シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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確率論 | 2024 | 春学期複数 | 月2,木4 | 商学部 | 髙岡 浩一郎 | タカオカ コウイチロウ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-PM2-11XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
自然現象や社会現象では,その変動要因があまりにも複雑なため,偶然事象の結果として考えた方が理解し易い現象が存在します.そしてこれらの偶然事象は何回も繰り返し起こると,何らかの法則性が見つかることが知られていますが,この法則性は確率論の用語で"極限定理"と呼ばれています.
実際,宝くじやカジノ等が事業として成立するための理論的根拠は,「大数の法則」という確率論の極限定理ですし,さらに,生命保険/損害保険/金融などの業界は,確率論で得られた色々な極限定理を礎として事業を展開しています.そして近年は「ベイズの定理」という確率論での基礎的な定理が,"迷惑メールの防止法" や "カーナビの設計" の基礎理論になるなど,ますます実社会への応用が広がっています. この講義では,確率論の用語や記号などの基礎から初めて,実社会での応用されている極限定理を学びます.
なお,この講義は「数学入門」(基礎数学 I) の知識を前提として進めます.従って,それを履修していない人は十分に準備をしてください.
科目目的
この科目は商学部リベラルアーツ科目に位置付けられます。本学部は「総合的に問題解決能力を養う」という教育目標をもっています.数理的思考能力を身につけることは ,その目標を実現するための方法として有力な手段です.数理的思考能力とは,社会に起こる現象や問題を数式で表現することにより問題点を明確にし,数理的手法により,その生成メカニズムを解明することです.こうすることで,論理的に将来を予測/対応することが可能となりますが,現代ではそうした能力が最も必要とされる時代になっています.
本学部での数学系科目は6科目に分かれており,「数学入門」,「解析学」,「線形代数」は,論理構成の方法と数理的手法の扱いを学ぶ基本科目です.一方,より具体的な問題の数理的な解法を学ぶ実践的な科目として,「応用解析学」と「確率論」があります.更に専門性の高い講義としては,「数理ファイナンス I, II」,「経済数学 I, II」(ともに学部/大学院共通講義)が設置されています.
到達目標
この科目の到達目標は数理的思考能力を身につけ向上させることであり,以下の2点を重視します。
・基礎的な概念を理解すること。
・簡単な計算問題を正しく解答できること。
授業計画と内容
1. 確率論の記号と用語
2. 確率空間の導入
3. 確率空間の例
4. 条件付き確率と独立性,ベイズの定理
5. ベイズの定理の応用,各種のパラドクス
6. ベイズの定理の応用,実社会での応用例
7. 確率変数と確率分布
8. 確率変数の特徴付け,平均
9. 確率変数の特徴付け,分散
10. リスクの数値化,分散の計算
11. コイントスとベルヌイ試行
12. 2項分布とランダム・ウォーク
13. ランダム・ウォークの挙動とその応用
14. 中間のまとめ(確率論基礎)
15. 共分散と相関係数
16. 大数の法則
17. 小数の法則とポアッソン分布
18. 小数の法則とポアッソン分布,応用問題
19. 連続型の確率分布
20. 中心極限定理と正規分布
21. 正規分布確率変数の性質
22. 連続型の確率分布
23. 多次元の確率分布
24. 正規分布の数理統計学への応用
25. 正規分布から導かれる確率分布 – χ2乗分布,F 分布, T 分布
26. 推定,検定
27. 回帰分析
28. 全体のまとめ(確率論応用)
理解度や進行状況により微調整の可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
大学数学で初めて知るような新しい概念が出現するため,その日のうちに必ず講義の復習を行うことが望ましい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 確率論の基礎概念,確率分布,分布関数などの基礎的な計算ができることを評価します。 |
平常点 | 30 | 授業への参加・貢献度,講義中に数回行われる小テストによる理解度の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
✔1: 授業時間内で講評・解説の時間を設ける / Provide time for comments and explanations during class
✔2: 授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う / Give feedback on manaba, not only during class hours
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
テキストは特に指定しない
〔参考書〕
全体を通しての参考書
(1) 高遠節夫他『新確率統計 改訂版』大日本図書,2023年,ISBN: 978-4477034256,180ページ.
(2) 藤田岳彦『弱点克服 大学生の確率・統計』東京図書,2010年,ISBN: 978-4489020698,272ページ.
(3) 藤田・高岡『穴埋め式確率・統計らくらくワークブック』講談社,2003年,ISBN: 978-4061539945,170ページ.
その他の参考文献はそのつど指示します.
その他特記事項
数学は積み重ねによって系統的・発展的に内容が進み,多くの事柄が有機的に関連しています。この科目は「数学入門」の知識が前提となっています。
数学を実践で有効に用いたい方は、他の数学系科目の履修を強く勧めます。ソフトウェアの利用は特にありません。