シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 月5 | 経済学部 | 柴田 英樹 | シバタ ヒデキ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
レポート等課題
<履修条件>
日本経済史ないし西洋経済史を履修していることが望ましいです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:資本主義社会の本質とそのゆくえ
近代資本主義社会は貨幣を主要な富とする社会ですが、それ以前には貨幣よりもずっと具体的な土地・家畜・奴隷など貨幣とは異なるものを富の主要形態とする社会が存在しました。貨幣は分業と流通があって初めて意味をもつ抽象的な富であり、貨幣を富の主要形態とする社会の成立には労働や生産手段が商品として登場するための社会変化(市民革命など)が不可欠でした。
このゼミでは、近代資本主義システムを歴史的観点から把握できるようになるため、経済史の基本事項を学びつつ、マルクスの資本主義に関する理論を、関連する哲学文献なども読みながら、勉強していきたいと思います。
最近の脳科学の研究成果を概観し、哲学文献を読むための準備とします。
古典古代の哲学者が提起した哲学の根本問題がヘーゲルによって一応の解決を見る過程、そしてその後ヘーゲルの思想が実存主義やマルクスによって批判される過程を勉強します。非常にコンパクトですが、西洋哲学史を概観できると思います。
また、貨幣という抽象的な富を富の基本とする資本主義の発展過程を考察するにあたり、流通や分業体制の構築を重視した経済史文献を中心に講読していきたいと思います。
科目目的
日本経済史、西洋経済史などの専門科目で学んだ内容を深め、卒論を作成する。
到達目標
近代経済社会の成立過程を批判的に検討し,人間社会の成り立ちについて考えていきます。近代経済社会の成立過程について、自分独自の観点から一貫した説明ができるようになってもらうことが目標です。
授業計画と内容
演習1
第1回 オリエンテーション
第2回 パソコン演習
第3回 心理学における意識
第4回 心理学における現実感
第5回 心理学における想像力
第6回 心理学における自我
第7回 自由意思とは何か
第8回 自由意思と理性
第9回 自由意思と道徳
第10回 社会的統合原理を巡って
第11回 ヘーゲルのキリスト教批判
第12回 実存主義
第13回 価値形態論と宗教批判
第14回 本源的蓄積と階級社会
第15回 ローマ帝国と古代ゲルマン社会
第16回 古典荘園と封建制
第17回 中世中期の社会
第18回 中世後期の社会
第19回 主権国家の登場
第20回 イギリス産業革命
第21回 ドイツ産業革命
第22回 金融資本の成立
第23回 社会民主党史
第24回 ユンカー
第25回 イギリスの覇権
第26回 ワイマール共和国の誕生
第27回 相対的安定期から世界経済へ
第28回 総括
演習2
第1回 オリエンテーション
第2回 イギリスの経済覇権(1)(チューダー朝の成立と課題)
第3回 イギリスの経済覇権(2)(エリザベス女王時代の改革)
第4回 イギリスの経済覇権(3)(イギリスの海外進出の始まり)
第5回 イギリスの経済覇権(4)(金融・財政制度の整備)
第6回 イギリスの経済覇権(5)(第二次英仏百年戦争)
第7回 イギリスの経済覇権(6)(イギリス産業革命)
第8回 イギリスの経済覇権(7)(銀行改革)
第9回 イギリスの経済覇権(8)(国際金本位制)
第10回 イギリスの経済覇権(9)(第二次産業革命とイギリスの金融国化)
第11回 イギリスの経済覇権(10)(第一次世界大戦の影響)
第12回 イギリスの経済覇権(11)(ブロック経済)
第13回 イギリスの経済覇権(12)(ポンド残高問題)
第14回 イギリスの経済覇権(13)(ユーロ市場とシティーの国際化)
第15回 アメリカの経済的覇権(1)(独立戦争と米英戦争)
第16回 アメリカの経済的覇権(2)(モンロー主義とフロンティア消滅)
第17回 アメリカの経済的覇権(3)(海外進出)
第18回 アメリカの経済的覇権(4)(第二次産業革命)
第19回 アメリカの経済的覇権(5)(第一次世界大戦)
第20回 アメリカの経済的覇権(6)(戦間期の発展)
第21回 アメリカの経済的覇権(7)(ブレトンウッズ体制)
第22回 アメリカの経済的覇権(8)(トリフィンのジレンマ)
第23回 アメリカの経済的覇権(9)(ニクソンショック)
第24回 アメリカの経済的覇権(10)(変動相場制と多国籍企業)
第25回 アメリカの経済的覇権(11)(社会主義国の動向)
第26回 アメリカの経済的覇権(12)(アジア経済の台頭)
第27回 アメリカの経済的覇権(13)(自由貿易体制の発展)
第28回 個別報告(演習参加者の研究発表)
演習3
第1回 オリエンテーション
第2回 卒論テーマの確認と検討
第3回 卒論に使用する資料の確認と検討
第4回 卒論の構成の確認と検討
第5回 卒論の経過報告(演習参加者の卒論の途中経過の確認と検討)
第6回 卒論テーマに関連した文献購読(1)(産業革命論)
第7回 卒論テーマに関連した文献購読(2)(金融史論)
第8回 卒論テーマに関連した文献購読(3)(人口史論)
第9回 卒論テーマに関連した文献購読(4)(移民論)
第10回 卒論テーマに関連した文献購読(5)(戦史論)
第11回 卒論の最終報告(演習参加者の卒論の完成版の確認と検討)
第12回 卒論テーマに関連した文献購読(6)(社会史論)
第13回 卒論テーマに関連した文献購読(7)(政治史論)
第14回 卒論の最終確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
演習は参加者の皆さんの積極的な協力によって成立する授業です。
指定されたテキストや資料を読み込み、さらに関連文献を自分で探して、発表や討論を有意義なものにするように不断の努力に期待しています。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 輪読する本に対応したレポートを出題していただきます。 |
平常点 | 50 | ゼミでの報告や発言も評価の対象にします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
レポート・ゼミ論等はゼミでの発表の機会に相互に評価し合うほか、教員がコメントを付して返却する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
演習1では以下をテキストして使用します。
ニック・チェイター(2022)『心はこうして創られる.「即興する脳」の心理学』高橋達二・長谷川珈訳、講談社(講談社選書メチエ)
トーマス・ピンク(2017)『哲学がわかる 自由意思』岩波書店
柴田英樹(2020)『新西洋経済史講義――史的唯物論入門』学文社