シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治学特講2(B) | 2024 | 後期 | 月3 | 法学研究科博士課程前期課程 | 山崎 望 | ヤマザキ ノゾム | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-PS5-702L
履修条件・関連科目等
この「特講2(B)」は、月曜4限の「政治学演習2(B)」と一体で運用します。
本講義のみの受講を希望する学生は、予め教員に相談をしてください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、規範的かつ現実的な国際政治のモデルとして自明視されがちな、「リベラルな国際秩序」の揺らぎを分析します。米中対立、ウクライナ戦争、パレスチナ危機なども視野に入れて「リベラルな国際秩序」の持つ可能性と限界を、思想的次元まで遡って考察します。「政治学演習2(B)」では「本特別講義2(B)」を前提として、世界秩序論の諸構想を扱います。
科目目的
この政治学特講2(B)を通じて、政治思想史と国際政治の観点から理解を深め、現代の国際秩序を相対化する観点を習得することが目的です。またヨーロッパ(とアメリカ)の民主主義についての知識を得ることを通じて、各国の相違および歴史的変遷に加え、欧米とその外部の関係性について考察する足掛かりを得ることも目的となります。
カリキュラムの観点からは、国際政治、政治史、政治思想史、政治理論などの分野の研究を進める上で、重要な知見を得る目的があります。
到達目標
現代の国際秩序の在り方を考察する上で不可欠な、国際政治学をはじめ、歴史的/思想史的な知識を得ることを通じて、広く法学政治学の理解にとって資する研究の基礎を作ることが目標です。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション(趣旨説明、担当者の決定など)
第2回 壊れる世界秩序(1)リベラルな国際秩序
藤原帰一「壊れる世界」➀②『世界』岩波書店より
第3回 壊れる世界秩序(2)リベラルな国際秩序の揺らぎ
藤原帰一「壊れる世界」③④『世界』岩波書店より
第4回 壊れる世界秩序(3)リベラルな国際秩序の持続性
藤原帰一「壊れる世界」⑤⑥『世界』岩波書店より
第5回 壊れる世界秩序(4)リベラルな国際秩序の可能性
藤原帰一「壊れる世界」⑦⑧『世界』岩波書店より
第6回 リベラルな国際秩序の危機
J・アイケンベリー、『民主主義にとって安全な世界とは何か』第1章
第7回 リベラルな国際秩序とは?
J・アイケンベリー、『民主主義にとって安全な世界とは何か』第2章
(参)J・アイケンベリー、『リベラルな秩序か帝国か』第3章
第8回 冷戦後の自由主義秩序の危機
J・アイケンベリー、『民主主義にとって安全な世界とは何か』第8章
第9回 モダニティの超克
J・アイケンベリー、『民主主義にとって安全な世界とは何か』第9章
第10回 ウクライナ戦争から考える国際秩序
第11回 パレスチナ危機から考える国際秩序
第12回 非西洋的視点から見た国際秩序(1)ポストコロニアリズム
第13回 非西洋的視点から見た国際秩序(2)批判理論
第14回 思想としてのリベラルな国際秩序の可能性と限界
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
報告者は文献のレジュメ(要約)と私見の作成、事前の配布をしてください。
配布方法などについては初回に説明をします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 議論への参加と、報告回数時の報告を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
レジュメなどはmanabaにて配布予定です。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
・藤原帰一「壊れる世界」第1~8回『世界』岩波書店
・J・アイケンベリー、『民主主義にとって安全な世界とは何か』、西村書店、2021年
※J・アイケンベリー『民主主義にとって安全な世界とは何か』のみ
購入するか、図書館で借りるなどして開講前に準備しておいてください。
他の文献については随時、指示します。
【参考文献】
・J・アイケンベリー、『リベラルな秩序か帝国か』(上)(下)、勁草書房、2012年
・マーク・リラ、『難破する精神-世界はなぜ反動化するのか』、NTT出版、2017年
・ビル・エモット『「西洋」の終わり』、日本経済新聞出版社、2017年
・Edward Luce, 2017,The Retreat of Western Liberlism,Little Brown