シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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貿易論Ⅰ | 2024 | 前期 | 月1 | 商学研究科博士課程前期課程 | 榎本 俊一 | エノモト シュンイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CG-CM5-305L
履修条件・関連科目等
原則として貿易論Ⅱを続けて履修することが必要です。履修上、国際関係法学(国際法、国際取引法、国際私法)についての知識(学部レベル)を備えていることが好ましいことに御留意ください。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
貿易は多面的現象であり、今後、貿易論では順次テーマを変えつつ、学生の研究をサポートします。嚆矢として、米中間の貿易紛争が激化する中、通商問題の法律的な側面について、WTO法に係る具体的紛争事例を素材にして、貿易を規制する条約や国家法を検討します。紛争事例の法的検討から、既存ルールの限界を認識し、問題提起と法的解決策の検討を目標とします。
科目目的
米中貿易紛争等によりシステムとしての有効性に翳りが生じているものの、WTO協定は国際通商システムの基盤をなすものです。今回の貿易論では、WTO協定の問題点を論文・判例研究により検討しますが、貿易論Ⅰは総論として最恵国待遇、内国民待遇を扱い、各論として製品規格、知的財産権、サービス貿易等の分野の問題を中心に検討し、貿易システムに関する基本的理解を確立します。
到達目標
既存の国際経済法ルールの限界を各自が問題意識として認識し、法的な問題提起と解決策の模索を展開できるようになる。
授業計画と内容
第1講 ガイダンス
最恵国待遇1(村瀬信也論文、Hornbeck論文)
第2講 最恵国待遇2(WTO紛争事例)
第3講 最恵国待遇3(投資協定とMFN条項:西元宏司論文)
第4講 最恵国待遇4(例外とMFN: 濱本正太郎論文)
第5講 内国民待遇1(Japan酒税ケース)
第6講 内国民待遇2(Canada 雑誌Case、Canada FIRA Case)
第7講 一般的例外1(Tuna Case)
第8講 一般的例外2(Shrimp Case、Tuna Labeling Case)
第9講 知的財産権1(China 知財ケース)
第10講 知的財産権2(EU地理的表示ケース)
第11講 知的財産権3(US著作権法110条ケース)
第12講 サービス貿易1(China 出版物・映像の流通サービス)
第13講 サービス貿易2(China Union Payケース)
第14講 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 各自が担当した報告の内容や水準、報告用のレジュメ等の作成文書の水準を総合評価します。 |
平常点 | 20 | 毎回授業に参加し、質疑応答により、授業の進捗や履修生の理解を助けてくれたかについて評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1990年通商産業省(現、経済産業省)の入省後、日米構造協議、日中知的財産協議、EU環境規制に関するロビー活動などに従事してきましたが、国際貿易の健全な発展に重要な役割を果たすWTO等国際経済法はこれらの職務の基盤であり、コロンビア・ロー・スクール等での研究成果を生かしつつ交渉等に取り組みました。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
貿易論Ⅰで講義する各ケースの説明やWTO等国際経済法の適用などに関して、自己の職務における経験等を踏まえた講義を行います。
テキスト・参考文献等
毎回資料(英語の論文、ケース)を指定する。WTO法概説書としては松下満雄・米谷三以(2015)「国際経済法(第二版)」を薦める。
その他特記事項
国際関係・国際政治からアプローチする科目ではなく、国際経済法の観点からのアプローチがテーマであり、通商問題の政治的側面にはフォーカスせず、通商問題の法的処理にフォーカスするものである点を誤解されないようお願いいたします。