シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅰ(労働市場分析) | 2024 | 通年 | 水2 | 経済学研究科博士課程前期課程 | 阿部 正浩 | アベ マサヒロ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EG-OM5-201S
履修条件・関連科目等
労働経済学や人的資源理論に興味を持つ学生。ただし、修士論文のテーマが労働経済学や人的資源理論と必ず一致せずとも良い。労働市場分析ⅠとⅡを履修することが望ましく、ミクロ経済学やマクロ経済学、統計学、計量経済学の基礎的知識があればなお良い。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
修士論文を書くために必要な能力は、各自の問題意識の醸成とその問題に関する先行研究のサーベイ、そして仮説を検証するためのデータ分析や聞き取り調査が必要となる。この演習Ⅰでは、今年度は履修者全員で賃金決定に関する研究を行いながら、履修者の問題意識醸成と先行研究のサーベイを主眼に置き、各自の研究者としての能力向上を図ることにする。なお、演習では教員の講義はせず、履修者による報告を主とする。
科目目的
修士論文を作成するために必要な文献をサーベイすると同時に、論文作成に必要なスキルを会得することが目的である。
到達目標
修士論文の作成に必要なスキルを会得することが到達目標である。
授業計画と内容
前期の目的は、(1)各自の研究プロポーザルを明確にすること、そして(2)関連する先行研究をまとめて行うべき分析を明確にする、という2点とする。 後期の目的は、(1)夏期休暇中に各自が進めた研究を報告してもらい、(2)論文をまとめる、という2点を目的とする。
授業計画
(履修者と相談の上で決めるが、基本的には以下のように進めて行きたい。)
第1回 イントロダクション(授業計画などを説明)
第2回 研究プロポーザルの書き方
第3回 履修者による研究プロポーザルの発表
第4回 参考文献の渉猟方法
第5回 参考文献の輪読1(R.J.Wills."Wage determinants: A survey and reinterpretation of human capital earnings functions,"Handbook of Labor Economics Vol.1(Chap.10),1986.)
第6回 参考文献の輪読2(A Weiss ‘Human capital vs. signalling explanations of wages,’ The Journal of Economic Perspectives 9 1995)
第7回 参考文献の輪読3(SE Black, LM Lynch ‘Human-capital investments and productivity,’The American economic review 86, 1996)
第8回 参考文献の輪読4(野田知彦「賃金構造と企業別労働組合」日本経済研究35号、1997年)
第9回 参考文献の輪読5(中田喜文「日本における企業間賃金格差の現状」日本労働研究雑誌449号、1997年)
第10回 参考文献の輪読6(佐野晋平「男女賃金格差は嗜好による差別が原因か」日本労働研究雑誌540号、2005年)
第11回 参考文献の輪読7(阿部正浩「男女の雇用格差と賃金格差」日本労働研究雑誌538号、2005年)
第12回 参考文献の輪読8(宮澤健介「戦後日本における人的資本の計測」フィナンシャル・レビュー 2016.11)
第13回 参考文献の輪読9(J Mincer, Y Higuchi ‘Wage structures and labor turnover in the United States and Japan,’Journal of the Japanese and International Economies 2, 1988)
第14回 参考文献の輪読10(齋藤隆志「企業内賃金格差が労働者の満足度・企業業績に与える影響」日本労働研究雑誌2016年)
第15回 研究成果の中間報告(夏期休暇中に行った研究について報告する)
第16回 賃金データの特徴(賃金構造基本統計調査の構造)
第17回 賃金データの特徴(毎月勤労統計調査の構造)
第18回 賃金関数の推定1(集計データの準備と加工)
第19回 賃金関数の推定2(集計データの推定)
第20回 賃金関数の推定3(集計データの結果の検討)
第21回 賃金関数の推定4(個票データの準備と加工)
第22回 賃金関数の推定5(個票データの推定)
第23回 賃金関数の推定6(個票データの結果の検討)
第24回 賃金関数の推定7(個票データの結果をシミュレーション)
第25回 分析結果のまとめ(賃金関数の推定結果をまとめる)
第26回 男女間賃金格差の推定1(Oaxaca推定の準備)
第27回 男女間賃金格差の推定2(Oaxaca推定)
第28回 分析結果のまとめ(Oaxaca推定の分析結果をまとめる)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
文献を事前に読んだり、データの整理および推定について授業中に適宜指示するので、必ず指示通りに予習しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 前期、後期のそれぞれについて、関心のあるテーマに関するサー縁論文を作成する。 |
平常点 | 50 | 授業中の発言。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
大学院教室で利用可能であれば、ICT機器を利用した授業を行う。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
R.J.Wills."Wage determinants: A survey and reinterpretation of human capital earnings functions,"Handbook of Labor Economics Vol.1(Chap.10),1986の他、.授業計画に記載した文献をテキストとする。事前に各自でダウンロードし、一読しておくこと。