シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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情報政策事例研究 | 2024 | 前期 | 火5 | 国際情報学部 | 大手 英明 | オオテ ヒデアキ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-IM3-IL22
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
政策の企画立案・調整・決定過程及び執行について基礎・共通的な一般論を学習したうえで、具体的な政策事例(教育や医療など各分野における情報通信技術(ICT)の利活用やサイバーセキュリティなど)を取り上げ、関係機関がどのような検討・手続を行って結論を出し、政策を実施しているのかを学び、議論を行う。
情報政策事例(立法、予算など)の紹介にあたり、実際に当該事例の立案等に従事している実務担当者の招聘も行うなど、政策立案過程や執行における実務の実態に触れられるようにする。
本講義では、具体的な政策事例の理解を深めて検証することなどを通じ、社会課題の解決に向けた各種政策に提案・議論し、考察を行う。
科目目的
この科目では、情報通信技術(ICT)の利活用やサイバーセキュリティなどに関する具体的な情報通信政策の課題への対応について、実際の政策の検討・立案・実施の過程を多面的に理解し、我が国(日本)が直面する具体的な社会課題について対応案を提案し、議論できるようにする。
個別の政策への評価・検討や政策立案過程に関する基礎・共通的な知識を身に着け、社会の様々な立場や場面で活用できるようになることを目的とする。
到達目標
1 講義中で紹介する政策事例について、その背景や検討過程などの実施経緯とその内容を正確に理解する。
2 各政策事例における課題、改善方策等を論理的に考察できるようになること
3 上記で培った能力を踏まえ、自ら社会課題に対応する政策案を提案し、議論を通じて考察を深め、まとめられるようになること
授業計画と内容
第1回 :イントロダクション:過去の政策立案の背景となる社会課題や事案
第2回 :基礎・共通的な事項(1):立法事実把握、関係者の検討、審議会等
第3回 :基礎・共通的な事項(2):内閣法制局審査、国会審議等
第4回 :基礎・共通的な事項(3):予算・税制、政策のレビュー方法
第5回 :実務担当者講義(1):事例①:GIGAスクール構想の推進(教育分野)
第6回 :事例①に関する議論
第7回 :社会課題について政策案に関する議論(1):予算の観点
第8回 :実務担当者講義(2):事例②:法改正実務とデジタル庁の取組(サイバーセキュリティ、デジタル庁)
第9回 :事例②に関する議論
第10回:社会課題について政策案に関する議論(2): 立法、その他の観点
第11回:これまでの補足、関連するトピック解説等
第12回:実務担当者講義(3)(事例③:健康・医療ビックデータ活用の推進(次世代医療基盤法)について)
第13回:事例③に関する議論
第14回:総括、これまでの議論を踏まえた全体的な考察
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 取り上げた具体的政策事例やその他の社会課題について、端的に正確な資料作成や表現を行って学生間での議論を活性化させ、講義内で得られた知見等を踏まえて更なる考察により独自の観点を加えてまとめることができているかどうかを評価します。 |
平常点 | 50 | 積極的に講義内でのグループワークに貢献し、発表や質問を行うこと。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当教員は2010年から2013年までの間、総務省情報流通行政局係長・課長補佐として教育ICT利活用促進関係予算施策の企画立案に従事し、また、2013 年から同省総合通信基盤局課長補佐として電気通信事業法に基づくガイドラインの策定、電気通信事業法の改正に向けた検討などに携わった。2015年から2017年までの間、内閣府(2016年まで内閣官房)知的財産戦略推進事務局においてデータ・AIに関する検討に携わった。2017年からNISC参事官補佐として、2018年のサイバーセキュリティ戦略の策定において全体とりまとめを担当するとともに、同年のサイバーセキュリティ基本法改正などに携わった。また、2019年から2021年までの間、総務省情報流通行政局総務課統括補佐として放送政策全体統括等に従事した。さらに、2021年から2022年までの間、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)ナショナルサイバートレーニングセンター副センター長としてサイバーセキュリティ人材育成施策を担当した。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
以下の回では総務省等の実務担当者による解説及び質疑応答を行う。
第5回:事例①:GIGAスクール構想の推進について
文部科学省初等中等教育局修学支援・教材課情報教育振興室 神谷征彦 室長
[関係する具体的な職歴]
2006年総務省入省。電気通信事業分野における権利侵害対策(偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)の交渉など)、競争政策、放送コンテンツの海外展開支援などを担当。内閣官房IT総合戦略室ではデジタル庁の設立に従事。2023年7月から、文部科学省初等中等教育局において、全国の小中学校等に学習用のコンピュータと高速ネットワークを整備し、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指す「GIGAスクール構想」の推進など、教育のICT化に向けた企画立案等に従事
第8回:事例②:法改正事例、デジタル庁の取組について
デジタル庁 神谷英亮 政策専門ユニット長
[関係する具体的な職歴]
読売新聞東京本社(販売局)勤務を経て、2006年法務省に入省。省内全体の法案審査、政務官秘書官等に従事。出向した内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターでは、サイバーセキュリティ基本法改正の法案策定から施行までを担当。2020年11月に法務省を退職し、スタートアップ企業のPublic Affairs室長を経て、2023年10月デジタル庁へ入庁。弁護士や公務員経験者等から構成されるユニットの長として新たな政策形成に取り組んでいる。
第12回:事例③健康・医療ビックデータ活用の推進(次世代医療基盤法)について
内閣府健康・医療推進戦略事務局 網野尚子 企画官
[関係する具体的な職歴]
2005年総務省入省。2023年7月から、内閣府健康・医療戦略推進事務局において、健康・医療ビックデータを広く利活用し、医療分野の研究開発や新産業の創出を促進することを目的とした次世代医療基盤法のガイドライン等の策定、認定実務等に従事
この他、担当教員は、実際に総務省等の実務担当者として政策形成や実施に携わった経験を踏まえ、説明を行う。
テキスト・参考文献等
担当教員が授業内で適宜指示する。
その他特記事項
なし
参考URL
なし