シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国文学作家作品研究(2)B | 2025 | 後期 | 月2 | 文学部 | 山下 真史 | ヤマシタ マサフミ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL3-A404
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
1969年にデビューした井上陽水の歌詞のうち、主に1980~2000年くらいの歌詞を読み解いていきます。デビューからの10年間も陽水の歌詞の作り方を理解する上で重要なので、その期間も取り上げます。
流行歌は、時代を映す鏡でもありますから、時代状況を踏まえて、歌詞を分析していきます。また、歌詞は、音楽とともに理解する必要がありますので、必要に応じて音楽も聴いてもらいます。
井上陽水は、時代に対するスタンスが独特で、流行歌の歌い手でありながら、流行に懐疑的なところがあります。それは純文学のあり方にも近いものと言えそうですが、この授業では、そうした詩人井上陽水の姿勢も解明したいと思います。
歌詞の解釈については、先行研究に加え、受講生の考えも聞いて、理解を深める予定です。
科目目的
近現代文学の研究は、個々の作品の読みを深め、同時代との関係を見極め、文学史を構築することが大きな目標であると考えます。近代詩は、近年、朗唱されるものではなく、音楽の付いた歌詞に姿を変えている観がありますが、おそらくこの現象は、シンガーソングライターの出現によるものでしょう。
この授業では、シンガーソングライターの草分け的存在の一人でもある井上陽水の歌詞を分析することと同時に、詩人や詩の新しい動向を明らかにすることを目的とします。
到達目標
1970年の安保闘争以後、社会運動は下火になっていきます。80年代後半からはバブル経済が起こり、90年代以降は不景気が続くことになります。それぞれの時代の社会情勢がどのようなものであったかを理解し、その時代の井上陽水のスタンスについて理解します。時代背景を念頭に置いて、作品を読み解き、作家の問題意識を読み解くのは、国文学研究の基本ですが、それを歌詞に応用して、読み解く能力を高めます。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス、歌詞の分析方法について
第2回 井上陽水の人となりと作品について
第3回 アルバム『断絶』『センチメンタル』所収作品について
第4回 アルバム『氷の世界』所収作品について
第5回 アルバム『二色の独楽』『招待状のないショー』所収作品について
第6回 アルバム『white』『スニーカーダンサー』所収作品について
第7回 アルバム『EVERY NIGHT』『あやしい夜をまって』所収作品について
第8回 アルバム『LION & PELICAN』所収の「とまどうペリカン」などについて
第9回 アルバム『LION & PELICAN』の「ワカンナイ」などについて
第10回 アルバム『バレリーナ』『9.5カラット』所収作品について
第11回 アルバム『NEGATIVE』『ハンサムボーイ』所収作品について
第12回 アルバム『永遠のシュール』『九段』所収作品について
第13回 到達度確認
第14回 時代状況と流行歌についての総括
*取り上げる作品は、受講者の希望に応じて若干変更することもあり得る。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 時間を限って試験を行い、授業内容が理解出来たかどうかを評価します。 |
平常点 | 30 | 数回課す予定のショートレポートを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、プリントを配布します。
参考文献:
海老沢泰久『満月 空に満月』(文春文庫)
竹田青嗣『陽水の快楽』(河出文庫)
ロバート・キャンベル『井上陽水英訳詩集』(講談社)