シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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近世文学研究A | 2024 | 前期 | 水2 | 文学研究科博士課程前期課程 | 鈴木 俊幸 | スズキ トシユキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JL5-107L
履修条件・関連科目等
なし。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
言葉と画像とがもたれ合った戯作表現の時代に即した解釈を身に付けていくために、黄表紙を演習形式で読み解いていきます。また同時代の洒落本も購読して、これらの戯作表現がどのように時代の美意識と相関するのかを考えていきます。取り上げるのは天明期の黄表紙と洒落本、とくに山東京伝作品を中心に進めていきます。これを、じっくりと精緻に読み解いていく演習形式の授業となります。
科目目的
戯作はもっとも近世的な文芸です。いかに的確なモチーフを選び出し、それをおしゃれにちりばめていくかが勝負の文芸です。そのモチーフたちは、現代のわれわれが理解を共有していないものがほとんどです。それらについてさまざまな資料を博捜して調べ上げ、それらの時代における位置付けを理解することで、表現の意図がはじめて浮かび上がってきます。その作業を積み重ねることによって、当時の読者に近い視点が確保できます。そこに到達することを目的に、調べる技術の向上と、解釈の精度をあげていく授業になります。
到達目標
江戸時代の散文・画像、また短詞型文芸の表現を読みこなすことができるようになること、さまざまな文化との相関の下に文芸の史的展開を発想できるようになること、すなわち、どのようなジャンル・作者のものでも対応できるスキルを身に付けるとともに、その史的位置付けを正確に行えるようになることを目標とします。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス1 演習の方法について
第2回 ガイダンス2 作者山東京伝と天明期狂歌・戯作壇について(講義)
第3回 演習① 『江戸春一夜千両』序
第4回 演習② 同 一丁裏~三丁表
第5回 演習③ 同 三丁裏~五丁表
第6回 演習④ 同 五丁裏~七丁表
第7回 演習⑤ 同 七丁裏~九丁表
第8回 演習⑥ 同 九丁裏~十一丁表
第9回 演習⑦ 同 十一丁裏~十三丁表
第10回 演習⑧ 同 十三丁裏~十五丁裏
第11回 演習⑨ 同 総括
第12回 新吉原と山東京伝、新吉原と文芸(講義)
第13回 史料としての新吉原細見(講義)
第14回 山東京伝と蔦屋重三郎(講義)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
同時代の戯作・狂歌・川柳をさまざま読んでおいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | テーマについての調査が万全であったか、また的確にまとめられたかを評価します。 |
平常点 | 50 | 演習の事前の準備と発表が的確に行われたか、また演習を通じて理解が向上したかどうかを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
演習発表の内容と授業への参加態度、提出レポートを、それぞれ50%として評価します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストはプリントとPDFファイル。
参考文献は、鈴木俊幸『江戸の本づくし』(平凡社新書)、同『新版 蔦屋重三郎』(平凡社ライブラリー)。