シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅱ(労働市場分析) | 2024 | 通年 | 月3 | 経済学研究科博士課程前期課程 | 阿部 正浩 | アベ マサヒロ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EG-OM5-202S
履修条件・関連科目等
労働経済学や人的資源理論に興味を持つ学生。ただし、修士論文のテーマが労働経済学や人的資源理論と必ず一致せずとも良い。労働市場分析ⅠとⅡを履修することが望ましく、ミクロ経済学やマクロ経済学、統計学、計量経済学の基礎的知識があることを履修の条件とする。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
修士論文を書くために必要な能力は、各自の問題意識の醸成とその問題に関する先行研究のサーベイ、そして仮説を検証するためのデータ分析や聞き取り調査が必要となる。この演習Ⅱでは、履修者の仮説の設定とデータ分析や聞き取り調査に主眼に置き、各自の研究者としての能力向上を図ることにする。なお、演習では教員の講義はせず、履修者による報告を主とする。
科目目的
修士論文を作成できるスキルの会得が目的である。
到達目標
修士論文を作成できるスキルを会得することが到達目標である。
授業計画と内容
今年度は情報通信技術やAIが労働市場に与える影響をテーマとして修士論文の指導を行う。
前期は、(1)各自の研究プロポーザルを明確にすること、そして(2)関連する先行研究をまとめて行うべき分析を明確にする、ことを目的に指導する。
後期は、(1)夏期休暇中に各自が進めた研究を報告してもらい、(2)論文をまとめる、ことを目的とする。
第1回 オリエンテーション(修士論文研究計画の確認)
第2回 参考文献の輪読1(小川慎一[2015]「情報技術と人事労務管理ー2000年代以降を中心に」、『日本労働研究雑誌』663号)
第3回 参考文献の輪読2(中馬宏之[2015]「ICT/AI革命下でのベッカー流人的資本理論の再考ー自己変化能という視点から」、『日本労働研究雑誌』663号)
第4回 参考文献の輪読3(池永肇恵[2015]「情報通信技術の高度化と労働ー情報通信技術(ICT)が賃金に与える影響についての考察」、『日本労働研究雑誌』663号
第5回 参考文献の輪読4(池永肇恵[2009]労働市場の二極化 -ITの導入と業務内容の変化について」、日本労働研究雑誌584号)
第6回 履修者による研究進捗状況の発表1(修士論文の問題意識、目的についての報告)
第7回 参考文献の輪読5(DH Autor, LF Katz, AB Krueger [1998] "Computing inequality: have computers changed the labor market?" The Quarterly Journal of Economics 113(4), p.1169–1213.)
第8回 参考文献の輪読6(D Acemoglu [1998] "Why do new technologies complement skills? Directed technical change and wage inequality" The Quarterly Journal of Economics 113 (4), p.1055-1089)
第9回 参考文献の輪読7(DH Autor, LF Katz, AB Krueger [1998] "Computing Inequality: Have Computers Changed the Labor Market?" The Quarterly Journal of Economics 113 (4), 1169-1213)
第10回 参考文献の輪読8(D Acemoglu [2002] "Technical change, inequality, and the labor market." Journal of economic literature 40 (1), p.7-72)
第11回 履修者による研究進捗状況の発表1(修士論文の作業仮説についての報告)
第12回 参考文献の輪読9(T.F. Bresnahan, E. Brynjolfsson, LM. Hitt [2002] "Information Technology, Workplace Organization, and the Demand for Skilled Labor: Firm-Level Evidence" The Quarterly Journal of Economics 117(1), p.339–376)
第13回 参考文献の輪読10(DH Autor, F Levy, RJ Murnane [2003] "The skill content of recent technological change: An empirical exploration" The Quarterly Journal of Economics 118 (4), p.1279-1333)
第14回 参考文献の輪読11(A Bartel, C Ichniowski, K. Shaw [2007] "How Does Information Technology Affect Productivity? Plant-Level Comparisons of Product Innovation, Process Improvement, and Worker Skills" The Quarterly Journal of Economics 122(4), p.1721–1758)
第15回 研究経過の中間報告1(夏期休暇中に行った研究について報告する)
第16回 参考文献の輪読12(D Acemoglu, DH Autor [2011] "Skills, tasks and technologies: Implications for employment and earnings" Handbook of labor economics 4, p.1043-1171
第17回 研究経過の中間報告2(推定方法の確認)
第18回 参考文献の輪読13(G. Michaels, A. Natraj and JV. Reenen [2014] "Has ICT Polarized Skill Demand? Evidence from Eleven Countries over Twenty-Five Years" Review of Economics and Statistics 96(1), p.60-77)
第19回 研究経過の中間報告3(分析結果の報告)
第20回 参考文献の輪読14(A. Akerman, I. Gaarder, M. Mogstad [2015] "The Skill Complementarity of Broadband Internet" The Quarterly Journal of Economics 130(4), p.1781–1824
第21回 研究経過の中間報告4(修正した推定方法による分析結果の報告)
第22.回 参考文献の輪読15(JG. Altonji, LB. Kahn, JD. Speer [2016] "Cashier or Consultant? Entry Labor Market Conditions, Field of Study, and Career Success" Journal of Labor Economics 34(S1), p.S361-S401
第23回 研究経過の中間報告4(再修正した推定方法による分析結果の報告)
第24回 参考文献の輪読16(DJ. Deming[2017]The Growing Importance of Social Skills in the Labor Market, The Quarterly Journal of Economics, 132(4), p.1593–1640
第25回 研究経過の中間報告5(最終的な分析結果の報告)
第26回 研究経過の中間報告6(分析結果から得られた含意について議論)
第27回 研究経過の中間報告7(分析結果から得られた政策課題について議論)
第28回 研究経過の中間報告8(論文全体の見直し)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
報告用レジュメの作成と振り返りノートの作成をする。詳しくは授業中に説明する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 前期に提出する修士論文中間報告書。 |
平常点 | 50 | 授業中の発言。 |
成績評価の方法・基準(備考)
詳細は第1回目の授業で説明する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
大学院教室での利用が可能であれば、ICT機器を利用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
小川慎一[2015]「情報技術と人事労務管理ー2000年代以降を中心に」、『日本労働研究雑誌』663号の他、授業計画に記載した文献をテキストとする。事前に各自でダウンロードし、一読しておくこと。