シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
政治社会学特講2(A) | 2024 | 後期 | 木2 | 法学研究科博士課程前期課程 | 井口 暁 | イグチ サトシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-PS5-714L
履修条件・関連科目等
毎日のニュースにふれながら、現代社会における災害や事故、環境問題と政治の関係について関心を持つことを求めます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
科学技術の飛躍的な発展により、私たちの暮らしは、かつてなく快適で安全で豊かになっている一方、原発事故や放射能汚染、相次ぐ薬害・公害問題、深刻化する地球環境問題などの新たな脅威にも直面しています。こうした科学技術に伴う「リスク」や「不確実性」「未知の危険性」をめぐり、社会的・政治的・科学的な論争や課題が表面化しており、新たな政治の役割と対処が求められています。
本科目では、「リスク社会」と呼ばれる現代社会において深刻化する諸問題と政治的対処のあり方について検討するために、リスク社会学の主要な理論的視点について学び、具体的な社会問題を分析するための視座を獲得することを目指します。
政治社会学特講1では、理論編として、リスク社会学の主要理論について学び、政治社会学特講2では、事例編として、その視点をもとに、具体事例について検討します。
科目目的
本科目では、リスク社会における諸問題と政治のあり方について検討するために、リスク社会学の主要理論について学び、具体的な社会問題を理論的に分析するための見取り図を獲得することを目指します。履修者各自が自らの研究を進めるために重要となるリスク社会学の理論研究と事例研究を紹介します。
到達目標
リスク社会における諸問題と政治の役割について政治学、社会学の視点から考えるうえで基礎的となる文献を読み、各研究の背景、目的、着眼点、時代診断の内容、意義等を含めて体系的に理解してまとめることができるようになる。その内容を活かして、自らの研究を計画的に進めることができるようになる。
授業計画と内容
第1回目 導入:リスク・不確実性・非知の社会学の視座
第2回目 原発事故をめぐる論争の構図:新しいリスクと組織化された無責任
第3回目 原発事故をめぐる論争の構図:政府事故調と国会事故調の比較
第4回目 原発事故をめぐる論争の構図:責任追求のパラドクス
第5回目 放射線被曝をめぐる論争の構図:非知社会学の視座
第6回目 放射線被曝をめぐる論争の構図:科学的知識と専門家の言説
第7回目 放射線被曝をめぐる論争の構図:「既知の未知」vs「未知の未知」
第8回目 匿名出産・匿名精子提供をめぐる論争の構図:生殖・家族における匿名性
第9回目 匿名出産・匿名精子提供をめぐる論争の構図:匿名出産をめぐる対立軸
第10回目 匿名出産・匿名精子提供をめぐる論争の構図:匿名精子提供をめぐる対立軸
第11回目 デザイナー・ベビー論争の構図:生殖補助医療と生命倫理
第12回目 デザイナー・ベビー論争の構図:生の被贈与性
第13回目 デザイナー・ベビー論争の構図:非知に基づく連帯
第14回目 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 100 | レジュメ作成やレポートなどの課題提出、ディスカッションでの発言など授業への取り組みの姿勢を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業内でレジュメや資料を提示・配布します。
参考文献は以下のとおりです。
Jens O. Zinn, Social Theories of Risk and Uncertainty, Malden, MA : Blackwell Pub., 2008(9781405153362)
ウルリッヒ・ベック、東廉・伊藤美登里訳、『危険社会――新しい近代への道』、法政大学出版会、1997年(9784588006098)
ニクラス・ルーマン、小松丈晃訳『リスクの社会学』、新泉社、2014年(9784787714077)
井口暁、『ポスト3・11のリスク社会学――原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか』、ナカニシヤ出版、2018年(9784779513930)