シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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AI・ロボット法 | 2024 | 前期 | 火4 | 国際情報学部 | 平野 晋 | ヒラノ ススム | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-NF2-IL13
履修条件・関連科目等
全員必修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
AIやロボットが抱える危険面を把握した上で、それが実際に生じる前に法的予防策を採るための基礎知識を修得し、もって予防法学を検討・実現していく為の能力養成を目標とします。いわゆる機械学習やディープラーニング等を活用したAIは、IoTを通じて収集されたビッグデータに代表される情報を利活用しながら、自動運転車(ロボット・カー)等に代表される自律型ロボットに組み込まれて社会のあらゆる面に普及すると予想されています。その影響力は、社会の在り様を変革してしまう程(transformative)とも指摘され、社会に対する様々な影響力の大きさも懸念されています。こうしたリスクに対して法的に対処する為、本講義では、まず、AIとロボットの特徴を講義した上で、人文科学分野にて既に表明されてきた危険面を、実際のAI・ロボットの特徴に照らし合わせて、将来の危険面と予防策を検討し、講義します。
科目目的
〈ロボット法〉という研究が必要な理由の理解や、SF作品を研究対象にする必要性・根拠の理解や、AI・ロボットが有する主な危険性の理解や、主な法的論点や学説の理解が〈科目目的〉。
到達目標
〈ロボット法〉という研究が必要な理由の理解や、SF作品を研究対象にする必要性・根拠の理解や、AI・ロボットが有する主な危険性の理解や、主な法的論点や学説の理解が〈到達目標〉。
授業計画と内容
原則として、以下の順序で進行予定です。
コロナ禍対策や受講生の理解度等も含む諸般の事情により、変更される蓋然性があります。
第一回 オリエンテーション、教科書『ロボット法』序章
第二回 『ロボット法』第1章 ロボット工学3原則
第三回 『ロボット法』第2章 ロボットの起源と文化(総論)
第四回 『ロボット法』第2章の続き(sci-fi作品のアナロジーを排除すべきか)
第五回 『ロボット法』第3章 ロボットの定義と特徴
第六回 『ロボット法』第4章 ロボットの種類とその法的問題(総論)
第七回 『ロボット法』第4章の続き(トロッコ問題)(ディスカッション)
第八回 『ロボット法』第5章 ロボット法の核心(総論+製造物責任法の概要)
第九回 『ロボット法』第5章の続き(製造物責任法の各論)
第十回 『ロボット法』第5章の続き(製造物責任法の裁判例)(ディスカッション)
第十一回 『ロボット法』第6章 ロボットが感情を持つとき
第十二回 『ロボット法』第7章 ロボット法のゆくえ(AI原則を巡る日本の動向)
第十三回 『ロボット法』第7章の続き(AI原則を巡る世界の動向)
第十四回 総括(Three Ps, 法と文学, OODA Loop, Foreseeability, Design Defect, AI Principles)
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[関係する具体的な職歴:1984年8月~1989年6月+1991年9月~1993年8月に富士重工業㈱の法務担当者として海外の製造物責任訴訟事件や海外契約交渉事案等に対応。加えて1989年9月~1991年5月に同社人事部付海外法務研修員として、コーネル大学法科大学院にて米国第三次不法行為法リステイトメント製造物責任の共同起案者J.A.ヘンダーソン, Jr.教授に師事して米国製造物責任法を研究。これらの経験から得られた知見は、以下の資料も通じて、特に前掲第八回、九回、及び十回の内容に深く関係します。平野晋「製造物責任法リステイトメント起草者との対話:日本の裁判例にみられる代替設計 "RAD" の欠陥基準」NBL1014号(商事法務, 2013年12月)。平野晋「アメリカ不法行為法第三次リステイトメント製造物責任法における“機能的”設計欠陥基準:"無過失責任の死"と"欠陥責任の皮を被った過失責任"(上)(中)(下)」損保企画663, 664, 666号頁(損害保険企画, 1997年12月)。平野晋『アメリカ不法行為法――主要概念と学際法理』(中大出版部, 2006年10月)。]
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業の進捗に合わせてテキストの該当箇所を予習しておいて下さい。特にmanaba等を通じて配布する配布物や参照物は、授業の前及び事後にも読んでおいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 原則として、集合型筆記期末試験ほぼ100%に、平常点(講義中の指導教授からの質問への回答等々)を加味するか、 又は、 コロナ禍対策等ゆえに、集合型筆記期末試験を実施できない場合等には、講義中/講義後の課題小テストやレポート等々ほぼ100%に、講義中の指導教授からの質問への回答等々を加味する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
コロナ禍対策が将来どのように変動するかについては全く予測不可能なので、上記「成績評価の方法・基準」はあくまでも当シラバス記載時点での方針です。また、受講生の理解度等も含む諸事情ゆえに、将来当然、変更の蓋然性があります。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1984年8月~1989年6月+1991年9月~1993年8月に富士重工業㈱の法務担当者として海外の製造物責任訴訟事件や海外契約交渉事案等に対応。加えて1989年9月~1991年5月に同社人事部付海外法務研修員として、コーネル大学法科大学院にて米国第三次不法行為法リステイトメント製造物責任の共同起案者J.A.ヘンダーソン, Jr.教授に師事して米国製造物責任法を研究。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
これらの経験から得られた知見は、以下の資料も通じて、特に前掲第八回、九回、及び十回の内容に深く関係します。平野晋「製造物責任法リステイトメント起草者との対話:日本の裁判例にみられる代替設計 "RAD" の欠陥基準」NBL1014号(商事法務, 2013年12月)。平野晋「アメリカ不法行為法第三次リステイトメント製造物責任法における“機能的”設計欠陥基準:"無過失責任の死"と"欠陥責任の皮を被った過失責任"(上)(中)(下)」損保企画663, 664, 666号頁(損害保険企画, 1997年12月)。平野晋『アメリカ不法行為法――主要概念と学際法理』(中大出版部, 2006年10月)。
テキスト・参考文献等
教科書:
・平野晋『ロボット法:AIとヒトの共生にむけて(新__版)』(弘文堂, 2024年__月発刊予定).
参考文献:
・平野晋「AIネットワーク時代の製造物責任法」_in_『AIがつなげる社会:AIネットワーク時代の法・政策』101~35頁(弘文堂, 2017年10月).
・座談会(司会:平野晋)「AI・ロボットの研究開発を巡る倫理と法」_in_同上書260~79頁.
・平野晋『アメリカ不法行為法――主要概念と学際法理』(中大出版部, 2006年10月).
・平野晋「ロボット法と倫理」人工知能学会誌34巻2号188-95頁(人工知能学会, 2019年3月31日).
・平野晋「ロボット法と学際法学:〈物語〉が伝達する不都合なメッセージ」情報通信学会誌35巻4号109-14頁(情報通信学会, 2018年4月).
・平野晋「走行情報のプライバシーと製造物責任と運転者の裁量」知財権フォーラム103号26~31頁(知的財産研究所, 2015年11月).
・平野晋「製造物責任(設計上の欠陥)における二つの危険効用基準~ロボット・カーと『製品分類全体責任』~」NBL 1040号43~57頁(商事法務, 2014年12月).
・平野晋「適正維持・通常使用中にエンジンが著しく出力低下し落着した自衛隊ヘリコプターの製造物責任訴訟に於いて、具体的な欠陥の主張立証がなくても足りるとされた事例 ~「危険な誤作動・異常事故」に於ける欠陥等の推認~」判例評論(判例時報)2229号136頁(判例時報社, 2014年10月).
・平野晋「製造物責任法リステイトメント起草者との対話:日本の裁判例にみられる代替設計「RAD」の欠陥基準」NBL 1014号(商事法務, 2013年12月).
・平野晋「ロボットPL:ロボットの安心・安全と製造物責任」総合政策研究(中央大学) 13号171~202頁(中大出版部, 2006年3月).
・「インタビュー/平野晋博士/ AIに常識や倫理観,感情は必要か」_in_『別冊ニュートン:ゼロから分かる人工知能』130~37頁(㈱ニュートンプレス, 2018年5月).
その他特記事項
コロナ禍対策の変動や受講生の理解度等も含む諸事情により、シラバス内容が修正される蓋然性があります。