シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 経済システム論Ⅱ | 2024 | 後期 | 金2 | 経済学研究科博士課程前期課程 | 鳥居 伸好 | トリイ ノブヨシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EG-TE5-110L
履修条件・関連科目等
マルクス経済学の研究視角と研究方法に依拠して、現代資本主義の構造分析と諸問題の検討を試みますので、マルクス経済学の基礎知識が多少必要とされます。ただし、その知識の習得は、授業履修にあたっての必要条件ではありません。現代社会の経済的諸問題に強い興味・関心を持ち、旺盛な探究心を持っている方であれば、どなたでも履修可能です。継続性に鑑みて、経済システム論Ⅰを履修していることが望まれます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語（その他の言語）
授業の概要
現代資本主義の現状および諸問題を、資本主義の構造的側面から検討します。どのように資本主義が発展しているのか、なぜ世界金融危機が生じたのか、資本による蓄積様式とその労働者への影響、システムとしての資本主義の転換はありうるのか、等々、資本の動きに関わる問題を検討対象とし、各問題を議論しながら、内容の理解を深めて行きます。
科目目的
この科目は、カリキュラムにおける発展科目として位置づけられていることから、主にマルクス経済学を中心とする基礎知識を踏まえ、現代資本主義の構造分析と経済的諸問題の検討を行いながら、人間の基本的人権が最大限尊重される経済システムとはどのようなものかを考えることを、この授業の最大の目的とします。
到達目標
修士の学位授与を念頭に置いて、学生が、資本主義の運動法則及びその法則に関連する諸現象を的確に分析し、諸問題の解決策を導出できることを目標に、基礎知識の応用力、諸現象の分析力、問題の解決策を練るための思考力を高め、「経済システム論Ⅱ」との継続を図り、学生が設定する問題対象に関する問題解決策について、さらに検討を加え、より具体的な問題解決策の導出を到達目標とします。
授業計画と内容
第1回 「経済システム論Ⅰ」との関連説明と授業展開について
第2回 「21世紀の資本主義」について(1)…ピケティの『21世紀の資本』を考える
第3回 「21世紀の資本主義」について(2)…（続）ピケティの『21世紀の資本』を考える
第4回 「21世紀の資本主義」について(3)…格差分析のあり方
第5回 現代資本主義とアソシエーション
第6回 現代資本主義と独占資本主義
第7回 現代資本主義と多国籍企業
第8回 現代資本主義と金融の自由化
第9回 国家独占資本主義とグローバル資本主義
第10回 グローバル資本主義段階における投機的金融活動の実態(1)…投機活動の変遷
第11回 グローバル資本主義段階における投機的金融活動の実態(2)…「ブラック・マンデー」
第12回 グローバル資本主義段階における投機的金融活動の実態(3)…再度「リーマン・ショック」
第13回 現代資本主義の展開方向(1)…世界経済の動向（とりわけアジアを中心に）
第14回 現代資本主義の展開方向(2)…世界経済の動向（とりわけアメリカと中国経済を中心に）
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容（その他の内容等）
各回の始めと終わりに、予習および復習について、具体的な予習準備内容や復習事項などの指示をしますので、その指示に基づいて、予習および復習をしていただくことを求めます。
授業時間外の学修に必要な時間数／週
・毎週１回の授業が半期（前期または後期）または通年で完結するもの。１週間あたり４時間の学修を基本とします。
・毎週２回の授業が半期（前期または後期）で完結するもの。１週間あたり８時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合（％） | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 40 | 課題に関するレポート(課題内容の理解度） |
| 平常点 | 60 | テキスト内容に関する理解度、テキストに関する報告、討論への参加度合 |
成績評価の方法・基準（備考）
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける／授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法（その他の内容等）
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL（課題解決型学習）／ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容（その他の内容等）
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法（その他の内容等）
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、以下の複数の書籍を、テーマごと使い分けて使用します。
デヴィッド・ハーヴェイ著大屋・中村・新井田・色摩訳『資本主義の終焉 ー 資本の17の矛盾とグローバル経済の未来』（作品社2017年）
鶴田満彦・長島誠一編著『マルクス資本主義と現代資本主義』（桜井書店2015年）
橘木俊詔著『21世紀の資本主義を読み解く』(宝島社2015年）
鳥居伸好著『なるほどマル経』（桜井書店2020年）
参考文献等は、授業中に適宜示します。