シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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近世文学研究B | 2024 | 後期 | 水2 | 文学研究科博士課程前期課程 | 鈴木 俊幸 | スズキ トシユキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JL5-108L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
通という美意識に裏打ちされた戯作表現について考察することをテーマとします。取り上げるのは18世紀の洒落本と黄表紙、とくに山東京伝作品を中心に進めていきます。これを、作者がちりばめたモチーフについてとことん調べ上げ、じっくりと精緻に読み解いていく演習形式の授業となります。
科目目的
戯作はもっとも近世的な文芸です。いかに的確なモチーフを選び出し、それをおしゃれにちりばめていくかが勝負の文芸です。そのモチーフたちは、現代のわれわれが理解を共有していないものがほとんどです。それらについてさまざまな資料を博捜して調べ上げ、それらの時代における位置付けを理解することで、表現の意図がはじめて浮かび上がってきます。その作業を積み重ねることによって、当時の読者に近い視点が確保できます。そこに到達することを目的とします。
到達目標
さまざまな近世文芸に深く接することを通じて、風俗・思潮等の文化を理解し、時代そのものを同時代的視点で捉えることを第一の目標とします。
また、演習の準備作業と授業を通じて、さまざまな工具書の特性を知り、調べる技術を向上させて解釈の精度を上げていくようにしましょう。そして、応用力を高めて、近世に限らず、あらゆる作品解釈に対応できる能力を培うことを第二の目標とします。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス 天明期の黄表紙と洒落本について
第2回 演習ガイダンス 黄表紙・洒落本解釈の方法、工具書の解説
第3回 『御存商売物』上巻購読
第4回 同 中巻購読
第5回 同 下巻購読
第6回 演習① 『初衣抄』演習 序・口絵・跋
第7回 演習② 同 「中納言家持」「喜撰法師」
第8回 演習③ 同 「陽成院」「在原業平朝臣」
第9回 演習④ 同 「伊勢」「素性法師」
第10回 演習⑤ 同 「春道列樹」「恵慶法師」
第11回 演習⑥ 同 「源重之」「藤原義孝」
第12回 演習⑦ 同 「紫式部」「左京太夫道雅」
第13回 演習⑧ 同 「権中納言定頼」「祐子内親王家紀伊」
第14回 演習⑨ 同 「源俊頼朝臣」「崇徳院」「参議雅経」、総括
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
同時代の川柳・狂歌・戯作類を濫読しましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 自分で課題を設定できる問題意識の高さ、課題をさまざまな資料を駆使して検討する能力、調査結果を論理的に文章化する能力を評価します。 |
平常点 | 50 | 辞書に頼るだけの読解からどれだけ脱皮したか、すなわち同時代の資料を博捜しそれを用いて解釈する能力と、作品や表現のバリエーションに応じた的確な解釈能力との獲得状況を、演習の内容(質疑も含む)を以て評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストはプリントとPDF。
参考文献は、鈴木俊幸『江戸の本づくし』(平凡社新書)、同『蔦屋重三郎』(平凡社ライブラリー)、『山東京伝全集』。