シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊講義(法情報学①) | 2024 | 前期 | 金2 | 法学研究科博士課程前期課程 | 櫻井 成一朗 | サクライ セイイチロウ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-OL5-205L
履修条件・関連科目等
①法律基本科目(憲法、民法、刑法)については学修していることが望ましいです。また、並行して「論理学」あるいは「AIリテラシー」について履修していることが望ましいですが、必須ではありません。②法情報学、とりわけ法的推論、法的思考に関連する研究テーマに最適ですが、自らの思考について客観視できるようになることは、法学一般の研究に役立ちます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
社会は今、情報学によるAI及びDXの採用で大きな変革を迎えようとしています。特に21世紀に登場した深層学習(ディープラーニング)は、これまでトイプロブレムにしか適用できなかったAIを、実用的な道具に発展させました。深層学習は自然言語処理に対しても大きな変革をもたらし、機械翻訳や音声認識などは人間に匹敵する能力を発揮します。一方、米国の法科大学院では、リーガルテック(legalTech)が正規の科目となり、米国の法律実務においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が起きつつあります。少なくとも米国では、情報学が法学そして法律実務に対して変革を巻き起こしつつあるのです。このような現状を踏まえ、本科目では、前期はAI及びDXの現状を紹介しながら、形式論理を用いた法的推論や法的思考に関する検討を通じて、法的推論や法的思考の理解を深めます。基本的な知識を学修したのちに、後期は法律人工知能に関する英語の先端論文を読み、発表してもらい、それを通じて最先端の法情報学を学びます。
科目目的
本科目では、情報学の手法により法律家の法的推論や法的思考についての理解を深め、法の理解を探求します。情報学においてはAI、とりわけ深層学習の進展は著しく、深層学習を応用した自然言語処理技術の進歩によりAIが人間に匹敵する能力を発揮するようになりました。本科目の目的は、最新の深層学習や自然言語処理技術を学びつつ、21世紀の現代社会における法情報学について学ぶことです。本科目の意義は、法的推論や法的思考に対する理解を深めることを通じて、法の理解を深めることです。
到達目標
法学と情報学の交わりは多岐に渡りますが、本科目では法的推論や法的思考に関するAI的接近に関する研究論文あるいはAIと法に関する研究論文を理解できるようになることを到達目標とします。最終的には、法情報学を学ぶことを通じて、自らの研究テーマについて異なる視点からも探求する能力を養成します。
授業計画と内容
【第1回】イントロダクション(AI入門)
【第2回】深層学習と自然言語処理
【第3回】リーガルテックとDX
【第4回】形式的証明法
【第5回】演繹と法的推論
【第6回】論理プログラミング
【第7回】宣言的問題解決
【第8回】法的推論と非単調推論
【第9回】法的推論と仮説推論(アブダクション)
【第10回】判例に見る仮説推論
【第11回】数理議論学の基礎
【第12回】数理議論学の応用
【第13回】法的推論の実現
【第14回】前期のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
①毎回授業前に提示する資料に目を通した上で授業のポイントについて理解した上で出席すること。また、授業中に提示した課題に必ず取り組むこと。
②授業外での質疑についてはmanabaの掲示板や、メールにてsakurai@law.meijigakuin.ac.jpに質問してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 授業内での発言やプレゼンテーションにより総合的に判断する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
原則としてmanabaによりフィードバックしますが、必要に応じてメールによるフィードバックも行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
インターネット上の最新の情報にアクセスするために、PCあるいはタブレット端末を活用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
①テキストは使用せず、配布資料により代替する。自学用の参考文献として、高橋文彦著「法的思考と論理」成文堂
ISBN978-4-7923-0550-3