シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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英文学研究(近代小説)A | 2024 | 前期 | 水3 | 文学研究科博士課程前期課程 | 大田 美和 | オオタ ミワ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-EX5-105L
履修条件・関連科目等
イギリス文学史、近代イギリス小説、イギリスの文化、ジェンダー論などの授業をすでに学修しているか並行して履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
Elizabeth Gaskell の小説 A Dark Night's Workを精読します。
まず、ギャスケル生誕二百年記念論集『ギャスケルで読むヴィクトリア朝前半の社会と文化』の「巻頭言」と「まえがきに代えて」を読んで、今イギリス小説研究が置かれている位置について理解し、考えを深めます。
つづいて、テクストの精読と分析を行います。
学期末のレポート作成に向けて関連する論文も読解し、論じるべきトピックと論文の書き方を学びます。
科目目的
1990年代からめざましい発展を遂げているギャスケル研究を通して、21世紀の今、イギリス小説を学ぶ意味と方法について考える。
到達目標
精読と分析という伝統的な研究方法の基礎を身につけた上で、現代的な問題意識に立って、小説論を書くことができるようになる。
授業計画と内容
1.ギャスケル生誕二百年記念論集『ギャスケルで読むヴィクトリア朝前半の社会と文化』の「巻頭言」をめぐる討論 イギリス小説研究の状況について
2.同書「まえがきに代えて」をめぐる討論 ギャスケル研究の可能性について
3.A Dark Night's Work Ch.1-3 精読と分析
4.A Dark Night's Work Ch.4-6 精読と分析
5.A Dark Night's Work Ch.7-9 精読と分析
6.A Dark Night's Work Ch,10-12 精読と分析
7.A Dark Night's Work Ch.13-16 精読と分析
8.メロドラマと結婚小説 他のヴィクトリア朝小説との比較 Jane Eyreなど
9.心理小説 他のヴィクトリア朝小説との比較 George Eliot の小説など
10. ゴシック小説とセンセーション・ノベル Wilkie Collinsなど
11.A Dark Night's Workにおける階級と職業
12.A Dark Night's Workにおけるジェンダー 女性と名誉、父と娘
13.A Dark Night's Workについての論文を読む
14.まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業前にはあらかじめ指定された範囲を読み、理解のために必要な文学事典、文学理論入門書、人名辞典、哲学事典を読んで理解した上で授業に出席すること。文学テクストの読解には、イギリス小説に限らず広範な読書と、姉妹芸術である音楽や美術への関心、周辺ジャンルである歴史や哲学への関心と理解が必要だということを自覚して、自己の研鑽に励むこと。
学会や研究会への参加を奨励します。
学部の講義・ゼミへの出席とリーダーシップも歓迎します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 論理的でわかりやすく説得力のある議論ができているか。適切な参考文献を使っているか。引用の分析が十分に行われているか。 |
平常点 | 50 | 授業へのコミットメント、リーダーシップ、貢献度。授業に必要な最低限の労力しか割いていないとみなされる態度は70点以下の評価となります。文学や人間についての本質的な問題に触れる発言や論文は80点~100点の評価となります。自ら学び、疑問を発し、深く考える努力をしているということが教員にも参加者にもわかる場合も、80点~100点の評価が与えられます |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、Pickeringのギャスケル全集のコピーを使います。
参考文献 松岡光治編著『ギャスケルで読むヴィクトリア朝前半の社会と文化: 生誕200年記念』渓水舎、2010年。
Bonaparte, Felicia. The Gypsy-Bachelor of Manchester: The Life of Mrs. Gaskell's Demon. University Press of Virginia, 1992.
Matsuoka, Mitsuharu. Evil and Its Variations in the Works of Elizabeth Gaskell: Sesquicentennial Essays,Osaka Kyoiku Tosho, 2015.
Matus, Jill L. The Cambridge Companion to Elizabeth Gaskell. Cambridge UP, 2007
Stoneman, Patsy. Elizabeth Gaskell: Second Edition. Manchester UP, 2007
Uglow, Jenny. Elizabeth Gaskell: A Habit of Stories. Faber and Faber, 1993.
以上