シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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比較経営論 | 2024 | 秋学期 | - | 国際経営学部 | 岡野 寿彦 | オカノ トシヒコ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GM-OM2-CE03
履修条件・関連科目等
異なる文化など「違い」を理解・尊重する姿勢と、米国、中国、東南アジア、インド、ドイツ、日本など世界の企業経営の特徴・動向に興味のある学生の履修を歓迎します。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
各国の企業を取り巻く外部環境(文化や制度、宗教・哲学、歴史に影響される社会基盤)には違いがある。そして、経営理念、競争力の源泉、マネジメント方式にも差異がみられる。本講座では、このような「違い・異なる文化」を理解・尊重し学習・仕事・生活に活かすための学問である比較経営論の基礎知識を、企業実務における比較経営の実践(ケース)を交えて学ぶ。次の3つのアプローチにより、基礎知識の理解と応用能力の習得を図る。
(1)比較経営論の主な文献の研究(4回)
(2)企業等の実務における比較経営論(4回)
(3)経営学 / 企業経営の重要要素(組織とリーダーシップ、意思決定、ナレッジマネジメント、デジタル戦略、イノベーション・マネジメント)と比較経営論(4回)
使用言語は日本語を中心とし、トピックやキーワードなど英語と中国語で補足する。
科目目的
比較経営論の基礎知識と、多様性を尊重しバランスある比較分析に基づいて思考し行動する姿勢を習得する。学生が身近なケースを通じて「自分事」として考え行動する能力と習慣を身に着けることを目的とする。
講師が企業実務者として、中国、東南アジア、インド等の企業との提携、合弁経営、資本撤退に「異文化」環境で取り組んだなかで直面した課題、反省・学びをベースに、比較経営論の文献、日本を代表する企業のグローバル展開事例を交えて解説することで、学問としての比較経営論を企業等の実務に位置づけて学ぶ。
到達目標
(1)比較経営論の基礎理論・知識を体系的に修得する。
(2)自分の考えを的確に述べ、異文化環境で建設的な議論する能力を身につける。
授業計画と内容
1. ガイダンス
2. 日本企業の国際展開と比較経営論 【企業実務編-1】
<参考文献> 中川等『はじめての国際経営』
3. ホフステード等『多文化世界』 【文献研究-1】
6次元モデル:①権力との関係、②個人と集団との関係、③男性・女性に期待される役割の違いと動機付け要因、④知らないこと、曖昧なことへの対応、⑤将来への考え方、⑥人生の楽しみ方
4. エリン・メイヤー『異文化理解力』 【文献研究-2】
5. 自動車企業のビジネスと比較経営論 【企業実務編-2】
<参考文献> 『国際合弁:トヨタ・GMジョイントベンチャーの軌跡』
6. 組織とリーダーシップ 【経営学/企業経営の重要要素と比較経営論-1】
7. ゲストスピーカー「ドイツ、日本、中国、米国の経営比較」
8. 意思決定、ナレッジマネジメント 【経営学/企業経営の重要要素と比較経営論-2】
9. デジタル戦略とイノベーション・マネジメント 【経営学/企業経営の重要要素と比較経営論-3】
10.野中等『アジア最強の経営を考える』 【文献研究-3】
11.異文化環境での経営と事業開発:比較経営論をどう活かすのか(講師の実務経験に基づき問題提起) 【企業実務編-3】
12.中国企業経営者は日本企業の経営をどう見ているのか?:日本的経営論を踏まえて 【企業実務編-4】
<参考文献> 岡野『中国的経営イン・デジタル』
13.マシュー・サイド『多様性の科学』【文献研究-4】
・・・ なぜ比較経営論を学ぶのか?(あらためて考えてみよう)
14.講座のまとめ
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 期末レポート |
平常点 | 50 | 毎回の授業後に、習得内容、気づき・感想を小レポートとして提出する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回授業後の小レポートと期末レポートに基づいて、比較経営論の基礎知識を習得し、自ら考えて文章化できているかを評価する。
A+ :極めて深い理解、論理的考察が構築されている
A :深い理解、論理的考察がなされている
B :理解、論理的考察がなされている
C :ある程度は理解し、論理的に考察している
F :理解、論理的考察がなされていない
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
(1) 中国政府系金融機関の情報システム開発のプロジェクト・マネジャー(1995年~1998年)
(2) 北京現地法人の経営、「経営体制現地化」の実践(1998年~2003年)
(3) 中国ベンチャー企業への投資、PMI(Post Merger Integration)(2004年~2012年)
(4) 中国、東南アジア、インドにおける日本企業現地法人のITサポート事業責任者(2004年~2012年)
(5) 中国政府系企業との資本提携、合弁経営(2013年~現在に至る)
(6) NTTデータ経営研究所(シンクタンク)での提言・情報発信、コンサルティング(2016年~現在に至る)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
経営、事業を担う経営者、企業人の思考・行動や組織文化にも焦点をあてて、組織とその活動メカニズムを理解できるよう授業を行う。
「イノベーションはどのように創出されたのか、どのような課題に直面したのか」など、経営者、企業人の視点を踏まえたケース分析と考察を行う。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
パワーポイントによるレジュメを配布する。
【参考文献】
・岡野寿彦『中国的経営イン・デジタル:中国企業の強さと弱さ』(日本経済新聞出版、2023年)
・G・ホフステード等『多文化世界』(有斐閣、1995年)
・エリン・メイヤー『異文化理解力』(英治出版、2015年)
・野中等『アジア最強の経営を考える』(ダイヤモンド社、2013年)
・マシュー・サイド『多様性の科学』(Discover、2021年)
・宍戸善一等『国際合弁:トヨタ・GMジョイントベンチャーの軌跡』(有斐閣、1988年)