シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 火5 | 経済学部 | 章 沙娟 | ショウ サエン | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
アンケートと面接に基づいて選考します。アンケートは事前にmanabaにて提出ください(経済学部事務室より後日指示あり)。また成績も加味します。
<履修条件>
①3年次の学内プレゼン大会に出場すること。
②基礎ミクロ経済学、基礎マクロ経済学、国際経済学、統計学、計量経済学といった科目を履修することが望ましい
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
テーマ:為替レートと企業パフォーマンス
為替レートの影響が、プラスに作用するのか、マイナスに作用するのかは、一概には言えません。一般的には、円高になると、輸入型企業の業績が向上し、輸出型企業の業績が悪化すると考えられます。このゼミでは、為替レートの変動は企業のパフォーマンス(輸入数量・価格、輸出数量・価格、収益、雇用など)にどのような影響を及ぼすか、どのような企業がより大きく為替レートの影響を受けるのかといったような問題を、データを用いて検証ています。
演習1(2年次)では、国際経済学(主に国際金融論)の理論知識と計量経済学の分析手法を学びます。そしてデータ分析ソフトウェアであるStataの操作方法・簡単なプログラミングを学びます。演習2(3年次)では、グループ研究を進んでもらい、研究進歩・結果の発表を通じて、問題発見力、データ分析力、自分の意見や考えを相手に分かりやすく伝える発信力を学習します。演習3(4年次)では、演習1・2で習得した理論知識や問題発見・分析力、発信力を各自で実践し、強化します。具体的な内容は下記の「授業計画」を参照して下さい。
本演習で使う言語は英語をメインとし、日本語も併用します。
科目目的
本演習は、国際経済学(主に国際金融)の理論と実証分析の手法を学び、データ分析能力を身に着けることと、将来グローバル企業で働くための英語でのコミュニケーション能力を修得することを目的とします。
到達目標
上記の目的を達成するために、具体的には以下の到達目標を設定します。
【演習1】(英文・和文)教科書の輪読や議論を通じて、以下の目標を達成します。
①国際金融論・計量経済学の基礎理論を身に着けること
②Stataを使って、簡単なデータを処理することができること
③経済に関する英文記事や新聞を読め、背景に何があるかを説明できること
【演習2】学内プレゼン大会への準備や参加をすることを通じて、以下の目標を達成します。
①先行研究の報告や議論を通じて全員が間違いを気にせずに臆することなく発言し、討論に参加できるようになること。
②Stataを使って、より複雑なデータを処理することができること
③Stataを使って、データ分析することができること
④英語による自分の意見を述べること
⑤自分の研究計画を作成し、遂行することができること
【演習3】演習論文の作成を通じて以下の目的を達成します。
個人論文の執筆を通じて、3年次に養った筋道を立てて物事を考える力を基礎に、論理的な思考方法、データ分析方法を身につけること。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
演習1の前期の授業では、決まった(英文)教科書に沿って国際経済学の専門知識を英語で学びます。具体的進み方は、各担当者に担当箇所をPower Pointにまとめ英語で発表してもらいます。発表後に、事前に設定した討論問題をゼミ生全員で議論し理解を深めます。
演習1の後期では、主にデータ分析に必要な理論ツールである計量経済学とデータ分析ソフトであるStataでのデータの処理仕方を学びます。具体的に、決まった(和文)教科書を輪読してもらいます。Stataは学校から借りますので、特に購入する必要がないです。そして、英語勉強の一環として、毎週日本経済・国際経済に関するニュース(具体的な内容は担当者が自由に決める)を英語で15分~20分程度報告してもらいます。そして、並行してグループ研究の課題を決定してもらいます。研究テームは基本的に為替レートが企業パフォーマンスに及ぼす影響ですが、その他、経済にかかわるトピックであれば、ありです。
【演習1】(2年次)の授業計画
演習1前期
1. Introduction
2. Chapter 13: National income accounting and the balance of payments (pp.315-325)
3. Chapter 13: National income accounting and the balance of payments(pp.326-334)
4. Chapter 14: Exchange rates and the foreign exchange rate market:an asset approach(pp.343-360)
5. Chapter 14: Exchange rates and the foreign exchange rate market:an asset approach(pp.361-368)
6. Chapter 15: Money, interest rates and exchange rates (pp.380-393)
7. Chapter 15: Money, interest rates and exchange rates (pp.394-407)
8. Chapter 16: Price levels and the exchange rate in the long –run(pp.414-427)
9. Chapter 16: Price levels and the exchange rate in the long –run(pp.427-442)
10. Chapter 17: Output and the exchange rate in the short-run(pp.452-467)
11. Chapter 17: Output and the exchange rate in the short-run(pp.468-483)
12. Chapter 18: Fixed exchange rates and foreign exchange intervention(pp.496-511)
13. Chapter 18: Fixed exchange rates and foreign exchange intervention(pp.512-526)
14. Review
<8~9 月頃>
夏合宿(2~4 年生合同)
演習1後期
1. イントロダクション
2.Chapter1: なぜ計量経済学が必要なのか
3.Chapter2: データの扱い方ー数字に隠れた意味を読み取る
4.Chapter3: 計量経済学のための確率論ー不確実なことについて語る
5.Chapter4: 統計学による推論ー観察されたデータの背後にあるメカニズムを探る
6.Chapter5: 単回帰分析ー2つの事柄の関係をシンプルなモデルに当てはまる
7.Chapter6: 重回帰分析の基本ー外的条件を制御して本質に迫る
8.Chapter7: 重回帰分析の応用ー本質に迫るためのいくつかのコツ
9.為替レートに関する研究のまとめ(グループ研究テーマの参考に)
10.Chapter8: 操作変数法ー操作変数を間接的に動かして本質に迫る
11.Chapter9: パネル・データ分析ー繰り返し観察することでわかること
12.時系列分析
13.Stataの使い方(1)
14. Stataの使い方(2)
<1~3 月頃>
集中ゼミ(2年のみ)文献の探し方
【演習2】(3年次)
演習2では、主に各グループで決まった研究課題について研究を進めます。演習2の前期では、各グループに先行研究を行ってもらいます。先行研究とは、各グループの研究テーマに関連する既存文献を読むことです。先行研究では、各自の研究テーマをさらに絞り、研究のオリジナリティを明らかにします。それと並行して、各自の研究に必要なデータを確認し、データの収集・処理を進めます。演習2の後期の前半では分析結果の報告・分析、学内プレゼン大会の発表練習を行います。3年次の春休みに国際的なインゼミを計画しているので、演習2の後期の後半では主に英語による研究発表の練習を行います。さらに、英語でのコミュニケーション能力を向上させるために、英文雑誌「Economist 」にある記事を読んで、英語で議論します。
【演習2】(3年次)の授業計画
演習2前期
1.イントロダクション:研究とは、研究の進め方
2.Stataの使い方(3)
3.先行研究の報告(1)(グループ1)
4.先行研究の報告(2)(グループ2)
5.先行研究の報告(3)(グループ1)
6.先行研究の報告(4)(グループ2)
7.先行研究の報告(5)(グループ1)
8.先行研究の報告(6)(グループ2)
9.先行研究の報告(7)(グループ1)
10.先行研究の報告(8)(グループ2)
11.先行研究のまとめ(グループ1・2)
12.データ収集・処理の進歩の報告(1)(グループ1・2)
13. データ収集・処理の進歩の報告(2)(グループ1・2)
14.データ収集・処理の進歩の報告(3)(グループ1・2)
<8~9 月頃>
夏合宿(2~4 年生合同)
演習2後期
1.研究結果の発表・分析(1)(グループ1・2)
2.研究結果の発表・分析(2)(グループ1・2)
3.研究結果の発表・分析(3)(グループ1・2)
4.研究のまとめ・発表練習(1)(グループ1・2)
5.研究のまとめ・発表練習(2)(グループ1・2)
6.研究のまとめ・発表練習(3)(グループ1・2)
7.研究のまとめ・発表練習(4)(グループ1・2)
8.英語による研究発表(1)(グループ1)、Economist の記事を読む(1)
9.英語による研究発表(2)(グループ2)、Economist の記事を読む(2)
10.英語による研究発表(3)(グループ1)、Economist の記事を読む(3)
11.英語による研究発表(4)(グループ2)、Economist の記事を読む(4)
12.英語による研究発表(5)(グループ1)、Economist の記事を読む(5)
13.英語による研究発表(6)(グループ2)、Economist の記事を読む(6)
14.まとめ
<1~3 月頃>
国際インターゼミ(2~4 年生合同)
【演習3】(4年次)
演習3では、演習1と演習2で取得した国際経済学の理論知識や計量経済学の分析手法、問題発見・分析力を用いて、個人が単独で1年間かけて研究を行います。研究テーマは、演習2と同じ、経済学の分析対象となり得るトピックであれば自由です。
【演習3】(4年次)の授業計画
演習3前期
月に1回程度の顔合わせ
<8~9 月頃>
夏合宿(2~4 年合同) 2年生と3年生の指導
演習3後期
1. 演習論文の書き方について(報告順番の確定)
2. 第 1 回報告(履修者のうち最初の半数)テーマ、研究課題、プロットの報告
3. 第 1 回報告(履修者のうち残りの半数)テーマ、研究課題、プロットの報告
4. 第 2 回報告(履修者 1~2番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
5. 第 2 回報告(履修者 3~4 番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
6. 第 2 回報告(履修者 5~6 番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
7. 第 2 回報告(履修者 7~8 番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
8. 第 3 回報告(履修者 1~2 番) 論文全体の草稿
9. 第 3 回報告(履修者 3~4 番) 論文全体の草稿
10. 第 3 回報告(履修者 5~6 番) 論文全体の草稿
11. 第 3 回報告(履修者 7~8 番) 論文全体の草稿
12. 第 4 回報告(履修者 1~3 番) 完成原稿
13. 第 4 回報告(履修者 4~6 番) 完成原稿
14. 第 4 回報告(履修者 7~8 番) 完成原稿
※第4回報告は、演習論文提出日程とカレンダーの関係で変更あり。
<1~3 月頃>
国際インターゼミ(2~4 年生合同)参加自由
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
学内プレゼン大会参加は必須としている。
2年生:夏休み:合宿、春休み:集中ゼミ(二日間)
3年次:夏休み:合宿、秋:プレゼン大会、春休み:国際的インターゼミ
4年次春:夏休み:合宿、春休み:国際的インターゼミ
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 毎回のゼミへの出席と発表・ディスカッションを通じたゼミへの貢献度や研究・報告の質などによって総合的に評価する。無断欠席が続けば単位を失うことになります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
Paul R. Krugman , Maurice Obstfeld, Marc Melit, International Economics: Theory and Policy(Global Edition, 11th edition), Pearson Education Limited, 2017.
田中隆一【計量経済学の第一歩 -- 実証分析のススメ】、 有斐閣ストゥディア、2015年