シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 金5 | 経済学部 | 佐藤 拓也 | サトウ タクヤ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
事前に「私がゼミで研究したい課題」というテーマで、簡単な見解(レポート)を提出してもらいます(A4用紙2枚程度)。これをもとに教員と上級生が面接をし、問題意識と研究意欲に重点を置いて、合否を判定します。過去の履修状況・成績等は一切問いません。
提出期限と提出先:経済学部事務室からの指示にしたがって提出してください。
<履修条件>
(1)3年次のインナー大会(関東)、インター大会(全国)、プレゼン大会(中央大学経済学部)のいずれか2つに出場すること。
(2)4年次に演習論文(卒業論文)を書くこと。
(3)やむを得ず授業を欠席する場合は、教員だけでなく班員にも必ず連絡をすること。
(4)「マルクス経済学」(EC205)や「独占資本主義論」(EC305)を履修することが望ましい。また、2年次後期に決定する各チーム分けに応じて、関連する科目を履修することが望ましい。ただしこれらの科目の過去の履修状況や成績等は選考方法には一切関わりません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:現代の資本主義と日本経済について考える―理論的・実証的アプローチ
広く、現代の資本主義とは、日本経済とは、経済学とは、を考えることを基礎にします。したがって、一方では、なるべく大きなテーマを扱った専門書を全員で読み、討論して基礎を固めていきます。他方で、3年秋のゼミナール大会(インナー大会、インター大会の討論部門)や、プレゼンテーション大会に向けて数名ずつの班に分かれ、資本主義に関することであればどのようなことでも自由に個別テーマを設定して、勉強を進めていきます。
科目目的
現代の資本主義の諸問題のなかから自由に設定した課題について、自らの言葉で自らの考えを述べられるようになることを、授業の最終的な目的とします。最近では、一方通行で分かりやすく話すプレゼンテーションの技術は、ますます重視されるようになっています。しかし、このゼミでは、何よりも双方向での討論の能力を養うことを特に重視しています。ゼミナール大会(インナー大会、インター大会の討論部門)への参加を通じて、他大学の同学年の学生たちと議論することで、理論的な思考力や発言力を含めた本当の討論の力が付くと考え、その力を養うことをゼミの目的としています。学内・学外のプレゼンテーション大会に出場する場合も、論理的思考力や発言力を重視します。
到達目標
上記の目的を達成するために、具体的には以下の到達目標を設定します。
【演習1】輪読や大会への準備を通じて、以下の目標を達成します。
①全員が間違いを気にせずに臆することなく発言し、討論に参加できる。
(なお、この目標の達成にために、教員は、すぐに正解を教えることはせず、ゼミ生がどのような見解でも自由に発言できる雰囲気を保つことを重視します。)
②レジュメや報告資料の作成方法を修得できる。
【演習2】ゼミナール大会(討論)やプレゼン大会に参加することを通じて、以下の目標を達成します。
①事前の共同論文の執筆を通じて、筋道を立てて物事を考えられる。
②他大学のゼミとの討論を通じて、相手の意見を正確に理解し、きちんと反論できる。
【演習3】演習論文の作成を通じて以下の目的を達成します。
①個人論文の執筆を通じて、3年次に養った筋道を立てて物事を考える力を基礎に、論理的な思考方法を身につける。
②他人の演習論文に対して原稿段階からコメントすることを通じて、単なる非難ではない鋭い批判的能力を身につける。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
<前期>
○現代資本主義や日本経済、経済理論についての文献講読と討論
第1回 顔合わせとゼミでの勉強方法について
第2回 テキストの決定と報告順番の決定等
第3回 テキスト第1章(日本経済の歴史的位置)の報告と質問の提出
第4回 テキスト第1章(日本経済の歴史的位置)の討論(前半)
第5回 テキスト第1章(日本経済の歴史的位置)の討論(後半)
第6回 テキスト第2章(日本経済の改革方向)の報告と質問の提出
第7回 テキスト第2章(日本経済の改革方向)の討論(前半)
第8回 テキスト第2章(日本経済の改革方向)の討論(後半)
第9回 テキスト第3章(社会保障の現在と未来)の報告と質問の提出
第10回 テキスト第3章(社会保障の現在と未来)の討論(前半)
第11回 テキスト第3章(社会保障の現在と未来)の討論(後半)
第12回 テキスト第4章(気候変動と脱酸素)の報告と質問の提示
第13回 テキスト第4章(気候変動と脱酸素)の討論
第14回 Excel講習(経済データ分析のための関数およびデータベース)(日程変更あり)
※各回のキーワードは選定したテキストによって変更の可能性がある。
<8~9月頃>
○夏合宿(2~4年生合同) 3年次のゼミナール大会(インナー、インター)、プレゼン大会参加のためのチーム決定
<後期>
○前期の続きとして文献講読と輪読
○3年次のインナー大会、インター大会、プレゼン大会出場に向けた準備の開始
①各班の研究に関係する文献を基にした報告と討論
②各班の研究に関係する基本統計量の報告と討論
③各班の共同論文のテーマ、研究の目的、研究方法、内容等の確定
④サブゼミは班毎に自主開催
第15回 後期の授業の進め方について/グループワーク(各班毎に当面の研究範囲を検討)
第16回 グループワーク(初回報告に向けての具体的内容の検討)
第17回 第1班の報告と討論(基本文献・基礎知識)
第18回 第2班の報告と討論(基本文献・基礎知識)
第19回 第3班の報告と討論(基本文献・基礎知識)
第20回 第4班の報告と討論(基本文献・基礎知識)
第21回 第1班の報告と討論(基本文献・基礎知識、前回の課題への対応)
第22回 第2班の報告と討論(基本文献・基礎知識、前回の課題への対応)
第23回 第3班の報告と討論(基本文献・基礎知識、前回の課題への対応)
第24回 第4班の報告と討論(基本文献・基礎知識、前回の課題への対応)
第25回 第1班の報告と討論(基礎知識、基本統計量、前回の課題への対応)
第26回 第2班の報告と討論(基礎知識、基本統計量、前回の課題への対応)
第27回 第3班の報告と討論(基礎知識、基本統計量、前回の課題への対応)
第28回 第4班の報告と討論(基礎知識、基本統計量、前回の課題への対応)
※各班が扱うテーマ(キーワード)は上記の夏合宿で決定する。
<1~3月頃>
春合宿(2年生のみ) 全班報告(現時点での共同論文のテーマ、内容、プロット)
【演習2】(3年次)
<前期>
○インナー大会、インター大会、プレゼン大会へのエントリーと準備
①テーマの最終確定とテーマ趣意文等の作成
②各班からの報告
③共同論文のプロット確定
④サブゼミは班毎に自主開催
第1回 前期のゼミの進め方について
第2回 第1・2班の報告と討論(テーマ趣意文の報告)
第3回 第3・4班の報告と討論(テーマ趣意文の報告)
第4回 Excel講習(経済データ分析① 単回帰)(日程変更あり)
第5回 第1班の報告と討論(テーマ設定会議を踏まえた報告)
第6回 第2班の報告と討論(テーマ設定会議を踏まえた報告)
第7回 第3班の報告と討論(テーマ設定会議を踏まえた報告)
第8回 第4班の報告と討論(テーマ設定会議を踏まえた報告)
第9回 第1~4班 テーマ設定会議に向けた準備
第10回 Excel講習(経済データ分析② 重回帰)(日程変更あり)
第11回 第1班の報告と討論(共同論文プロットの確定、Excelによる重回帰分析を推奨)
第12回 第2班の報告と討論(共同論文プロットの確定、Excelによる重回帰分析を推奨)
第13回 第3班の報告と討論(共同論文プロットの確定、Excelによる重回帰分析を推奨)
第14回 第4班の報告と討論(共同論文プロットの確定、Excelによる重回帰分析を推奨)
<8~9月頃>
①必要な班は国内現地調査・地域調査
②夏合宿(2~4年合同) 共同論文の完成
<後期>
●インナー大会、インター大会、プレゼン大会出場への最終準備と総括
①共同論文の提出
②相手チームの論文の検討
③論点の整理と事前準備、プレゼン準備
④インナー大会、インター大会、プレゼン大会への参加
⑤事後の振り返り
●学期末の3回は演習論文の準備
第15回 後期のゼミの進め方について
第16回 質問書、回答書等についての整理および討論
第17回 第1・2班の報告と討論(プレゼン大会に向けたプロット)
第18回 第3・4班の報告と討論(プレゼン大会に向けたプロット)
第19回 第1・2班の報告と討論(インナー・インター大会の論点設定に向けた整理)
第20回 第3・4班の報告と討論(インナー・インター大会の論点設定に向けた整理)
第21回 第1~4班の報告と討論(プレゼン大PPT確定)
第22回 第1~4班の報告と討論(プレゼン大会本番準備)
第23回 第1・2班の報告と討論(インナー・インター大会での立論と反論の準備)
第24回 第3・4班の報告と討論(インナー・インター大会での立論と反論の準備)
第25回 第1・2・3・4班の報告と討論(インナー・インター大会の振返り)
第26回 演習論文の書き方について
第27回 演習論文 仮テーマ報告(履修者のうち最初の半数)
第28回 演習論文 仮テーマ報告(履修者のうち残りの半数)
※各大会のスケジュールに応じて、また学外プレゼン大会(大学コンソーシアム八王子など)に参加する場合には、予定が変更になります。
【演習3】(4年次)
<前期>
●必要に応じて3年生等への指導・助言、演習論文の相談
<8~9月頃>
●夏合宿(2~4年合同) 2年生と3年生の指導・助言
<後期>
①演習論文の執筆(報告と討論、提出後の論文集製本)
②3年生のインナー大会、インター大会へ議長団として参加、3年生のプレゼン大会準備の助言
第1回 演習論文の書き方について(報告順番の確定)
第2回 第1回報告(履修者のうち最初の半数)テーマ、研究課題、プロットの報告
第3回 第1回報告(履修者のうち残りの半数)テーマ、研究課題、プロットの報告
第4回 第2回報告(履修者1~4番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第5回 第2回報告(履修者5~8番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第6回 第2回報告(履修者9~12番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第7回 第2回報告(履修者13~16番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第8回 第3回報告(履修者1~4番) 論文全体の草稿
第9回 第3回報告(履修者5~8番) 論文全体の草稿
第10回 第3回報告(履修者9~12番) 論文全体の草稿
第11回 第3回報告(履修者13~16番) 論文全体の草稿
第12回 第4回報告(履修者1~5番) 完成原稿
第13回 第4回報告(履修者6~10番) 完成原稿
第14回 第4回報告(履修者11~16番) 完成原稿
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習1前期
・レジュメ担当者はレジュメを作成してください。
・司会担当者は当該箇所に事前に目を通し、ゼミ当日の司会に備えてください。
・その他の人たちは、必ず当該箇所を事前に熟読し、質問を1つ考えておいて下さい。
演習1後期および演習2
・各班ごとに適宜サブゼミを実施し、報告の準備をしておいてください。
演習3
・発表当日までに論文原稿の執筆を進め、また授業中に他のゼミ生や教員から指摘された点を、次回報告までに反映するようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 80 | 間違いを気にせずに臆することなく発言し、討論に参加できるようになったか。 |
その他 | 20 | レジュメや報告資料の作成方法を修得できたか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
【演習2】と【演習3】については以下の通りです。
【演習2】
・物事を筋道立てて論理的に考えることができるようになったか(50%)
・他人の意見を正確に理解したうえで、適切な反論や異論を提示することができるようになったか(50%)
【演習3】
・論理的思考力が身についたか(50%)
・批判的能力が身についたか(50%)
以上の各項目を評価基準とするので、特に通常授業での討論への参加状況と、サブゼミを含む班毎の活動への貢献を重視します。したがって、通常授業やその他のゼミ活動に欠席を重ねると、評価の対象とできなくなりますので、十分に注意してください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
他のゼミ生や他の班からの意見や批判(フィードバック)も重視し、よりよいものを作成していきます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト候補。開講時に受講生と相談のうえ確定するので、まだ購入しないでください。
・支えあう社会研究会編『資本主義を改革する経済政策』かもがわ出版 、2021年
・宮崎勇・田谷禎三『世界経済図説 第四版』岩波新書、2020年
・野中郁江・三和裕美子編著『図説 企業の論点』2021年
・ティム・ウー著,秋山勝訳『巨大企業の呪い―ビッグテックは世界をどう支配してきたか―』朝日新聞出版、2021年
・山家悠紀夫『日本経済30年史 バブルからアベノミクスまで』岩波新書、2019年
・小峰隆夫『平成の経済』日本経済新聞出版社、2019年
・鶴光太郎・前田佐恵子・村田啓子『日本経済のマクロ分析』日本経済新聞出版社、2019年
その他特記事項
・ゼミを欠席することは、他の講義科目とは異なり、班での作業が停滞して、仲間のゼミ員の勉強にも支障を来すなど、多大な迷惑をもたらします。前述の通り、やむを得ず欠席する場合には、必ず教員および班員への連絡してください。
・ゼミでの勉強は、2年生での基礎固め⇒3年生での共同研究⇒4年生での後輩へのサポートと個人研究の3年間で完結します。その点から、4年次の演習論文も執筆を必修としていますので、この点をよく理解しておいて下さい。
参考URL
特になし。