シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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環境政策Ⅱ | 2024 | 前期 | 金2 | 経済学部 | 鳥飼 行博 | トリカイ ユキヒロ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-PB3-812X
履修条件・関連科目等
環境政策Iと環境政策IIは、姉妹科目などで、同時でなくともよいが、2科目ともに履修することが望ましい。
経済学の視点で考察するので、経済の基礎理論、国際経済学にかかわる科目を事前履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テキスト鳥飼行博著『開発と環境の経済学』東海大学出版部をベースに「持続可能な開発のための環境政策・国際協力」:経済発展と環境保全を両立するような持続可能な開発(Sustainable Development)、特に地球温暖化対策、再生可能エネルギー、原子力エネルギー、政府が推進してきた廃棄物発電を中心とした「新エネルギー」という誤解に関して、「環境政策Ⅰ」と「環境政策Ⅱ」を関連させながら、開発途上国と先進工業国の南北格差の視点を重視して検討したい。
予習として、シラバスを参考に、テキスト『環境と開発の経済学』を熟読しノートにまとめる作業2時間、復習として、講義中のノートテークを教科書・参考書を使って補充してまとめる作業に2時間をかけること。
面接授業・遠隔授業では、manaba、website鳥飼行博研究室を使った課題の作成・提出を随時求める。文字数は400-1000文字程度で、manaba経由で、あるいは面接授業中に作成・提出する。授業に出席し、出された課題を提出することは、授業履修のための必要条件と考えてもらいたい。
科目目的
環境政策をグローバルな視点とローカルな視点の双方でとらえ、開発途上国と先進工業国、すなわち南北格差を考慮した持続可能な開発を達成することが授業課題となる。そこで本講義では、具体的に地球温暖化対策に関する環境政策の検討することを課題として、総合的、具体的に分析する。
そして、経済インセンティブに配慮した環境政策として、原子力発電を含むエネルギー政策、原子力発電に伴う核廃棄物適正処理・廃炉の処分、炭素税を中心とした環境税、少子高齢化と人口増加に対する人口政策、意図せざる環境保全を検討する。
到達目標
持続可能な開発やSDGsについて、自ら積極的に考え、調べることができるように自発性を伸ばすとともに、自らの関心を高めて、時にはローカルに、時にはグローバルに応用対処できる能力を養う。
授業計画と内容
1.環境問題への対策――環境政策,環境保全のための投資,エコビジネスをどのような視点で検証するか、「我々一人ひとりが考え行動しなければならない」という意見は結論にはならないことに注意する。
2.宇宙船地球号の環境政策のあり方――宇宙船地球号の概念も長所・欠点および南北格差を考慮した持続可能な開発の視点の有用性
3.地球温暖化問題――温暖化の要因を南北のエネルギー消費から分析する。
4.温暖化対策――再生可能エネルギー(自然エネルギーとバイオマス)の開発を考える。
5.京都議定書の内容と問題点――ポスト京都議定書への道筋・京都議定書には先進工業国の排出権削減の数値ではなく、排出枠が明記されている。
6.京都メカニズム――省エネ,エネルギー節約,自然エネルギー代替のための投資。クリーン開発メカニズムの多くは二酸化炭素削減のための投資ではない。その他の温室効果ガスを温暖化係数の上から重視している。
7.再生可能エネルギー①――自然エネルギーの経費と拡大可能性
(洗濯物をどのように乾燥させるか、太陽光発電を導入した電気乾燥機は地球にやさしいのか)
8.再生可能エネルギー②――バイオマスエネルギーの経費とカーボンニュートラル。世界の主な再生可能エネルギーの供給は、開発途上国の貧困者が利用する薪になる。
9.バイオ燃料の功罪――エネルギー作物生産とエネルギー収支の再検討。燃料化のために必要なエネルギー投入が多すぎる。
10.原子力発電の功罪――廃棄物処理経費,電源開発と地域補助金の関連を理解し、核廃棄物の処理と永久保管も含めると原子力発電の開発には多大な予算が投下され続けていることを理解する。
11.グリーン電気度――グリーン買電,RPS法,グリーン電力料金
12.環境税――環境調和型価格体系の構築。温室効果ガスなど環境負荷物質への課税。
13.地球温暖化と人口・エネルギーの関連。人口爆発ではなく資源エネルギー消費の膨張こそが問題。「ウルトラマン」のバルタン星人は、何人が地球にやって来たか。その目的は何か。
14.少子高齢化とその対策の誤解――女性を保護するようなジェンダー平等化は、出生率を低下させる、先進工業国では出生率回復・開発途上国では人口爆発という単純な誤解を解く。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習として、シラバスを参考に、テキスト『環境と開発の経済学』を熟読しノートにまとめる作業2時間、復習として、講義中のノートテークを教科書・参考書を使って補充してまとめる作業に2時間をかけること。
面接授業・遠隔授業では、manaba、website鳥飼行博研究室を使った課題の作成・提出を随時求める。文字数は400-1000文字程度で、manaba経由で、あるいは面接授業中に作成・提出する。授業に出席し、出された課題を提出することは、授業履修のための必要条件と考えてもらいたい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 授業中に提示する小レポートの評価80%でこれにはwebサイトの課題レポートも含む。小レポートは5回から9回の予定。 |
平常点 | 20 | 授業における意見・質問、積極的な受講の姿勢など授業時間以外の熱意・関心・能力を反映した取組みを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)あるいはブログ掲示(http://torikai007.livedoor.blog/)を用いた課題を提示する。フィードバックを行うことがあるが、フィードバックは限定されたものとなる。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)にあるwebsiteを利用して授業を進める。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〈テキスト〉鳥飼行博『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』東海大学出版部,1998年(初版)
テキストなしに受講したり、課題を作成したりすることはできません。
〈参考書〉
田中廣滋編『環境ネットワークの再構築―環境経済学の新展開』中央大学出版部,2001年
鳥飼行博『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』東海大学出版会,2002年
鳥飼行博『地域コミュニティの環境経済学―開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』多賀出版,2007年
鳥飼行博『アジア地域コミュニティ経済学―フィリピンの棚田とローカルコモンズ』東海大学出部、2015年
その他特記事項
連絡や資料検索は、鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)を活用すること。
参考URL
鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)およびブログ掲示板(http://torikai007.livedoor.blog/)を活用すること。