シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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技術戦略論 | 2024 | 後期 | 月2 | 国際情報学部 | 吉岡 徹 | ヨシオカ トオル | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-MN3-SE09
履修条件・関連科目等
履修条件はとくにありません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
技術は企業の競争力の源泉の一つです。技術を顧客価値へと変換するプロセスがどうあるべきか、企業における技術のマネジメントのあり方、経営資源の配分方法、組織構成などについて様々な角度から焦点を当てて論じます。現実の事例の分析を加えることによって、具体的かつ身近な問題としての理解ができるようにします。事例では特に情報技術の活用について焦点を当てます。授業は講義形式で実施し、技術戦略に関する基本的な知識の修得を目標とします。
科目目的
技術を中心に据えた事業戦略の分析・立案に必要な思考の軸を学びます。「なぜあの会社の事業は社会に価値を持続的に生み出し続ける(儲かっている、製品・サービスが評価され続けている)ことができているのか」という問いに答えるための着眼点が得られます。
到達目標
上記の視点を身に着け、技術を活かす戦略を立案できるようになることが目標です。
なお、この講義で身につけたことは就職活動でよく行われる企業分析に役立ちますし、その後、事業戦略立案や起業に携わるときにも有益です。
授業計画と内容
この授業科目は多くの受講生の皆さんには馴染みのない経営学に属するものです。それぞれのペースで学習することも重要と考え、対面授業とオンデマンド型(動画配信)授業を併用して実施します。対面の回では演習の機会を多めに、オンデマンドの回では自習の参考となる情報を多めに提供します。
第1回 :【対面】技術戦略の前提:経営戦略・事業戦略の必要性
− 戦略の定義
− 技術が起点となる戦略の特徴
− 事例:AppleとGoogleのスマートフォン事業
第2回 :【対面】技術戦略の前提②:競争優位の実現
− 良い戦略の条件
− SWOT分析
− 演習:SWOT分析
第3回 :【オンデマンド】戦略の型①:差別化戦略
− 差別化戦略の特徴
− マーケティング・ミックスとの関係
− IT分野での差別化戦略の特徴
− 演習:ベンチマーキング(第2回事例を題材に、競合企業の事業を調査し、比較分析)
第4回 :【対面】戦略の型②:コストリーダーシップ
− コストリーダーシップ戦略の特徴
− IT分野でのコストリーダーシップ戦略の位置づけ
− 事例:Googleの検索、メールサービス事業
− 前回演習解説
第5回 :【対面】戦略の型③:創発的戦略
− 創発的戦略の特徴
− 事例:キーエンス
− IT分野での創発的戦略の位置づけ
第6回 :【オンデマンド】技術戦略検討の素材①:顧客価値
− 顧客価値の捉え方
− 事例:TikTok
− 顧客価値の発想法
− 演習:カスタマージャーニーマップ
第7回 :【対面】技術戦略検討の素材②:自社・競合の強みの分析
− 外部環境との関係性(業界の収益性、競争ポジション)
− 対象企業の経営資源の分析
− 技術パラダイム、アーキテクチャという考え方
第8回 :【対面】技術戦略検討の素材③:技術資源の分析
− 経営資源としての技術の捉え方
− 技術分析の手法
− 演習:特許の検索
第9回 :【オンデマンド】持続的な収益化①:ビジネス・モデル
− ビジネスモデルの特徴
− IT分野での意義
− 演習:事業立案(顧客観察+顧客価値)
第10回 :【対面】持続的な収益化②:オープン戦略、標準化戦略
− オープン化の意義
− 事例: Linux、トヨタの特許開放
− 標準化戦略
第11回:【対面】持続的な収益化③:プラットフォーム・ビジネスの成長要因
− プラットフォーム・ビジネスの爆発的成長の要因
− 事例:UberEatsと出前館
第12回:【オンデマンド】持続的な収益化④:プラットフォーム・ビジネスの失敗要因
− プラットフォーム・ビジネスの失敗要因
− 事例:ジモティーとメルカリアッテ
第13回:【対面】技術戦略のトレンド①:データビシネス
− データビジネスの特徴
− 事例:Facebookの広告事業、航空業界のCirium
第14回:【対面】技術戦略のトレンド②:社会課題解決
− 社会課題解決とビジネス
− 事例:Global Mobility Service、WOTA
※扱う事例は履修者の希望や社会状況に応じて変更する可能性があります
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・オンデマンドの回では、各回とも200字程度の授業まとめを提出してください。これで出席点とします。
・リアルタイム型の回では簡単な演習を行うことがあります。できるだけビジネス関連のニュースに注意を払っておいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 4000字程度のレポートを課す予定ですが、受講生が100名を超える場合、教場テストに変更する可能性があります。なお、学生相互の学びに繋げるため、レポートはグループでの提出を許容する予定です。その代わり、グループでの提出の場合はより質の高いものであることを求めます。 |
平常点 | 50 | 講義への参加状況(質問等)、および、オンデマンドの回での授業終了後のレポートを原則とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
・部分的に反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)を取り入れます。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【教科書】
網倉久永, 新宅純二. 2011.『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』日本経済新聞出版.
【参考文献】
近能善範, 高井文子. 2011.『コア・テキスト:イノベーション・マネジメント』新世社.
マイケル A.クスマノ, アナベル ガワー, デヴィッド・B.ヨッフィー. 2020.『プラットフォームビジネス−デジタル時代を支配する力と陥穽』有斐閣.
その他特記事項
教科書は情報技術分野を主にしたものではありませんが、記載されている理論は情報技術分野においても当てはまるものです。講義ではデジタルデータを起点としたプラットフォームビジネスなど、直近の事例を中心に紹介し、教科書と情報技術の間をつないでいきます。なお、マイケル・クスマノ教授の本は参考文献ではありますが、おそらく受講生の皆さんの関心に沿うと思います。積極的に読んできてください。