常点に基づく補正率(0~100%)」を乗じた値を評価点として評価する。評価点が60点に達しない場合は不合格となる(E判定)。
※例えば試験が満点でも「平常点に基づく補正率」が60%未満であれば評価点は60点未満でE判定となる。よって、普段から着実に学修に取り組むことが必要である。
なお、「平常点に基づく補正率」は,普段の学修を着実に実施していることが確認できれば満点(100%)とし,不足があれば減点する減点法での評価を原則とする。
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あくまで「計算が出来てこそ」の構造力学であり,中間試験・期末試験の成績が基本となる。ただし,講義を聞いて式の内容を理解しただけでは、与えられた短い時間で問題を解くことは出来ない。講義内容を理解した上で,自分で問題を解いて、計算の過程や解のパターンを把握しておくことが必要であり,普段の着実な取り組みが無ければ合格水準の計算ができるようにはならない。その取り組みを促すため,平常点を乗じた評価としている。なお,試験結果に平常点を掛け合わせるため,上記の評価基準の割合としては,中間・期末の合計で50%と平常点で50%と表記している。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
事前に配信する動画の視聴を指示し,その内容を授業ノートに含めて提出する場合がある。
また,講義では,履修生に事前配信動画の内容の説明を求めたり,事前配信動画を踏まえた演習問題に取り組んでもらう場合がある。なお,講義時点で事前配信動画の内容の学修が不足していると判断した場合は,平常点を減点する。
responも使用する。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaおよびYouTube等で事前学習資料(動画の場合もある)を配信する
responも活用する
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
西岡英俊(鉄道総合技術研究所:2001~2018年在職) 鉄道構造物の設計基準策定業務に従事
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
第1回講義において,実際の構造物の設計業務において,本科目で修得する専門知識がどのように活用されているかについて講義する。
テキスト・参考文献等
必要に応じてレジュメ等をmanabaで配布する。
参考文献:竹間弘、樫山和男「構造力学の基礎」(日新出版 3,200円+税)
(構造力学1では参考文献としての扱いとするが,構造力学2では教科書として指定されているので,早期に購入し,授業の際に手元に置いて参考とするのがよい)
その他特記事項