シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ポリティカルエコノミーⅡ | 2024 | 後期 | 水2 | 経済学研究科博士課程前期課程 | 鳥居 伸好 | トリイ ノブヨシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EG-TE5-006L
履修条件・関連科目等
マルクス経済学・マクロ経済学・ミクロ経済学に関する基本的な知識を持っていることが望まれますし、ポリティカル・エコノミーⅠを履修していることが望まれますが、それらは、必ずしも履修に際して必要とされる条件ではありません。
資本主義社会における経済的諸問題に関心を持ち、諸問題について、マルクス経済学を中心とするポリティカル・エコノミーの見地から構造的に解明しようとする意欲のある方、あるいは、経済的諸問題を構造的に解明することを研究テーマとしている方であれば、どなたも履修可能です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この講義では、マルクス経済学を中心とするポリティカル・エコノミーの見地から、資本主義を考察対象とし、資本主義における経済的な動き、あるいはその法則性の解明を試み資本主義の発生・発展・変化の必然性を明らかにするとともに、資本主義における経済的な動き、あるいはその法則性の解明を試みます。
「ポリティカル・エコノミーⅡ」は、『資本論』でいえば、第2巻・第3巻の内容について検討する予定です。授業の進め方と進度は、受講生の理解度および問題関心の程度によって調整します。
科目目的
この講義の拠り所とする経済学は、マルクス経済学を中心とするポリティカル・エコノミーですが、その経済学は、他面では、人間の基本的人権に「こだわる」経済学、あるいは「時の流れを読む」経済学と捉えることができます。このような点から、本講義は、資本主義の経済学的探究を念頭に置きつつ、人間の基本的人権という普遍的な基準を柱として、資本主義の歴史的な発展・変化を哲学的な手法を用いて解明するとともに、ポリティカル・エコノミーの基礎理論に基づいて、現代資本主義の諸問題を解明するための基盤を形成することをねらいとします。
到達目標
ポリティカル・エコノミーの見地から資本主義分析を行う際の基礎理論の習得を踏まえ、学問上の裏付けも持った歴史観や哲学的方法、人間社会を見る際の軸のブレない視点に基づいて、資本主義においてその時々に直面する経済の動きを分析し、経済的な運動法則を明らかにすることが最終目的となります。
また、本講義で示す基礎理論の現代資本主義における妥当性を吟味することによって、現代資本主義における具体的な諸問題の解決策を導き出すことを、この科目の到達目標とします。
この目標を達成するためには、『資本論』関連の経済理論の中級レベル以上の理解力が必要とされます。
授業計画と内容
授業内容は以下の通りです。基本的にはテキストや参考文献を中心に、解説と議論を行います。
Ⅰ 資本蓄積と再生産
第1回 社会的総資本の動きと単純再生産
第2回 社会的総資本の動きと拡大再生産
第3回 再生産表式とその現代的意義
Ⅱ 諸資本の競争と価格・利潤
第4回 資本と利潤
第5回 平均利潤率と生産価格
第6回 市場価値の形成と特別剰余価値
第7回 利潤率利潤率の傾向的低下の法則
第8回 利潤率の傾向的低下の法則の現代的意義
Ⅲ 利潤の分配と再生産
第9回 商業資本と商業利潤
第10回 利子生み資本と利子
第11回 土地所有と地代
Ⅳ 現代資本主義における諸問題
第12回 グローバル化と経済格差
第13回 グローバル化と地域経済
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業後に内容を振り返るとともに、現在の経済社会との関連性について、その都度でよく検討すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 期末レポート |
平常点 | 60 | テキストの理解度、議論への参加、授業への出欠 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、カール・マルクス『資本論』(使用訳本については、初回の授業で指示)または鳥居伸好著『なるほどマル経 – 時の流れを読む経済学-』(桜井書店2020年)を使用します。
どちらのテキストをどのように使用するのかは、初回の授業で指示します。
参考文献は、授業中に適宜指示しますが、以下の文献が授業全体を把握するうえでの参考文献となります。
大谷禎之介『社会経済学』(桜井書店2001年)
デヴィッド・ハーヴェイ著森田・大屋・中村・新井田訳『資本の<謎>』(作品社2012年)
鶴田満彦・長島誠一編著『マルクス資本主義と現代資本主義』(桜井書店2015年)