シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅳ | 2024 | 秋学期 | 水2 | 商学部 | 関根 正敏 | セキネ マサトシ | 4年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF4-14XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕社会課題の解決に寄与するスポーツの活用可能性
〜スポーツを通じて幸せな暮らしを実現するためには、どんな障壁が存在しているのか〜
このゼミナールでは、こうした大局的な問いについて追求しながら、基本的な「アカデミックリテラシー」(学術的な論文作成の作法)を習得し、卒業論文の執筆に向けた学習を進める。スポーツというと、単なる「遊び」や「身体活動」と見做されることは少なくないが、その一方で、「楽しさ」や「喜び」を中核的な要素として持つスポーツは、経済を活性化させ、地域社会を活性化するまちづくりに繋がる政策手段として近年注目を集めている。日本のスポーツ政策は、旧来より教育行政という枠組みのなかで推進されてきたが、近年においては、経済、健康、地域社会、国際関係といった幅広い視点から社会的な成果(アウトカム)を追求する傾向が加速し、幅広い社会課題の解決にスポーツでアプローチするという発想が広まりつつある。ただし、そうした大きな期待が寄せられる「スポーツによる社会課題の解決」という取り組みについて、実際の現場に目を向けると、しばしば、計画通りに物事が進まずに苦悩する当事者や、成果がなかなか残せずに立ち尽くす関係者に出会うことがあることには留意が必要である。ただ単にスポーツの機会があれば、地域の絆が深まったり、地域経済が潤ったり、高齢者のいきがいが育まれたりするわけではなく、成果に繋げるためのスポーツ活動のプロセスが必要であり、そうしたプロセスを適切にマネジメントすることが重要になる。
このゼミナールでは、受講生は、学校、地域コミュニティ、プロスポーツ、スポーツ企業、行政、NPOなど、様々な現場の中から、各自の興味・関心基づき、自らのフィールド(調査対象)を模索する。そして、そのフィールドに関する詳細なリサーチ(フィールドワーク)を進めながら、現場の実情や将来展望に関する問題意識を形成し、それを踏まえた上で、卒業論文で追求するテーマ(学術的な問い)を設定していく。「スポーツの力」という総花的な発想を相対化し、現場の実相を直視しながら、学術的な見知から研究を進め、スポーツの活用可能性と限界性について考察する。そうしたスタイルで卒業論文を執筆する。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
アカデミックリテラシー(学術的な論文執筆の作法)を習得し、自らの問題意識を形成しながら、大学での学習の集大成として卒業論文を執筆する。
到達目標
このゼミナールでは、受講生は、次のような到達目標をクリアすることを目指す。
・幅広い情報収集に基づいて自分自身が有する問題意識を明確にし、自分が生涯にわたって大切にできる研究テーマを見つける。
・先行研究の批判的な検討を通じて、学術的な問いを設定できるようになる。
・論証に必要な情報を適切な方法で収集できるようになる。特に、フィールドワークの手法について理解を深め、実際の現場で一次情報を収集するスキルを培う。
・論理的に文章を構成し、自分の主張を正確に表現することができるようになる。
・研究発表を通じて、他者にわかりやすく、研究内容を伝える能力を身につける。
授業計画と内容
個人の研究発表とグループ研究を中心に進めますので、受講生は、次の報告までに研究内容をブラッシュアップしてくることが求められます。
【3年次】個人研究+グループ研究
<春学期>
1.オリエンテーション
2.グループ研究のグルーピング&課題設定
3.卒業論文の執筆方法1:研究の進め方
4.卒業論文の執筆方法2:先行研究のレビュー
5.学術論文の講読1:まちづくり/NPO/地域開発
6.学術論文の講読2:部活動/地域スポーツクラブ/民間スポーツ施設/スポーツ政策
7.学術論文の講読3:子ども/成人/高齢者/障害者/マイノリティ
8〜12.個人研究発表:研究テーマに関する基礎情報/自身の問題意識の明確化
13.グループ研究発表:春学期の成果/夏休みの活動計画
14.総括
<夏休み期間>
・ゼミ合宿
・個人研究に関する個別学習(先行研究のレビューを中心に)
・グループ研究のフィールドワーク
<秋学期>
1.オリエンテーション
2.サブゼミナールのグルーピング
3.グループ研究発表:夏休みの研究成果/秋学期の研究計画
4.卒業論文の執筆方法:調査方法/研究倫理
5〜7.課題図書の輪読:エスノグラフィーの基礎文献を講読
8〜12.個人研究発表:先行研究の批判的検討/研究設問の設定
13.グループ研究発表:年間活動成果の報告
14.総括
<春休み期間>
・卒論発表会の運営(※4年生だけでなく3年生も参加)
【4年次】卒論執筆
<春学期>
1.オリエンテーション
2.卒業論文の執筆方法:論文の構成
3.卒業論文の執筆方法:執筆上のルール
4〜8.個人研究発表1:研究テーマ・研究目的を中心に
9〜13.個人研究発表2:夏休みの調査計画を中心に
14.総括
<夏休み期間>
・ゼミ合宿
・卒業論文に関する個別学習:フィールドワークを中心に
<秋学期>
1.オリエンテーション
2〜4.卒業論文の中間報告会
5〜7.個人研究発表(執筆済みのパートを報告)
8.卒業論文の仮提出
9.論文の校閲1:論文構成(序論/本論/結論)
10.論文の校閲2:序論(背景/目的/先行研究/方法/意義)
11.論文の校閲3:本論(調査結果/考察)
12.論文の校閲4:結論(研究成果/残された研究課題/文献リスト)
13.文章チェック
14.総括
<春休み期間>
・卒論発表会(※4年生だけでなく、3年生も参加)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
卒業論文の執筆に向けて、授業時間外の学習に取り組む必要があります。インターネットを活用した基礎情報の収集や、学術論文のレビュー、現地調査によるデータ収集、収集したデータの整理・分析、論文の執筆、発表資料の作成など、多くの時間を自己学習として費やすこと求められます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 全ての学期の期末には、個人研究等に関するレポートを課します。問題意識の明確さや先行研究のレビューの方法、設定した研究テーマの学術的/実践的意義、収集データの量と質、考察・結論の論理性・妥当性などの視点から、総合的に判断します。 |
平常点 | 50 | 授業への参加状況(議論への参加状況やゼミ運営への貢献度)について評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
特に指定しません。
〔参考文献〕
・柳沢和雄ほか編著『よくわかるスポーツマネジメント』, ミネルヴァ書房, 2017年
・高岡敦史・松橋崇史編『スポーツまちづくりの教科書』, 青弓社, 2019年
・小田博志『エスノグラフィー入門:「現場」を質的研究する』,春秋社,2010年
その他は、入ゼミ後,適宜,指示します。
その他特記事項
〔募集人数〕
15人
〔募集方法〕
〇レポート(manaba「レポート」利用)
〇面接試験
〔注意事項〕
このゼミに所属する学生には、以下のことが求められます。
・遊ぶときは遊ぶ!やるときはやる!「メリハリ」をもってゼミナール活動に取り組むこと
・自分の興味・関心に基づき、調査研究活動について自ら進んで学習すること
・ゼミ生同士で円滑にコミュニケーションを図り、他のゼミ生の論文にも積極的に助言をすること
・特別な理由がない限り、授業や課外活動を欠席しないこと(無断欠席は認めない)
・授業時間以外での活動(調査・視察・発表会・ゼミ合宿など)にも能動的に参加すること
〔国外実態調査〕
実施しない