シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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民法特講1(G) | 2024 | 前期 | 木4 | 法学研究科博士課程前期課程 | 笠井 修 | カサイ オサム | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-CI5-401L
履修条件・関連科目等
本科目は、契約法に関連したテーマを比較法的観点から研究しようとする受講生に対し、アメリカ契約法の構造に関する説明とともに、研究論文のテーマの設定のしかた、リサーチの進め方、執筆の手順などについて実際的な示唆を提供するものです。
民法全般に関する、法学部卒業程度の一般的知識を習得していることが前提となります。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
下記に指示したテキストにつき、1回の授業あたり1テーマを取り上げ、授業では、受講生の報告を基に、問題の背景と日本契約法およびアメリカ契約法の現状を教師が説明します。そのうえでクラス全体で、両国における契約法規範の相違の必然性を議論し、望ましい契約紛争の解決のあり方を検討します。
その中で、比較法的手法によって論文を書こうとする場合の方法論について、具体的な進め方と研究技術を提案します。
科目目的
日本契約法に関する深い理解を獲得するとともに、アメリカ契約法学における学問的議論の現状を正確に把握し、両国において法的問題に対する対応が異なる場面の背景と必然性を読み取ることが目標です。日本における個別の問題点につき、それがアメリカではどのように扱われ、どのように解決が図られているかを見通すための基礎知識を獲得します。
あわせて、比較法的観点から研究論文を執筆するうえでの様々な手法を身につけることを目指します。
到達目標
日米契約法の基本的な構造の違いを理解するとともに、比較法的な研究論文を執筆するうえでの研究手法を修得することが目標です。修士論文の執筆にとって必要十分な知識と技術を獲得します。
授業計画と内容
以下のような順番で、各テーマを取り上げます。
第1回 約束の拘束力に関する諸理論―――交換取引の本質、約因と形式
第2回 約束の拘束力に関する諸理論―――契約と贈与
第3回 約束の拘束力に関する諸理論―――合意の形成
第4回 約束の拘束力に関する諸理論―――約束的禁反言
第5回 契約違反に対する救済―――賠償されるべき損害の範囲
第6回 契約違反に対する救済―――賠償されるべき損害額の算定
第7回 契約違反に対する救済―――免責
第8回 契約違反に対する救済―――特定履行
第9回 契約違反に対する救済―――原状回復
第10回 契約の規制―――非良心性
第11回 契約の規制―――附合契約
第12回 契約の規制―――信義誠実
第13回 契約の解釈
第14回 リスクの分配―――錯誤、フラストレーション
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回、テキストの指定された箇所と配布された資料を読み、対応する日本法の問題点を検討することが求められます。
予習等について質問がある場合には、予約のうえオフィスアワーを利用することができます。連絡用のメールアドレスは、第1回の授業の際に連絡します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 授業において口頭のレポートを担当したテーマにつき、その内容を十分に理解し、適切な手法で分析して結論に到達したかによって評価する。 |
平常点 | 50 | 各回のテーマにつき、積極的に議論に参加し自己の見解を展開したかによって評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
・テキスト
ロバート・ヒルマン=笠井修(編著)『現代アメリカ契約法』(弘文堂、 2000年)
・参考文献
必要に応じて印刷配布します。
その他特記事項
常に積極的に自分の頭で考え、自分の結論を導く練習を心がけることが、よい研究を進めるうえで重要なことです。