シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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近代文学研究A | 2024 | 前期 | 火3 | 文学研究科博士課程前期課程 | 山下 真史 | ヤマシタ マサフミ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JL5-109L
履修条件・関連科目等
履修条件としては、以下の2点が望まれます。
・日本の近代史、及び、文学史について、学部修了レベルの知識を持っていること。
・日本近代文学の研究方法について、学部修了レベルの知識を持っていること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
昭和10年に創設された芥川賞は、新人作家を発掘し、文学界に新風を巻き起こすことを目指したものでした。芥川賞を受賞した作家は、他の雑誌の新人賞を受賞した作家よりも、その後大成していった人の割合が高く、創設者菊池寛の功績は大きかったと言えます。新人賞としてのレベルの高さもあって、芥川賞の受賞に至らなかった作家も、その後、活躍していることが多いです。
新人の作品は、その時代の文学の動向を知る上で重要な示唆を与えてくれます。この授業では、戦前・戦中の芥川賞の候補作となった作品を読んで、その時代の文学動向を知ることを目指したいと思います。具体的には『芥川賞候補作傑作選 戦前・戦中編(1935-1944)』に収録された作品を読んでいきます。時代背景を理解した上で、注釈を付け、作品の読解を深めることを目指します。あわせて、作家の特徴についても考察します。
科目目的
研究があまり進んでいない作品に対して、注釈をつけ、時代背景を調べ、先行研究がない場合は自力で論じる力をつけることを目的とします。あわせて、戦前戦中の社会の状況と、文学界の状況を理解できるようになることが目的です。
到達目標
作者は、当時の読者に向けて作品を書いているので、作品を分析するには、その時代状況を知ることが必要です。当然、注釈という作業も必要になります。受講生は、時代状況を調べる能力と、作品の中に出てくる出来事・モノについて注釈を付ける能力を身につけること、さらに作品を分析して、文学史の上に位置づけられるようになることが目標となります。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス(やり方と発表順について)
第2回 文芸復興期から戦時下の文学状況
第3回 太宰治「逆行」
第4回 宮内寒弥「中央高地」
第5回 伊藤永之介「梟」
第6回 中谷孝雄「春の絵巻」
第7回 中村地平「南方郵信」
第8回 一瀬直之「隣家の人々」
第9回 織田作之助「俗臭」
第10回 木山捷平「河骨」
第11回 元木國夫「分教場の冬」
第12回 牛島春子「祝という男」
第13回 村田孝太郎「鶏」
第14回 埴原一丞「下職人」
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストは『女性たちの戦争ーーセレクション戦争と文学4』(2019年、集英社文庫)を用います。
発表者は事前によく調べ、レジメを作成し、40分程度で発表します。発表者以外は、作品を事前によく読み、疑問点などを持って授業に臨んでください。発表で調べ足りなかった点は、次の回に報告します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 発表時に作者、時代背景を調べられたか、注釈や解釈がきちんとできたか、発表者でないときに議論に積極的に参加できたか、が評価の対象となります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:『芥川賞候補傑作選 戦前・戦中編(1935-1944)』(春陽堂書店)