シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習1 | 2024 | 通年 | 火5 | 経済学部 | 中村 彰宏 | ナカムラ アキヒロ | 2年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-OM2-01XS
履修条件・関連科目等
<選考方法>
ゼミ志望理由書を提出してもらいます。ゼミ志望理由書には、ゼミで学習したい具体的なテーマ(興味を持っている社会問題)に触れてください。
提出期限と提出先:受験手続期間内にmanabaにて提出すること(経済学部事務室より後日指示あり)。
なお、履修希望者多数の場合は、面接(グループ面接の予定)を実施する予定です。
(面接では、上記の提出物についても簡単に伺いますが、提出物を丸々読まれてしまうと時間がかかりますので、志望理由と興味を持っている社会問題を合わせて、長くても1分以内で説明できるようにしておいてほしいです。)
<履修条件>
(1)2年時に担当教員の科目である「公共経済学(前期)」を履修することが望ましい。
(2)4年次に演習論文(卒業論文)を書くこと。
(3)基礎ミクロ経済学を履修していることが望ましい。
(4)やむを得ず授業を欠席する場合には教員だけでなくグループメンバーにも必ず連絡をすることができること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
テーマ:公共経済学の観点から、社会問題を解明し、適正なルール(制度)を提案する
公共経済学の分析対象は、政府の政策だけではありません。人が行動した結果が望ましくない状態になる場合に、必要なルールを定める方法を学びます。小さな集団から国家まで、どのようなルールを定めるべきかを提案します。
公共経済学の基礎を、市場の失敗を中心に学習します。
公共政策の評価に用いられる実証的な方法を学びます。
データと経済学の理論から状況を客観的に捉える方法を学びます。
単に専門知識を習得するだけでなく、グループワーク等により、具体的なテーマに対して、学習した知識を適用して、総合的な学習体験と創造的思考力の習得を目指します。
科目目的
さまざまな社会問題の背景を経済学というツールを通じて理解し、真の問題点を把握する方法を学びます。問題点を的確に把握し検証するための統計的手法を学び、論理的な解決方法を提案できる能力を養います。
到達目標
演習1,2,3を通じて、上記能力を養うために、各学年では以下の到達目標を設定します。
【演習1】
グループディスカッションや具体的な事例研究を通じて、公共経済学の基礎的な理論・ツールを習得します。また、演習参加者が間違いを恐れずに発言し、活発に議論できるようになることも演習1の目標です。
【演習2】
より客観的な分析を進めるために、対象となる市場を実証的に捉えるための基礎的な理論・ツールを学ぶとともに、実際にそのツールを使った分析を試みます。また、共同論文の作成を通じて、チームワークを学び、先行研究を基に論理的に分析対象を絞り、論理的に考える力を身につけることを目標とします。
【演習3】
卒業論文の作成を通じて、3年次に培った論理的な思考を個人論文においても発揮できることを目指します。また、下級生の研究のサポートや他者の個人論文にコメントすることを通じて、建設的な議論をする能力を養います。
授業計画と内容
【演習1】(2年次)
履修者と相談しつつ詳細の進め方は決定します。まず、政府の役割を客観的に捉えるために、公共経済学の基礎的な理論・ツールを学びます。
1. グループディスカッションを通じて、公共経済学の基礎として、効率と公正、規制の考え方、補助の考え方を学びます
2. 具体的な政策について調査する方法を学び、公共経済学的にそれらをとらえる訓練をします。履修者が、それぞれ、教育政策、地域政策、ICT政策、交通政策、エネルギー政策などを取り上げ、事例研究としてそれぞれの市場を公共経済学のツールを用いて分析します。
3. これまでになかった新サービスに対する政策を分析するために、従来型サービスから新サービスの特徴を捉える方法論を学びます。
4. 3年生以降に本格的な分析をするために、グループに分かれて、具体的なテーマを設定し、先行研究をレヴューするとともに、事例研究の演習をします。
※:事例研究のテーマに合わせて、フィールドワーク等を実施することがあります。
第1回 ガイダンス:顔合わせ・学習方法の決定・スケジュール確認
第2回 ディスカッションの方法:報告と質問の提出
第3回 経済学の原則についてのグループディスカッション
第4回 効率性についてのグループディスカッション
第5回 公正についてのグループディスカッション
第6回 外部性についてのグループディスカッション
第7回 不確実性の担保についてのグループディスカッション
第8回 ネットワーク外部性と自然独占についてのグループディスカッション
第9回 公共財についてのグループディスカッション
第10回 グループワークの課題と準備
第11回 具体的な事例の報告と質問の提示
第12回 具体的な事例の討論1
第13回 具体的な事例の討論2
第14回 前期の総括
第15回 グループ分け(第1・2班)・共同論文のテーマ設定
第16回 第1班の分析視点の報告と討論1
第17回 第2班の分析視点の報告と討論1
第18回 第1班の分析視点の報告と討論2
第19回 第2班の分析視点の報告と討論2
第20回 第1班の基本関連文献の報告と討論1
第21回 第2班の基本関連文献の報告と討論1
第22回 第1班の基本関連文献の報告と討論2
第23回 第2班の基本関連文献の報告と討論2
第24回 第1班の研究骨子の報告と検討
第25回 第2班の研究骨子の報告と検討
第26回 第1班の研究の報告と検討
第27回 第2班の研究の報告と検討
第28回 総括とまとめ
<2,3月>
春合宿で共同論文の報告と討論
【演習2】(3年次)
具体的な政策を考えるにあたり、対象となる市場を実証的に捉えるための基礎的な理論・ツールを学びます。2年生に学んだことも合わせ、グループワークにより本格的に特定の市場を分析していきます。
1. 基本書を輪読する形で、実証的な分析(データを用いた分析)ツールを学習します。
2. グループに分かれ、具体的な市場を対象として公開データで分析された研究をフォローします。そこで使われている分析ツールについてさらに深く学習します。
3. グループワークにより、具体的なテーマを設定し、先行研究をレヴューするとともに、本格的に事例研究をします。
※:事例研究のテーマに合わせて、フィールドワーク等を実施することがあります。
第1回 ガイダンス:実証分析と仮説検証について・スケジュール確認
第2回 実証分析についての報告と質問の提出
第3回 表明選好法の基礎の討論
第4回 効用関数とモデルの報告と質問の提出
第5回 効用関数とモデルの討論
第6回 アンケート調査の基礎の報告と質問の提出
第7回 アンケート調査の基礎の討論
第8回 第1班の実証分析視点の報告と討論1
第9回 第2班の実証分析視点の報告と討論1
第10回 第1班の実証分析視点の報告と討論2
第11回 第2班の実証分析視点の報告と討論2
第12回 第1班の実証分析(予備調査)の報告と討論1
第13回 第2班の実証分析(予備調査)の報告と討論1
第14回 前期の総括
<夏合宿:調査実施報告>
第15回 夏休み中の共同論文に関する課題の整理
第16回 第1班の研究の報告と討論1
第17回 第2班の研究の報告と討論1
第18回 第1班の研究の報告と討論2
第19回 第2班の研究の報告と討論2
第20回 第1班の関連実証文献の報告と討論
第21回 第2班の関連実証文献の報告と討論
第22回 第1班の研究の報告と討論3
第23回 第2班の研究の報告と討論3
第24回 第1班の共同論文草稿の報告と検討
第25回 第2班の共同論文草稿の報告と検討
第26回 第1班の研究のフォーマルなプレゼンテーションと検討
第27回 第2班の研究のフォーマルなプレゼンテーションと検討
第28回 総括とまとめ
【演習3】(4年次)
卒業論文のテーマを設定し、執筆します。
1. 卒業論文のテーマを設定し、骨子を作成します。
2. 卒業論文で実施する実証分析のデータを収集し、分析します。
3. 2,3年生の研究のサポートをします。
<前期>
○月に1回程度の顔合わせ
<8~9月頃>
○夏合宿(2~4年合同) 2年生と3年生の指導
<後期>
第1回 演習論文の書き方について(報告順番の確定)
第2回 第1回報告(履修者のうち最初の半数)テーマ、研究課題、論文骨子の報告
第3回 第1回報告(履修者のうち残りの半数)テーマ、研究課題、論文骨子の報告
第4回 第2回報告(履修者1~4番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第5回 第2回報告(履修者5~8番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第6回 第2回報告(履修者9~12番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第7回 第2回報告(履修者13~16番) 論文のうち1つの章の草稿または各章の要旨
第8回 第3回報告(履修者1~4番) 論文全体の草稿
第9回 第3回報告(履修者5~8番) 論文全体の草稿
第10回 第3回報告(履修者9~12番) 論文全体の草稿
第11回 第3回報告(履修者13~16番) 論文全体の草稿
第12回 第4回報告(履修者1~5番) 完成原稿
第13回 第4回報告(履修者6~10番) 完成原稿
第14回 第4回報告(履修者11~16番) 完成原稿
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各自、各グループが授業外で報告のための作業を実施する必要があります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 10 | グループワークの成果などを提出物として課す場合があります。論理的に構成されているかによって評価します。 |
平常点 | 90 | 出席のみならず、クラス貢献度で評価します。毎回のゼミでの報告や発言による授業への貢献度で評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
ゼミ形式となります。少人数での講義となるため、クラス貢献度で評価します。評価には、それぞれの学年での目標の達成度合いを毎回のゼミでの報告を通じて評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
課題に対して、講義内で解説やコメントをします。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
本科目は、演習科目ですので、学生に報告を課し、教員や報告者以外の学生によるインタラクティブな授業となります。
ただし、フィールドワークは社会の状況に応じて可能であれば実施することになります。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
少人数クラスですので、講義内での実施はあまりありませんが、提出物についてはICTを活用して提出してもらう可能性も高いです。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
中央省庁での勤務経験
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
政府機関での勤務経験をいかして、政策に関連する現実的諸課題についても事例を取り上げる予定です。
テキスト・参考文献等
候補を提示し履修者の適性を加味して、履修者と相談の上、決定します。担当者作成のパワーポイント資料を配布してテキストと代替する場合もあります。
その他特記事項
携帯電話はマナーモードにするなど、礼儀を重んじます。