シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 金5 | 経済学部 | 土田 哲夫 | ツチダ アキオ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
中国などアジアの歴史や国際関係に関心を持つ者、学習意欲の高い者。アジアの言語を修得すればより深い研究が可能となりますが、必須条件ではありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ:アジア近現代史
日本と中国を中心とするアジアの近現代史、国際関係について学習します。
異文化地域の研究では、その地域の言語と文化の学修が必要ですし、また独自の文化・社会をはぐくんだ歴史の理解というタテの視角と、現代世界全体の中でその地域(国)を理解するというヨコの視角とが不可欠です。また、これらの地域の現在の政治、経済などの状況と問題点を詳しく理解するためにも、人々の認識の形成や問題の制度的枠組みの由来など、歴史的なアプローチが有効です。また、広く世界ないし国際関係について学ぶ上でも、歴史的視座と特定地域の理解は不可欠です。本ゼミでは、アジアについての実証的、歴史的、国際的研究を目標としたいと思います。
また、明治から昭和戦前期の日本のアジア外交に関わる公文書を一緒に読む練習をし、日本語文語文の読み、史料検索の仕方などの力を付けていきます。なお、参加者の希望やテーマの必要によっては、英語・中国語文献を用いることもあります。
科目目的
アジアの歴史に関する学習を深め、研究を進め、卒論を作成する。
到達目標
参加者の皆さんがゼミでの学習を通じて、アジアの歴史に対する理解を深めるとともに、自らテーマを選んで調べ、考えをまとめ、口頭や文章で発表し、他人と討論ができるようになること、すなわち知的生産の技法を身につけることが目標です。
ゼミで学んだ皆さんが、将来、広く社会で、世界で活躍してくれることを願っています。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
最初は基本文献(図書・論文)を輪読し、基礎知識を身につけます。毎回、テキストの分担部分について報告者、司会、討論者を立て、報告と討論をしていきます。ついで、話し合って特定のテーマ(たとえば日中戦争、帝国日本とアジア、領土問題、人の移動と交流)を決め、資料や研究文献を読み、討論し、共同研究を行います。
実際に読むテキスト、共通テーマは未定ですので、以下は例となります。
<前期>
第1回 顔合わせ、ゼミの進め方の説明、輪読テキスト選定
第2回 歴史と史料──アジア歴史資料センター紹介
第3回 和田春樹他『東アジア近現代通史』上巻、岩波書店、2014年
第1章 東アジアの近代――19世紀
第4回 テキスト上 第2章 日露戦争と韓国併合――19世紀末―1900年代
第5回 テキスト上 第3章 世界戦争と改造――1910年代 趙 景 達
第6回 テキスト上 第4章 社会主義とナショナリズム――1920年代
第7回 テキスト上 第5章 新秩序の模索――1930年代
第8回 予備日(図書館情報講習の可能性あり)
第9回 和田春樹他『東アジア近現代通史』下巻、岩波書店、2014年
第6章 アジア太平洋戦争と「大東亜共栄圏」――1935―1945年
第10回 テキスト 下 第7章 アジア諸戦争の時代――1945―1960年
第11回 テキスト 下 第8章 ベトナム戦争の時代――1960―1975年
第12回 テキスト 下 第9章 経済発展と民主革命――1975―1990年
第13回 テキスト 下 第10章 共同討議 和解と協力の未来へ――1990年以降
第14回 これまでの総括、課題と展望
<夏休み>
興味を持ったテーマについて本を読み、後期初めに報告する準備をして下さい。
<後期>
・輪読(続き)、共同研究準備
第15回 夏休みの課題発表
第16回 アジア史資料研究
第17回 『岩波講座 東アジア近現代通史』第1,2巻より論文講読
第18回 アジア史資料研究(続き)
第19回 『岩波講座 東アジア近現代通史』第3,4巻より論文講読
第20回 アジア史資料講読
第21回 『岩波講座 東アジア近現代通史』第5,6巻より論文講読
第22回 アジア史資料講読(続き)
第23回 『岩波講座 東アジア近現代通史』第7,8巻より論文講読
第24回 アジア歴史資料センターの資料講読
第25回 『岩波講座 東アジア近現代通史』第9,10巻より論文講読
第26回 アジア歴史資料センターの資料講読(続き)
第27回 まとめと今後の共同研究の討論
第28回 共同研究テーマの問題意識、先行研究等報告(プレゼン)
【演習2】(3年次)
<前期> 設定した共通テーマに沿って、先行研究の確認、文献講読、関連資料の確認、講読、テーマの分担報告、討論を行い、共同研究論文を仕上げていきます。
第1回 演習2の授業方針、共通テーマの確認
第2回 先行研究報告
第3回 先行研究報告(続き)
第4回 共通テーマ関連資料の確認
第5回 共通テーマ関連資料の講読
第6回 共通テーマの進め方確認、討論
第7回 予備日
第8回 共通テーマ分担報告
第9回 共通テーマ分担報告(続き)
第10回 共通テーマ進め方(討論)
第11回 共通テーマ関連文献の補充
第12回 共通テーマ進展状況相談、関連文献、資料補充
第13回 共通テーマ進展状況報告
第14回 共通テーマ報告(プレゼン)
<夏休み>
個人研究のテーマ、問題意識(なぜそのテーマを選んだのか等)、先行研究、研究方法、資料など研究計画をまとめて、後期始めに提出してください。
<後期>
前期の共同研究の成果と経験をふまえ、自分のテーマを設定して定期的に報告、討論し、資料や分析方法についての助言を得て、研究を進め、3年次末までに予備論文を作成、提出します。
第15回 夏休みの課題(個人研究計画)発表
第16回 アジア史資料講読
第17回 アジア史資料講読(続き)
第18回 個人研究第1次報告、討論(前半)
第19回 個人研究第1次報告、討論(後半)
第20回 日本外交資料講読
第21回 日本外交史料講読(続き)
第22回 予備日
第23回 個人研究第2次報告、討論(前半)
第24回 個人研究第2次報告、討論(後半)
第25回 個人研究関連文献の確認、補充
第26回 個人研究 進展状況報告
第27回 個人研究 進展状況確認
第28回 個人研究・予備論文提出、研究発表(プレゼン)
【演習3】(4年次)
4年次の演習3(演習論文)では、3年次にまとめた予備論文をふまえてさらに研究を深め、演習論文(卒業論文)を完成させます。
<前期>
参加者と相談の上、月に一回程度の顔合わせと近況報告
<夏休み>
卒業論文作成について、必要に応じて、面接ないしメールによる個人指導
<後期>
第1回 演習3の授業方針の確認、論文進展状況報告
第2回 予備論文についてのコメントと今後の課題確認
第3回 予備論文関連文献、資料の紹介、確認
第4回 卒業論文中間報告(前半)
第5回 上記についての討論と助言
第6回 卒業論文中間報告(後半)
第6回 上記についての討論と助言
第7回 学術論文の技法(構成・書式など)
第8回 学術論文の技法(実例検討)
第9回 研究文献、資料についての助言、情報交換
第10回 予備日(論文相談その他)
第11回 卒業論文全体の草稿の報告と助言、討論(前半)
第12回 卒業論文全体の草稿の報告と助言、討論(後半)
第13回 完成原稿提出前の相談(個別)
第14回 完成原稿提出前の最終確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
指定したテキストを事前に読み込み、準備して授業に臨むこと。
ゼミでの共同研究、個人研究を進めるにあたっては、自宅での文献読み、レジュメまたは原稿作成、図書館での文献収集などにある程度の時間をさく必要があります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 100 | 平常点では、授業参加度、報告分担、討論参加などを重視します。 またレポートや論文課題を課している場合は、その評価をこの中に折り込みます。 |
成績評価の方法・基準(備考)
上記は、【演習1】の成績評価の方針です。【演習2】では、年度末提出の予備論文の比重を30%、平常点を70%とします。【演習3】では、最終的にしあげた演習論文(卒業論文)の比重を100%として評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
口頭発表の課題については授業内で、意見や評価をお返しします。
レポートや論文課題については、授業内またはmanaba、メール等で個別にフィードバックをし、さらなる研究の進展を促します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
研究構想発表では、パワーポイントなどのプレゼンテーション・ソフトの利用も推奨します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
輪読テキストは、参加者と話し合って決めます。授業でアジア近現代史に関する参考文献リストを配布する予定ですが、参考のため、上記(授業計画)で挙げたテキストと教員の関係書(共著)をあげます。
・和田春樹他『東アジア近現代通史』上・下巻、岩波書店、2014年、2530円
ISBN 上巻 9784000291439 下巻 9784000291446
・和田春樹他編『岩波講座 東アジア近現代通史』全11巻、岩波書店、2010-2011年
・久保・土田他『現代中国の歴史』東京大学出版会、2008年。
・土田編『近現代東アジアの文化と政治』中央大学出版部、2015年
・土田編『近現代東アジアと日本──交流・相剋・共同体』中央大学出版部、2016年
その他特記事項
特になし。
参考URL
特になし。