シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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歴史学 | 2024 | 秋学期複数 | 火2,金4 | 商学部 | 宇田川 幸大 | ウダガワ コウタ | 1~4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-HT1-54XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では、第一次世界大戦から現在までの日本の歴史を、具体的なトピックを取り上げながら検討してゆきます。
前半の講義では、第一次世界大戦からアジア太平洋戦争までを対象にして、主に政治・社会の観点から日本の歴史を検討してゆきます。いわゆる「戦前」「戦中」の時期に、日本社会に如何なる特徴や問題点があったのかを整理・検討したいと思います。
後半の講義では、1945年の日本の敗戦から現在に至るまでの日本の政治・社会の動向を検討してゆきます。ここでは、「戦前」「戦中」にかけて存在していた様々な問題が、「戦後」どのような形で残存したのか、あるいは克服が試みられたのかを確認してゆきます。その上で、私たちがいまどのような時代を生きているのか、あるいは今後どのような「未来」に向かおうとしているのか、皆さんと一緒に展望してみたいと思います。
また、この授業ではみなさんにレスポンスペーパーを書いていただき、質問・意見などを自由に出していただきます。レスポンスペーパーで出された意見・質問を授業に反映させながら、双方向で授業内容を構成します。(レスポンスペーパーは、書きたいことがある者のみ提出。)
科目目的
この科目は商学部カリキュラム上のリベラルアーツ科目人文社会学系に位置付けられています。
日本現代史の特徴や問題点を整理・検討することを目的とします。
到達目標
歴史の事実関係(知識)を単に「暗記」するのではなく、受講生のみなさん一人一人が、自身の日常生活や今後の進路を視野に入れながら、現代社会の抱える様々な問題点を歴史学的に考察してゆく力を身に付けることを到達目標とします。
授業計画と内容
各回の内容や構成は、進捗状況や受講生の皆さんから寄せられたレスポンスペーパーの内容によって変化する可能性があります。以下の構成はあくまでも一つの目安だとお考え下さい。
なお、中間レポートに関する講評やアドバイスなども、講義後半部のどこかの回のなかで行いたいと思います。皆さんが本物の学問に触れ、物事を考え、論理的に表現する力を養っていただけるように、こちらも最大限のサポートをしたいと考えています。
第1回 歴史学への招待―この授業で何をどのように学ぶのか―
第2回 第一次世界大戦と日本―日本・他のアジア・世界―
第3回 第一次世界大戦とその後―総力戦への対応と「大正デモクラシー」―
第4回 関東大震災
第5回 中間レポート作成に向けて―学術論文の技法
第6回 満州事変と日本社会―戦争を拡大させたのはだれか―
第7回 日中戦争の展開―戦争はなぜ拡大・泥沼化したか―
第8回 南京事件を/から考える―被害はなぜ拡大したのか―
第9回 日本軍「慰安婦」制度
第10回 毒ガス問題から考える日本の戦争―なぜ被害は拡大したか―
第11回 日本の戦争と生物戦―戦争と科学―
第12回 戦略爆撃の展開
第13回 日中戦争からアジア太平洋戦争へ―戦争の歴史的性格をどう考えるのか―
第14回 講義前半のまとめ
第15回 占領政策の展開と日本社会―戦前・戦時・戦後の連続と断絶―
第16回 日本国憲法の制定過程―日本の「民主主義」の内実を問う―
第17回 近代天皇制から象徴天皇制へ
第18回 東京裁判―序列化された戦争被害―
第19回 BC級戦犯裁判―戦争と裁き―
第20回 中間レポートに関する講評とアドバイス
第21回 期末レポート作成に向けて―学術論文の技法(応用)
第22回 サンフランシスコ平和条約―帝国主義・植民地主義・冷戦―
第23回 日本軍「慰安婦」問題
第24回 近代日本の戦争と靖国神社
第25回 戦後史のなかの靖国神社―誰のための「慰霊」か―
第26回 「戦後史」における日本と他のアジア(1)日韓基本条約の締結をめぐって
第27回 「戦後史」における日本と他のアジア(2)時事問題の検証
第28回 現代政治と日本の近現代史
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
新聞などによく目を通すようにし、現在の政治・外交・社会・経済の動向に注目してください。また、講義の情報量が多いので、必ず復習をして次回の講義に臨んでください。授業から得た情報を細目にメモし、授業ノートに整理しておくようにしてください。
特に復習は入念に行うことをお勧めします。授業に臨むにあたり、前回分のレジュメを数十分ほど再読する、といった方法も効果が期待できます。日常的に図書館などを活用して、諸文献に目を通す習慣をつけておくと良いと思います。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | レポートは、この科目の到達目標(既述)に照らしつつ、1、授業内容を的確に把握できているか、2、自身の問題意識(なぜそのテーマを選択したのか)がきちんと叙述されているか、3、科学性・論理性のある内容になっているか、4、オリジナリティのある見解が提示できているか、の主に4点を軸に評価します。なお、レポート課題の内容や作成方法については、授業内で詳しく解説します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
〇レポートは、中間レポートと期末レポートの2つを提出していただきます。脚注をつけた本格的なレポートになります。(エッセイ、感想文ではない。)ただし、作成方法やポイントはきちんと授業内で説明します。なお、成績に関する救済措置などは一切行いませんので、この点も注意してください。
〇宇田川の「歴史学」は、「何かを学びたい」という受講生の皆さんの想いに支えられながら展開してきた講義です。こうした栄えある伝統を今後も継続していきます。また、「学びたい」という受講生の皆さんのための講義ですから、私語厳禁の原則で進めています。周囲に迷惑をかける行為をする者は退出を命じます。
〇レポートについて、これまでの受講生の皆さんの状況を参考までにお知らせしておきましょう。確かに大変かもしれないが、きちんと授業に出席して主体的に学修していれば、自分の成長を感じつつ取り組めるレポートになっているようです。私の目から見ても、受講してレポートを作成する中で、大きく成長してくださる方がたくさんいます。せっかく大学に来たのだから、学問に親しみ、歴史や社会の出来事を体系的・批判的に捉える視座を、一緒に鍛えていきましょう。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
テキストはありません。授業中に配布するプリントに沿って授業を進めます。
〔参考書〕
重要な参考文献はその都度紹介しますが、授業全体(特に後半の戦後の部分)に関わる文献として、宇田川幸大『私たちと戦後責任―日本の歴史認識を問う』(岩波ブックレット、2023年)を挙げておきます。
その他特記事項
「大学でこれまでとは違った勉強をしてみたい」「学問を通していろいろな問題を考えてみたい」など、意欲をもった方の受講を歓迎します。また、こうした意欲をもった受講生の方を、私も授業を通して全力で応援したいと思っています。
歴史学はいわば「総合芸術」のような学問です。政治学、経済学、商学、社会学など、あらゆる学問分野と関連があります。歴史学に限らず、「現在の社会はどのような問題を抱えているのか」といった関心のある方は、ぜひ受講してみてください。
「何かを学びたいという意欲はあるが、講義の雰囲気がよく分からないし、レポートも不安」という方もなかにはいらっしゃると思います。そういった場合は、まずは初回のオリエンテーションを受講してみて、履修するかの判断をしてみると良いと思います。
なお、私語厳禁の原則であること、、感染症対策の観点から一人おきに着席することを事前にお知らせしておきます。サークル活動や就職活動などによる欠席があった場合も、成績への配慮は一切できないのでその点もお含みおきください。
※レポート作成は、Wordで行ってもらうことになります。
※初回授業で進め方や授業全体の方針について確認するので、履修予定者は必ず出席してください。