シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 火5 | 経済学部 | 森 いづみ | モリ イヅミ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
【こちらは入力しないでください。】
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<テーマ:日本の教育の社会経済的背景について考える>
日本の教育システムがもつ様々な側面について、社会学や教育学,経済学等の実証研究の知見にもとづいて検討します。教育の中でも、とくに経済学と接点をもつ学校選択(例:私立学校)や市場(塾や教育産業)、家庭背景による進学格差、教育と労働市場のつながり、教育の効果等のテーマ関心をもつ学生の受講を歓迎します。
春学期は指定文献を全員で読み、討論して基礎を固めていきます。同時に、3年秋のプレゼンテーション大会に向けて数名ずつの班に分かれ、上述のテーマに関連する個別テーマを設定して、勉強を進めていきます。
科目目的
現代日本の教育の諸問題のなかから受講生が設定した課題について、自らの言葉で自らの考えを述べられるようになることを、授業の最終的な目的とします。それにあたり,先行研究にもとづいた問いの立て方や展開のしかた,実証データの探し方や分析のしかたといった諸スキルを身につけることが目的です.
到達目標
【演習1】授業における研究書購読とその概要報告を通して,学生同士での討論を行い,人前で躊躇することなく話す能力を身につける.また,社会科学の実証分析で必要な技術を習得する.
【演習2】秋学期に開催される学内プレゼンテーション大会などへの参加を通して,問題設定,実証分析,論文執筆,プレゼンテーション能力を習得する.
【演習3】演習論文の作成を通して演習2で習得した内容を,具体的に1つの論文として仕上げる.
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
演習1では,文献購読を通して,教育の社会経済的背景を検討する上での基本的な視座や概念の習得を目指す.その上で,現代日本の教育システムに関する研究課題を設定する.また,実証分析に必要なデータ収集や分析の技術を習得する.
演習1の概要
第1回 イントロダクション:本演習の内容と進め方
第2回 文献講読1(教育格差:小中学校)
第3回 文献講読2(進学格差:高校と大学)
第4回 文献講読3(学校選択制の是非)
第5回 文献講読4(私立学校の存在意義)
第6回 文献講読5(私立中学受験の是非)
第7回 文献講読6(教育と市場:学習塾や教育産業の背景)
第8回 文献講読7(教育における官民連携)
第9回 文献講読8(子育てと文化資本,社会関係資本)
第10回 文献講読9(ペアレントクラシー)
第11回 文献講読10(日本の教員の勤務環境)
第12回 文献講読11(教育と労働市場の関係)
第13回 文献講読12(教育の効果:教育経済学の視点)
第14回 文献講読13(教育の効果:教育社会学の視点)
第15回 教育の分析方法1(計量分析:社会調査データの標本設計とサンプリング)
第16回 教育の分析方法2(計量分析:度数分布と平均値の比較)
第17回 教育の分析方法3(計量分析:回帰分析)
第18回 Excel講習(重回帰分析)
第19回 教育の分析方法4(質的分析:インタビュー調査,ドキュメント分析)
第20回 SPSS講習
第21回 課題発見1(2年次の研究テーマ探索:教育格差,教育費)
第22回 課題発見2(2年次の研究テーマ探索:受験や学校選択)
第23回 課題発見3(2年次の研究テーマ探索:子育てや学校外教育)
第24回 課題発見4(2年次の研究テーマ探索:労働市場,国際比較)
第25回 課題への取り組み1(データと分析方法の実習:度数分布と平均値の比較)
第26回 課題への取り組み2(データと分析方法の実習:重回帰分析)
第27回 課題への取り組み3(データと分析方法の実習:インタビュー調査,ドキュメント分析)
第28回:次年度への課題探索
【演習2】(3年次)
演習1で考えた現代日本の教育の課題に関する実証研究を行う.特に秋学期の学内プレゼンテーション大会などに向けての準備をする.また,12月以降は各自次年度の卒業論文に向けての準備を開始する.
演習2の概要
第1回 プレゼンテーション大会での研究テーマの探索1(各自の素案報告)
第2回 プレゼンテーション大会での研究テーマの探索2(グループ別にテーマ決定)
第3回 グループごとに研究のための先行研究報告:理論と仮説
第4回 グループごとに研究のための先行研究報告:データと分析方法
第5回 グループごとに研究のための先行研究概要のまとめ:理論と仮説の問題点
第6回 グループごとに研究のための先行研究概要のまとめ:分析方法の問題点
第7回 実証分析の方法の検討:理論,仮説,データ
第8回 実証分析の方法の検討:分析方法
第9回 研究経過の報告(レジュメ提出:報告)
第10回 研究経過の報告(レジュメ提出:報告に対する問題提起)
第11回 実証分析の方法の再検討(理論,仮説,データの検討)
第12回 実証分析の方法の再検討(分析方法の検討)
第13回 前期における研究の中間報告(レジュメ提出:報告)
第14回 前期における研究の中間報告(レジュメ提出:報告に対する問題点の確認)
8〜9月は教員と連絡をとりつつ自主ゼミで研究遂行
第15回 前期の問題点解決を確認(理論の再検討)
第16回 前期の問題点解決を確認(分析方法の再検討)
第17回 研究論文の執筆(論文の概要を確認,検討)
第18回 研究論文の執筆(論文の概要を最終確認)
第19回 学内プレゼンテーション資料の検討(論理構成)
第20回 学内プレゼンテーション資料の検討(ビジュアル)
第21回 各種学会研究会への提出論文の理論的検討
第22回 各種学会研究会への提出論文の分析方法の検討
第23回 各種学会研究会へのプレゼンテーション資料の検討(論理構成)
第24回 各種学会研究会へのプレゼンテーション資料の検討(ビジュアル)
第25回 演習論文のテーマ探索(問題意識の探求)
第26回 演習論文のテーマ探索(具体的なテーマ)
第27回 演習論文のテーマ決定(論理構成)
第28回 演習論文のテーマ決定(データと分析方法)
【演習3】(4年次)
各自の卒業論文の報告を中心に授業を進める.各自2回程度の報告を行った後に,論文執筆し,12月に論文の報告会を行う.
第1回 演習論文の書き方について(報告順番の確定)
第2回 演習論文の研究概要1(テーマの適切性)
第3回 演習論文の研究概要2(論理構成と分析方法)
第4回 演習論文の研究経過3(理論的検討)
第5回 演習論文の研究経過4(分析方法の検討)
第6回 演習論文の研究経過5(理論的検討での注意点の修正箇所報告)
第7回 演習論文の研究経過6(分析方法の検討での注意点の修正箇所報告)
第8回 演習論文の分析と結果の検討(統計分析の結果から)
第9回 演習論文の分析方法の検討(論理構成の観点から)
第10回演習論文の草稿提出(報告)
第11回 演習論文の草稿提出 (批評,討論)
第12回 演習論文の完成原稿の提出(報告)
第13回 演習論文の完成原稿の提出(批評,討論)
第14回 完成原稿の確定,提出
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習1前期
・レジュメ担当者はレジュメを作成してください。
・司会担当者は当該箇所に事前に目を通し、ゼミ当日の司会に備えてください。
・その他の人たちは、必ず当該箇所を事前に熟読し、質問を1つ考えておいて下さい。
演習1後期および演習2
・各班ごとに適宜サブゼミを実施し、報告の準備をしておいてください。
演習3
・発表当日までに論文原稿の執筆を進め、また授業中に他のゼミ生や教員から指摘された点を、次回報告までに反映するようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 80 | 間違いを気にせずに臆することなく発言し、討論に参加できるようになったか。 |
その他 | 20 | レジュメや報告資料の作成方法を修得できたか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
【演習2】と【演習3】については以下の通りです。
【演習2】
・物事を筋道立てて論理的に考えることができるようになったか(50%)
・他人の意見を正確に理解したうえで、適切な反論や異論を提示することができるようになったか(50%)
【演習3】
・論理的思考力が身についたか(50%)
・批判的能力が身についたか(50%)
以上の各項目を評価基準とするので、特に通常授業での討論への参加状況と、サブゼミを含む班毎の活動への貢献を重視します。したがって、通常授業やその他のゼミ活動に欠席を重ねると、評価の対象とならないことになりますので、十分に注意してください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
他のゼミ生や他の班からの意見や批判(フィードバック)も重視し、よりよいものを作成していきます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
東京大学社会科学研究所SSJデータアーカイブにて,社会調査データの寄託やアーカイブ運営に関する実務を担当した(2015-2021年).国立教育政策研究所にて,OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の社会経済文化的指標に関する指導助言を行う(2023年-現在).
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記の経験をもとに,授業で扱うテーマに関する社会調査の実例を紹介し,統計的な分析結果を読む際のポイント等についても解説する.
テキスト・参考文献等
テキストは使用せず、配布資料を用いて講義を行う。
参考文献は、授業のなかで適宜紹介する。
その他特記事項
・ゼミを欠席することは、他の講義科目とは異なり、班での作業が停滞して、仲間のゼミ員の勉強にも支障を来すなど、多大な迷惑をもたらします。前述の通り、やむを得ず欠席する場合には、必ず教員および班員への連絡してください。
・ゼミでの勉強は、2年生での基礎固め⇒3年生での共同研究⇒4年生での後輩へのサポートと個人研究の3年間で完結します。その点から、4年次の演習論文も執筆を必修としていますので、この点をよく理解しておいて下さい。