シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅰ(原価計算論) | 2024 | 通年 | 木1 | 商学研究科博士課程前期課程 | 渡辺 岳夫 | ワタナベ タケオ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CG-OM5-701L
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
管理会計システムには,影響システムとしての側面と情報システムの側面がありますが,本講義では,前者の側面を考察していきます。影響システムとは,組織の上位の人間が下位の人間に対して組織上望ましい影響を与えていくことを目的としたシステムであり,ここで「影響」とは,一定の意思決定権限の委譲を前提としたうえで,下位者に組織目標と整合する意思決定を促し,その動機づけを促進するための,上位者による「間接的コントロール」を意味します。
わが国においては,影響システムとしての側面が重視された管理会計実践が多く観察されているにもかかわらず,それに対する理論的・実証的研究はあまり進んでいません。特に,人間の心理的側面に対する影響を具体的に研究した研究は非常に少ないのが現状です。本演習では,人間心理に対する影響が観察されている管理会計実践をいくつか取り上げ,その効果ならびに影響メカニズムを,心理学上の理論に基づき解釈していきたいと思います。
科目目的
管理会計システムの実装にあたっては,当該システムを導入する組織構造や組織環境との適合性に対する配慮と同時に,当該システムが組織成員の心理に及ぼす影響や相互作用を適切に考慮することが重要です。そうすることで,管理会計システムの意図せぬ逆機能を防ぐとともに,そのより効果的な運用を実現することができるからです。そのためには,管理会計システムと組織成員の心理との関係性を適切に理解することが重要であり,その理解を促進することを本科目の目的とします。
到達目標
管理会計の情報特性およびその運用方法が人間心理に及ぼす効果に対して,適切に理解することができるようになること目標とします。
授業計画と内容
1. オリエンテーション
2. 会計的コントロール無用論:H. T. Johnsonの所説の考察①(ディスカッション)
3. 会計的コントロール無用論:H. T. Johnsonの所説の考察②(ディスカッション)
4. 影響システムとしての管理会計の意義①(ディスカッション)
5. 影響システムとしての管理会計の意義②(ディスカッション)
6. 実績会計情報の役割:社会的学習理論の研究①(ディスカッション)
7. 実績会計情報の役割:社会的学習理論の研究②(ディスカッション)
8. 実績会計情報の役割:社会的学習理論の研究③(ディスカッション)
9. 京セラのアメーバ経営の利益情報(ディスカッション)
10. 住友電工グループのライン・カンパニー制の利益情報(ディスカッション)
11. 利益情報の意義:フレーミング効果の研究①(ディスカッション)
12. 利益情報の意義:フレーミング効果の研究②(ディスカッション)
13. 利益情報の意義:フレーミング効果の研究③(ディスカッション)
14. 日々フィードバックの役割:自己効力感理論の研究①(ディスカッション)
15. 日々フィードバックの役割:自己効力感理論の研究②(ディスカッション)
16. 日々フィードバックの役割:自己効力感理論の研究③(ディスカッション)
17. 自己効力感の重要性:人間の本来的傾向性からの検討(ディスカッション)
18. 自己効力感の重要性:感覚遮断研究・学習性無力感研究からの検討(ディスカッション)
19. 自律性支援傾向の意義:自己決定理論の研究①(ディスカッション)
20. 自律性支援傾向の意義:自己決定理論の研究②(ディスカッション)
21. 自律性支援傾向の意義:自己決定理論の研究③(ディスカッション)
22. 自己効力感と自律的動機づけの関係(ディスカッション)
23. コンピテンス,自己効力感,および帰属形式の関係(ディスカッション)
24. 遠位目標の意義:内発的動機づけと社会心理学の観点からの考察(ディスカッション)
25. 近位目標の意義:社会的学習理論の観点からの考察(ディスカッション)
26. 成果主義は虚妄か?(ディスカッション)
27. 成果と報酬の非連動性の考察:認知的評価理論の研究①(ディスカッション)
28. 成果と報酬の非連動性の考察:認知的評価理論の研究②(ディスカッション)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回授業前に前週に指定された文献に必ず目を通した上で出席すること。また、授業の最後に提示する課題に必ず取り組むこと。
発表者が指定された文献の要約や意見・疑問のとりまとめに取り組む際にかける時間の目安は,4時間程度です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 20 | 授業における発言内容と受講態度を基準とします。 |
その他 | 80 | 毎回の授業における発表レジュメの内容が,指定された論文について,授業の到達目標を意識したうえで,適切な意見や疑問の取りまとめができているかどうかを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
Johnson,H.T.(1992) Relevance Regained: From Top-Down Control to Bottom-Up Empowerment, The Free Press.(辻厚生・河田信訳『米国製造業の復活』中央経済社.)
稲盛和夫(2006)『アメーバ経営』日本経済新聞社.
その他特記事項
特になし