シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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近代文学研究B | 2024 | 後期 | 火5 | 文学研究科博士課程前期課程 | 富塚 昌輝 | トミツカ マサキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JL5-110L
履修条件・関連科目等
学部において、国文学全般に関する知識を習得していることが望ましい。また、研究方法や論文作成についても、学部修了レベルの能力を有していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
明治期の文学は、後の文学の潮流へとつながる/つながらない様々な可能性を胚胎していると言えます。本授業では、その中で泉鏡花の文学作品を取りあげ、作品分析を行うとともに文学史的な位置づけについて考えて行きます。その際、先行研究における鏡花作品の意味づけ/位置づけを検証しつつ、正確かつ新鮮な読解および文学史的な位置づけを行うことを目指します。授業形式は、担当者による口頭発表と受講生全員による討議によって授業を進めていきます。
科目目的
文学作品の読解は文学史的な位置づけの検討と連動しているところがあります。先行研究で提示されている読解が、当時の文学史的な位置づけの枠内で行われているということは珍しくありません。本文を吟味するとともに、先行研究を検証することで、新しい読解の可能性を切りひらかれるかもしれません。そしてその読解が、新しい文学史的な流れを発見するための目印となるかもしれません。特に、泉鏡花の作品は、作品のテーマやモチーフも複雑ですし、文学史的な位置づけも容易ではありません。本講義では、このような鏡花作品を取り上げ、本文の丁寧な読解、先行研究の検証、文学史的な意味づけの再検討を行うことを目的とします。また、こうした作品研究の実践を通して、虫瞰と鳥瞰をあわせもった文学研究の方法を身につけることを目的とします。
到達目標
・本文の丁寧な吟味に即した作品分析を行うことができる。
・先行研究を検証し、新しい視点を提出することができる。
・作品分析を踏まえた上で、それを位置づけ得る文学史的な視座を確保することができる。
・作品分析の方法、先行研究の検証方法、文学史への視座等を身につけ、自身の研究に応用することができる。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス+発表担当日程の調整
第2回 泉鏡花についての研究状況の概観
第3回 文学研究の方法についての解説
第4回 「義血侠血」:発表・討議
第5回 「鐘声夜半録」:発表・討議
第6回 「貧民倶楽部」:発表・討議
第7回 「琵琶伝」:発表・討議
第8回 「照葉狂言」:発表・討議
第9回 「化鳥」:発表・討議
第10回 「風流線」:発表・討議
第11回 「春昼」:発表・討議
第12回 「歌行燈」:発表・討議
第13回 「夜叉ヶ池」:発表・討議
第14回 「眉かくしの霊」:発表・討議
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 発表の準備、資料作成、発表の姿勢:50% 討議への参加度:50% |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
『新編 泉鏡花集』(岩波書店、全10巻)、『泉鏡花集成』(ちくま文庫、全14巻)などを使用します。