シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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応用化学特別講義第5 | 2025 | 夏季集中 | 他 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 橋本 勝 | ハシモト マサル | 1年次配当 | 1 |
科目ナンバー
SG-AC5-6C36
履修条件・関連科目等
「計算機化学特論」を履修していることが望まれます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
まず、天然有機化合物の構造決定の例を紹介し、天然有機化合物領域における厳密な構造決定の重要性を紹介します。次に立体構造議論に必要な計算の基礎知識を紹介し、徐々に具体的な方法を紹介します。
科目目的
天然物の構造決定及び計算機を用いた構造決定支援技術について学びます。
到達目標
(1) 天然物の構造決定の重要性を理解する。
適切な機器分析とその適切な解析方法を習得する。
(2) 生物活性における三次元構造の重要性を理解する。
標的分子と呼ばれる生体分子との相互作用は三次元的な理解が必要で、同時に生物活性分子の三次元的構造即ち適切な構造が重要であることを理解する。
(3) 分子モデリング法は、分子模型での解析について、定量化要素が加わったにすぎない。あまり構えて取り組む必要もないが、最低限のコンピュータの知識、統計解析の知識が必要であることを理解し実際に修得する。
授業計画と内容
1.真菌が生産する環状ペプチド、環状デプシペプチド
真菌の生産する環状ペプチドの構造決定を通して、アミノ酸配列の決定、各アミノ酸の絶対配置の決定技術などを紹介します。
2.真菌が生産するハイブリッド二次代謝物
真菌は様々なハイブリッド二次代謝物を生産します。これらの構造決定における難しさと同時に徹底した二次代謝物探索の重要性を紹介します。
3.立体構造の理解へ
平山令明先生が書かれたブルーバックス「分子レベルから見た薬の働き」から、薬剤分子の立体構造の重要性を紹介します。
4.コンピュータの中身、モデリング計算にできること、
分子モデリングを行うにあたり最小限必要なハードウェア、ソフトウェア、解析技術を紹介します。
5.様々な計算手法と計算のコスト
分子力学手法から、量子力学手法までその考え方と利用の範囲を紹介します。
6.化学シフト計算、円二色性スペクトル計算への応用
近年進展の目覚ましい化学シフト計算、円二色性スペクトル計算を紹介します。
7.最近の研究から
担当者の行った最近の成果を計算機化学の視点から紹介します。
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
初日と二日目の間に自宅学習のための課題を出し、レポートを提出していただきます。講義内容を復習し、論理的にレポートをまとめるようにして下さい。レポートをまとめる際に分からなかった点については、質問を歓迎いたします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 天然物の構想決定の目的及び技術を正しく理解できたか 。 |
平常点 | 40 | 講義中における質問などに適切に対応できたか |
成績評価の方法・基準(備考)
平常点(出席)40%、レポート60%の比率で評価します。それぞれの授業の最後に理解度を確認するために小テストを行います。また、初日と二日目の間に自宅学習のための課題を出し、レポートを提出していただきます。レボートの評価では講義の理解度を重視します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
ノートパソコンを持参ください。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
研究所勤務(財団法人相模中央化学研究所)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
研究所時代はコンピュータを活用した化学研究を経験しています。
講義では受講者に自身のコンピュータを持参いただき、講義時間の一部を利用して実際の計算解析に取り組んでいただく計画です。
テキスト・参考文献等
・テキストは power point 資料を配付いたします。
・参考文献(分子間力)
有機分子の分子間力 Ab initio 分子軌道法による分子間相互作用の解析,
都築誠二, 東京大学出版会, 2015.
ISBN-13: 978-4130625104
The theory of intermolecular forces, second edition,
A. J. Stone, Oxford University Press: Oxford, 2013.
ISBN-13: 978-0198789154
・参考文献(Gaussian プログラムの使用方法)
Exploring Chemistry with Electronic Structure Methods, 3rd ed., J. B. Foresman and Æ Frisch, 「電子構造論による化学の探究」第3版日本語版, Gaussian, Inc., 2015.
すぐできる量子化学計算ビギナーズマニュアル, 新版,
平尾公彦 監修, 武次徹也 編著, 講談社, 2015.
ISBN-13: 978-4061543881