シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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システムコンサルティング技法 | 2024 | 前期 | 月5 | 国際情報学部 | 角田 篤泰 | カクタ トクヤス | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-PI3-SE05
履修条件・関連科目等
「プログラミング基礎」が既修であることを前提として講義を進める。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本学部では、ソフトウェア開発においてIPAが提示した「共通フレーム」における「超上流工程」のスキルを重視している。本科目ではこの工程における重要なスキルである、システム化の方向性、システム化計画、要件定義について業務に耐えうる水準の知識とスキルをシステムコンサルティングの基盤として理解する。その知識やスキルとは将来、システムコンサルタントを目指す受講者はもちろん、IT企業おける情報化戦略や情報化の企画立案、要件定義といった重要工程を担う人材には身につけていて欲しいものである。これらはIT企業以外でもCIOやその補佐に当たる業務に携わる場合にも必要になる基礎知識である。また、システムコンサルティング自体の基本知識については、「システム」の理論やコンサルティング一般の方法論とともに学ぶ。なお、「共通フレーム」に至る各規格群(ISO/IEC12207、ISO/IEC15288)との関係についても理解を深める。本科目では、このほか、オブジェクト指向の思考方法やUMLの記述実習なども行う。
科目目的
ITシステムの開発工程において、システムをそのライフサイクルを念頭において企画し、方向性を定め、要件定義を行う「超上流工程」についての基本を学ぶことが目的である。そこでは、システム全体を俯瞰し、システム導入先の周辺環境と整合させ、かつ、その導入意図や戦略との関係でシステムを設計する技術が必要である。さらに、運用管理はもちろん、契約管理などを始め、システムを組織や社会の活動の中で有効に生かす方策や技能も必要である。これらを学ぶに当たっては、単なる技法の寄せ集めとしてではなく、国際標準に紐づく形で共通フレームを意識して習得する必要がある。さらに、「コンサルティング」や「システム」というもの自体を理解をすることも目的とする。
到達目標
共通フレームに現れる概念や手法のうち、実践的な開発・運用における「超上流工程」の部分に関わる基本的なものについて習得する。
「コンサルティング」そのものや「システム」思考の基礎知識と典型的技法についても理解する。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション:システムコンサルティングのイメージ
第2回 システムとは
第3回 システム開発工程の流れと概要
第4回 共通フレーム
第5回 超上流工程
第6回 戦略的発想とライフサイクルの管理
第7回 要求分析・要件定義
第8回 要件定義の問題点
第9回 要件定義の実例
第10回 要件定義の技法
第11回 システムコンサルティングの基本技法:問題分析
第12回 システムコンサルティングの基本技法:質問
第13回 システムコンサルティングの技能
第14回 まとめ:最終課題の説明
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 最終課題のレポートを課す。課題の回答として正解であることはもちろん、講義内容に沿ったものであることが求められる。また、指示された条件をクリアできていないと得点できない。 |
平常点 | 70 | 必要に応じて、manaba機能を用いた小テストやレポートを課す。その全合計ポイントを成績の70%に換算する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席が10回未満の場合は単位を取得できない。また、欠席については事前連絡を原則とし、無断欠席が続く場合は直ちに不合格とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
個別講評ではなく、総評として行う。個別の質問はmanabaのコレクションを用いることとする。なお、入校可能な時期の場合は、オフィスアワー時に研究室に来室して直接質問しても構わないが、密状態を避けるため、必ず、1名ずつ来室すること。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
受講生数が約10人以下の場合は、対話型授業となり、毎回の質疑応答や発言が必須となり、チーム開発についての簡単な実習を行う場合もある。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
受講生数が非常に少ない場合(10名以下)は、担当教員が準備するWebサイト上のシステムを使った実習も一部取り入れる。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
民間企業にてAIシステムやOS開発のエンジニア及びプロジェクトマネージャを担っていた。また、研究・教育の職とは別に、北海道大学・名古屋大学の法学部におけるネットワークシステムや教育システム導入プロジェクトなどを技術的に主導してきた。さらに、現在も一般利用されている大学や政府系機関のシステムの開発・導入のプロジェクト管理を経験した実績もある。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
システム科学専攻の理論的背景を基に、種々のITシステムについて、プロジェクト管理や運用を担当してきた事務経験から、必要に応じて、現実のケースやその対応について紹介する。
テキスト・参考文献等
■テキスト■
テキストは用いない。配布資料で代替する。
■参考文献■
講義の中で頻繁に参照する重要文献は次の通り:
『共通フレーム2013: ~経営者、業務部門とともに取組む「使える」システムの実現~』独立行政法人情報処理推進機構, 2013年。
※内容について必要に応じて授業で解説するので、より深く自習する者のみの参考文献とする。
その他特記事項
座学も多いが、実習をともない、対話式のスタイルで進行するため、受講生の負担も大きい。とくに、システム開発経験や個人利用以外のシステム運用経験を前提にするため、そのような前提に当てはまらない者は対話ができず、平常点を与えることが困難となる。そこで、事前にmanabaの本コースのニュースで提示される、授業進行方法や詳細な履修条件を参照すること。