シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治学演習2(B) | 2024 | 後期 | 月4 | 法学研究科博士課程前期課程 | 山崎 望 | ヤマザキ ノゾム | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-PS5-704S
履修条件・関連科目等
この「政治学演習2(B)」は、月曜3限の「政治学特構2(B)」と一体で運用します。
本演習のみの受講はできません。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
課題文献によっては、英語の文献も扱います。
授業の概要
本講義では、規範的かつ現実的な国際政治のモデルとして自明視されがちな「リベラルな国際秩序」と重複あるいは相克し、また潜在的に生成しつつある代替的な世界秩序(構想)とそれを支える思想について扱います。「本特別講義2(B)」の内容は議論の前提となります。
科目目的
この政治学演習2(B)を通じて、主に現代政治理論と非主流の国際政治学の観点から理解を深め、現代の国際秩序を相対化する世界秩序論の観点を習得することが目的です。またポストコロニアリズムや批判理論にについての知識を得ることを通じて、欧米を中心として世界化した学問の知の在り方自体を問い直すことも目的とします。
カリキュラムの観点からは、国際政治、政治史、政治思想史、政治理論などの分野の研究を進める上で、重要な知見を得る目的があります。
到達目標
現代の国際秩序にとどまらない、歴史的にも空間的にも、様々な世界秩序の在り方を考察する上で不可欠な、国際政治学をはじめ、歴史的/思想史的な知識を得ることを通じて、広く法学政治学の理解にとって資する研究の基礎を作ることが目標です。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション(趣旨説明、担当者の決定など)
第2回 マルチプレックスな世界秩序
:A・Achariya
第3回 批判理論の世界秩序論(1)
:A・Linklater
第4回 批判理論の世界秩序論(2)
:U・Beck
第5回 マルクス主義の世界秩序構想:「帝国」論
:A・Negri&M・Hart
第6回 フェミニズムの世界社会論
:S・Woodworthからdomestic ideology批判/ケアの世界構想まで
第7回 イスラーム思想の世界秩序構想
第8回 中国の世界秩序構想
第9回 アジア主義の世界秩序構想(1)
:三木清の東亜共同体論
第10回 アジア主義の世界秩序構想(2)
:橘樸の国境を越える社稷構想とアナーキズム?
第11回 ブラックラディカリズムの世界秩序構想
:マルコムXからBLM(A・Davis)/環大西洋政治詩学まで
第12回 ポストコロニアリズムの世界構想(1)
:F・FanonからG・Spivak、H・Bhaba、P・Gilroyまで
第13回 ポストコロニアリズムの世界構想(2)
:琉球社会論
第14回 「人新世」時代の惑星政治論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
報告者は文献のレジュメ(要約)と私見の作成、事前の配布をしてください。
配布方法などについては初回に説明を行います。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 議論への参加、報告回数における報告を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
レジュメなどはmanabaを通じて配布予定です。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【参考文献】
・アミタフ・アチャリア、『アメリカ世界秩序の終焉』ミネルヴァ書房、2022年
・U・ベック、『ナショナリズムの超克』NTT出版、2008年
・E・ウォーラーステイン、『アフター・リベラリズム』藤原書店、
・ネグリ&ハート、『マルチチュード』NHKブックス、2005年
・中田考、『カリフ制再興』書肆心水、2015年
・ポール・ギルロイ、『ブラック・アトランティック』月曜社、2006年
・中村隆之、『環大西洋政治詩学』人文書院、2022年
・前田幸男、『人新世の惑星政治学』青土社、2023年
・海老坂武、『フランツ・ファノン』みすず書房、2006年
・Andrew Linklater,1998, The Transformation of Political Community,Polity Press
・Achille Mbembe,2019,Necro-Pollitics, Duke University Press
・Ferit Gven,2015, Decolonizing Democracy, Intersections of Philosophy and Postcolonial Theory, Lexington Books
・Robbie Shilliam,2011, International Relations and Non-Western Thought, Rputledge
・Peter,Trubowitz, Brian,Burgoon,2023, Geopolitics and Democracy: The Western Liberal Order from Foundation to Fracture, Oxford University Press