シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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中世文学研究B | 2024 | 後期 | 火4 | 文学研究科博士課程前期課程 | 吉野 朋美 | ヨシノ トモミ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JL5-106L
履修条件・関連科目等
条件はありませんが、活字翻刻のない作品を取り上げることもあるので、くずし字・変体仮名を読む力が身についているとよいでしょう。読めなくてもこれを機に学びましょう。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では、和歌と説話の関係を『古今著聞集』巻第五「和歌第六」に収められる話と和歌から考えていきます。『古今著聞集』の編者橘成季は、どのような和歌にまつわる話を取り上げているのか、なぜその話を載せたのか、前後の話、全体の構成との関係はどうか、などを、各話の考察を通して明らかにしていきたいと思います。担当話を決め、京都大学図書館本(近衛本)を底本に用い、担当者が各自で観点を設定して分析・検討していき、受講者からの質疑にも答える形で考察を深めていきます。数年間、『十訓抄』からの抄出部分をのぞく形で「和歌第六」を読んできているので、過去の演習での調査報告から見えてきたことも合わせて考えてみましょう。
科目目的
古典文学作品を研究する際に必要な知識と基礎作業の方法を身につけること、作品の時代背景を考慮した的確な注釈や表現分析をおこなうための調査能力を養うことを目的とします。
到達目標
古典文学作品を研究、分析する際に必要な知識と基礎作業の方法、調査能力を身につけ、授業におけるの担当箇所について、実際に的確な注釈をつけ、時代背景や人間関係をふまえた考察をおこなうレベルに達することが到達目標です。
授業計画と内容
1、『古今著聞集』について 過去の調査報告から見えてきたこと
2、『古今著聞集』読解演習1 222話 基礎的調査報告
3、『古今著聞集』読解演習2 〃 考察・討議 遠所の後鳥羽院
4、『古今著聞集』読解演習3 223,224話 基礎的調査報告
5、『古今著聞集』読解演習4 〃 考察・討議 詠歌と出家、家隆の和歌
6、『古今著聞集』読解演習5 225話 基礎的調査報告
7、『古今著聞集』読解演習6 〃 考察・討議 後嵯峨天皇の和歌
8、『古今著聞集』読解演習7 226,227話 基礎的調査報告
9、『古今著聞集』読解演習8 〃 考察・討議 西園寺実氏と後嵯峨院、住吉社と和歌
10、『古今著聞集』読解演習9 228話 基礎的調査報告
11、『古今著聞集』読解演習10 〃 考察・討議 身分と詠歌
12、『古今著聞集』読解演習11 229話 基礎的調査報告
13、『古今著聞集』読解演習12 〃 真観と当時の歌壇状況
14、ふりかえり
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
次週発表される説話を各自よく読み、作品については自身で文法事項の説明や解釈ができるようにしておいてください。また、毎回、次の発表話についての疑問点やわからない点について、授業前に発表者と教員にメールで提出してください。それらをふまえて考察・検討・討議していきます。
なお、課外活動として、国文学研究資料館の特別資料展示を見に行く場合もあります(自習時間は、トータルすれば60時間は越えるでしょう)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 発表内容(質疑も含む)、発表資料 70% 討議への参加状況 30% |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:京都大学図書館蔵『古今著聞集』(近衛本・影印、デジタルアーカイブ)のコピーを配布します。
参考文献:「『古今著聞集』新解(三)―和歌第六」(『説話』一二号・説話研究会・二〇一四年)
その他は適宜紹介します。
その他特記事項
日本古典文学を自身の研究対象とする方以外の参加も広く歓迎します。