シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本経済論Ⅰ | 2024 | 前期 | 金5 | 商学研究科博士課程前期課程 | 村上 研一 | ムラカミ ケンイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CG-EO5-401L
履修条件・関連科目等
特になし。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業はテキストの輪読と、関連資料・参考文献の検討を中心に進める。
日本産業・経済の構造と動態について、高度成長期、高度成長終焉後の「経済大国」化、バブル経済、1990年代不況、2000年代の外需依存的成長、2008年世界不況と日本経済、という順序で歴史的に考察することを通して、今日の日本経済が抱える構造的問題について考察する。
なお理解を深めるため、受講者と相談の上、産業実態ないし産業遺産の実態調査も行いたい。
科目目的
経済学分野の講義科目として、日本経済の成り立ちと特質について理解することを目的とする。
高度成長終焉後の日本経済は、機械産業を中心とした輸出依存・外需依存的成長を主軸に「経済大国」化を実現した。しかしながら、こうした成長は、コストダウンをはかる競争力強化を前提していた以上、社会の様々な領域に歪み・矛盾を抱えることになった。国際競争、産業空洞化に直面して外需依存的成長が限界を迎えた今日、成長の限界、成長と人々の生活との乖離など様々な問題が噴出しているが、こうした諸問題を日本経済全体の構造的問題と関わらせて理解することを本科目の目的としたい。
到達目標
戦後の日本経済、高度成長、1980年代の「経済大国」化の経緯と要因、他方で1990年代以降の停滞と競争力要因の要因に関する知識を習得するとともに、その要因について自分なりに説得的に説明できる能力が形成されることを目標とする。こうした知識・能力の形成が、今後の日本経済のあり方を展望する力につながっていくことが期待できる。
授業計画と内容
1回:日本経済分析の課題と方法(1)
2回:戦後日本経済の基本構造の形成(1)産業構造
3回:戦後日本経済の基本構造の形成(2)企業と国民生活
4回:高度成長終焉と輸出依存的「経済大国」化(1)成長の終焉と不況転換
5回:高度成長終焉と輸出依存的「経済大国」化(2)「減量経営」と競争力強化
6回:「経済大国」日本の成長と停滞(1)バブルの生成と崩壊
7回:「経済大国」日本の成長と停滞(2)1990年代不況
8回:設備投資連関と生産力構造(1)設備投資の産業連関構造
9回:設備投資連関と生産力構造(2)労働手段生産部門の発展
10回:日本経済の国際的位置(1)対米依存経済の変容
11回:日本経済の国際的位置(2)生産基盤のアジア展開
12回:外需依存的成長の構造と限界(1)新自由主義的「構造改革」と日本産業
13回:外需依存的成長の構造と限界(2)非正規雇用拡大と輸出競争力
14回:まとめと展望
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習としては、次回の授業で扱う部分についてテキストを精読し、疑問点・論点を明確にしておく。さらに、参考書籍などにも目を通し、論者による認識の相違点などを整理しておくことが望まれる。(90分)
復習としては、授業での討議の内容をまとめ、改めて自分のノートに整理しておくことが望まれる。(30分)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 授業内での報告レポートや発言内容を中心に到達度を評価する |
成績評価の方法・基準(備考)
日本経済の構造と課題についての理解度を中心に、受講生の理解度と授業内での取り組み(報告や質疑)なども踏まえて評価する。配点は、平常点60%、課題40%。
90~100点:授業内容を十分に理解し、今後の日本経済のあり方について独自の具体的見解を示すことができる。
80~89点:授業内容を理解し、今後の日本経済のあり方について独自の見解を持っている。
70~79点:授業内容を概ね理解し、今日の日本経済の問題の所在を理解している。
60~69点:授業内容は理解しているが、今日の日本経済の問題について独自の見解はもっていない。
0~59点:授業内容を理解できていない。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
村上研一『衰退日本の経済抗争分析』唯学書房、2024年
〔主な参考文献〕
村上研一『現代日本再生産構造分析』日本経済評論社、2013年
井村喜代子『現代日本経済論〔新版〕』有斐閣、2000年
吉田三千雄『戦後日本重化学工業の構造分析』大月書店、2011年
久保新一『戦後日本経済の構造と転換』日本経済評論社、2005年
藤田実『戦後日本の労使関係』大月書店、2017年
涌井秀行『ポスト冷戦世界の構造と展開』八朔社、2014年
小西一雄『資本主義の成熟と転換』桜井書店、2014年
北原勇・鶴田満彦・本間要一郎『資本論体系10現代資本主義』有斐閣、2001年
※そのほか、授業内で提示する。