シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
国際教養演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 金5 | 商学部 | 山本 明 | ヤマモト アキラ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-01XS
履修条件・関連科目等
3.4年次配当の事前登録科目です。
国際教養演習Ⅰ・Ⅱはセット科目です。
留学生、留学希望者、留学体験者も歓迎します。
授業は日本語で行いますので、学修を前提とする語学や科目はありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ゼミの柱は2つです。第1にストーリーテリング能力を高める、第2に異文化コミュニケーション能力を高める。
みなさんは、ディベート、毎回のディスカッション、各種のワークショップ、そして何より自分で自由にテーマを見つけてプレゼンをする過程で、ストーリーテリング能力が高まるのを実感します。西安のイスラム教徒街を訪れ(オンライン)、漢族の旅行会社部長に多文化共生(イスラム文化の現地適合化等)を説明していただき、質問をぶつけることで、あるいは海外の映画を日本に、日本映画を海外に配給する会社の映像部門前責任者に、どのようなストーリーが現地ではヒットするかを説明していただき、質問をぶつけることで、異文化コミュニケーション能力を体感することになります。
第1の柱はフォトセラピーやCMのノベライズ化、その他ワークショップの実践を通じて身に着けていただきます。自分を一番表現する写真を選んでキャプションを書いてみる、ブランドCMをノベライズしてみる、チャットや画像の生成系AIを使いこなして関心のある商材の中国向け広告プランを作ってみる、等々。あなた自身やブランドの世界観を言語化する体験から、物語る文法であるナラトロジーを身につけます。
「あなたはどんな人ですか?」 その質問に答えるとき、どんなエピソードを選び、どんな順番でならべ、どんなキャラを登場させ、どんな言葉でそれをストーリーにしていますか。それは就活の時だけでなく、人生を通じて更新されていきます。ストーリーとはあなたの世界観を最も効率的に、最も深く表すものだからです。
「そのブランドの個性は?」他者に対する訴求力を必要とするとき、ストーリーがいかに有効な武器になるかは、日常目の当たりにしている通りです。なぜならストーリーは人類にとって世界を理解し、他者とコミュニケーションをとるツールであり続けてきたからです。世界の見え方、生き方を潜在的に作るもの(=文化)だからです。にもかかわらず、ストーリー消費はされても、ストーリーとはそもそも何モノで、どのように語ればよいのか、ストーリー制作の文法が普及しているとはいえません。
CM、マンガ、ドラマ、映画など物語を持つコンテンツには、共通した物語の手法が使われています。自分に刺さった作品の物語分析を通じて、それらの手法を知ることで、制作者の立場になることができ、より作品を楽しめるようになります。と同時に他者にも刺さる表現スキルを身につけてください。情報爆発の進展に伴い、単なるデータの列挙では埋没していくばかりです。アテンションはおろか、価値観を感情レベルで相手に残すことはできません。膨大なデータを圧縮し、僅かなスペースで世界観を象徴しうるストーリーの重要性は高まるばかりです。
第2の柱は、ストーリーを通じて異文化理解のスキルを身に着けていただきます。同一商品のCMなのに、国によって全く別のストーリーに代わっていたり、好きな映画や小説などのコンテンツが、他の国ではセリフが代わっていたり、エピソードが代わっていたり、キャラクターが代わっていたりしたことはありませんか(ガイダンス資料動画ではジブリの海外での変容例をあげておきました)。
一つのストーリーが別の文化圏で受容される際、変容することで定着するのは、古典文学からありふれた現象です。なぜなら、ストーリーは文化(集団の世界観、価値観)の象徴だからです。グローバル展開の際、現地の文化に適合するためには、ストーリー自体も変わらざるを得ない理屈です。従って日本内外の異文化消費者に対する展開に伴い、コンテンツビジネスに限らず一般商品やブランドも、炎上などでイメージを損なうことのないよう、受容可能なストーリーが必要となります。授業では、同一のストーリーが日本や中国で受容される際、どのように変容したかを通じ、ストーリーを通じた文化比較の観点を身に着けていただきます。
過去のゼミ生はひとりひとりが自由に自分に必要なテーマを選び、教員との打ち合わせを通じ、先行研究の利用の仕方、プレゼンの組み立て方を自分のものとしました。なにより、自分の進路や関心領域を深堀することで、自分が誰なのか、それをどう表現するのかを見つけていきました。
例えば、外国人投資家に日本の不動産の魅力を発信する意義、冷凍食品を海外で展開するプラン、海外比較を通じたスポーツビジネスで女性ファンを獲得する戦略、海外比較を通じた理想の教育制度改革、台湾でもう一度日本ブームを起こすための戦略、求められるリーダーシップの海外比較、メディアによる日中相互理解のプラン等です。
あなたにとって、ストーリーが強く記憶に刻まれている作品は、ブランドは、商品は、どのようなものですか? それらの想起と分析を通じて、自分にとって必要なストーリーを発見してください。そして今度は自分がライフストーリーを語る際、ナラトロジーを駆使して、より深く刺さるものを作ってください。就活期に限らず、ライフストーリーは絶えず更新されることで、一生を通じて新たな「気づき」と進むべき方向をもたらしてくれます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。
この科目を通して、世界の言語、歴史、文化などに関する知識を深め、それらと関連があるビジネスや社会活動について学習し、将来、多様な言語・文化背景をもつ人々と協働するために必要な姿勢やスキルを身に着けることを目的としています。
1 物語分析(ナラトロジー)の手法を活用できるようになる。
2 異文化コミュニケーションスキルを高める。
到達目標
1 映画、ドラマ、小説、マンガ、音楽、動画、ゲームなどテーマや世界観をストーリーによって表現した作品であれば全て、ナラトロジーを用いて分析できるようになる。
2 どのようなストーリーを創れば、或いはどのようにストーリーを改変すれば、その商品の価値を高められるかアイディアを出せるようになる。
とりわけ、グローバル展開において異文化に受容されうるストーリーの提案ができるようになる。
授業計画と内容
プレゼンテーション(1)-(16)は受講者が自由にテーマを選び、資料収集やプレゼンの方法について教員との相談会を繰り返しながらプレゼンにまでこぎつけます。
ナラトロジー(物語分析)(1)-(5)は、フォトセラピー、ブランドCMのノベライズ、その他ワークショップを通じて、実践の中で体感していっていただきます(「授業の概要参照」)。
(春学期)
1. 他己紹介/授業のガイダンス
2. ディベート(1)広告写真作品に関するディベートを通じたナラトロジー学習
3. ディベート(2)ドキュメンタリーフォト作品に関するディベートを通じたナラトロジー学習
4. ナラトロジー(1)視座(一人称制限視座から三人称全知視座まで)
5. ナラトロジー(2)錯時法(カットバック、先説法、黙説法)
6. プレゼンテーション (1)
7. プレゼンテーション (2)
8. プレゼンテーション (3)
9. プレゼンテーション (4)
10. プレゼンテーション (5)
11. プレゼンテーション (6)
12. プレゼンテーション (7)
13. プレゼンテーション (8)
14. 春学期のまとめ
(秋学期)
1. 中国西安におけるイスラム文化の現地適合化について事前学習とインタビュー内容の準備
2. オンラインでの中国西安イスラム教徒集住地区見学とヒアリング調査
(状況によっては日程や内容の変更もあり得ます)
3. ナラトロジー(3)キャラクター
4. ナラトロジー(4)叙述と描写。地の文と会話
5. プレゼンテーション (9)
6. プレゼンテーション (10)
7. プレゼンテーション (11)
8. プレゼンテーション (12)
9. プレゼンテーション (13)
10. プレゼンテーション (14)
11. プレゼンテーション (15)
12. プレゼンテーション (16)
13. 映画配給会社映像部門前責任者による異文化圏でヒットさせる戦略のレクチャーとディスカッション
14. 授業のまとめ。表彰式(プレゼンテーション部門、ディベート部門)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教員と相談しながら、テーマを選び、情報収集をし、プレゼンテーションを作り上げていくことになります。
教員のサポートがありますので、心配せずに受講してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
その他 | 100 | プレゼンテーションとその報告書、および他者のプレゼンに対しどのような質問やアドバスを出せたか、両者をそれぞれ40%の割合で、更にディベートでのパフォーマンスを20%の割合で勘案し評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
ディベート、プレゼン終了後、教員から個人的にフィードバックしますが、他の履修者全員からのフィードバックも制度的に設けます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト・参考文献〕
教場で指示します
その他特記事項
〔募集人数〕16名
〔募集方法〕〇レポート(manaba「レポート」利用)
〔注意事項〕中国語圏のコンテンツとの比較が多いですが、日本語で進めますので、中国語を履修している必要はありません。
留学生、留学希望者・体験者も歓迎します。
〔国外実態調査〕
現地での調査は実施しないが、
オンラインによる、中国西安イスラム教徒集住地区の現地見学とヒアリング調査を予定。
ソフトウェアの利用なし