シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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マクロ動学Ⅱ | 2024 | 後期 | 金3 | 経済学研究科博士課程前期課程 | 古川 雄一 | フルカワ ユウイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EG-TE5-104L
履修条件・関連科目等
本科目単体でも理解できないことはないですが、マクロ動学Iを受講していたほうが理解は深まると思います。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
講義は日本語で行いますが、英語による質疑応答は歓迎します。
授業の概要
本科目は、マクロ動学の1分野である「経済成長論」に焦点を当て、経済成長論に関する基本的な知識の体得を目指す。経済成長は(一人当たり)GDPの拡大として定義されるが、経済成長論の主たるテーマは次の問いに集約される:「経済成長を達成している国もあれば、長期にわたり成長していない国もある。厳然たる事実である国家間の所得格差はなぜ存在するのか?」
この問いに答えることの重要性は明白だが、ここでは、経済成長論分野の a leading economist である MITの Daron Acemoglu による説明を紹介しておく。
国家間の所得格差を気にするべきなのだろうか。答えは疑いなくイエスである。所得水準が高いということは、生活水準が高いことの表れだから。とはいえ、現代経済における経済成長は、少なくともある範囲において、環境汚染を悪化させたり、個人が望む生活水準をより高いレベルに引き上げる可能性があるので、同じ消費を行ったとしても、以前ほどは個人を幸福にしないかもしれない。しかし、結局のところ、豊かな先進国と後進国を比べると、生活の質、生活水準、健康状態について、いまだ激しい差が存在している ("Intoroduction to Modern Economic Growth" Chapter 1 より、古川意訳)
本科目では、経済成長論の基礎モデルである新古典派成長モデル(ソローモデル、ラムゼーモデル)を復習したうえで、その背後にある数学的な構造についての理解を深めていく。そのうえで、80年代後半以降登場した代表的な経済成長モデル(内生的成長モデル)について学修していく。これらのモデルを使って、国家間の格差について分析する技術の獲得を目指す。
注: 内生的は endogenous (caused by factors inside the organism or system, Webster) の訳。ここでは、マクロ経済の内部に存在する要因(技術、選好、政策、制度、地理、文化等)によって引き起こされるの意。
科目目的
マクロ動学の一分野である経済成長論に関する知識を体得し、それを使って自ら経済分析できる応用力を養うことが、この科目の目的である。
到達目標
この科目の到達目標は、最先端のマクロ経済学研究を理解するうえで必要不可欠である動学分析の知識を獲得し、それを自ら応用できる力を身に着けることである。具体的には、
1.ラムゼーモデルの解法、均衡の特徴づけを行える技術を獲得
したうえで、それと双璧をなす
2.世代重複モデルの解法、均衡の特徴づけを行える技術を獲得
することが目標である。
授業計画と内容
1.マクロ動学の基礎(復習): ソローモデルとラムゼーモデル
2.ラムゼイ・モデルの拡張
3.一部門内生的成長モデル
4.二部門内生的成長モデル(特に人的資本の役割に注意して)
5.均衡分析
6.技術進歩:製品のバラエティ拡大モデル
7.均衡分析
8.技術進歩:製品の質向上モデル
9.均衡分析
10: 中間総括
11:経済成長の決定要因1: 制度、地理、文化
12: 経済成長の決定要因2: 制度、地理、文化
13: 期末試験
14: 解説とまとめ(経済成長論の今後)
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
課題に真剣に取り組むことが最大の時間外学修の方法だと考えています。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 授業の内容を理解しているかどうかを問う問題 |
平常点 | 50 | 授業中の積極性と課題によって評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
manaba で配布する講義資料をテキストの代わりとします。参考書、参考論文については、授業中に適宜指示します。