シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ドイツ芸術論演習A | 2024 | 前期 | 火4 | 文学研究科博士課程前期課程 | 縄田 雄二 | ナワタ ユウジ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-DT5-103S
履修条件・関連科目等
ドイツ語が読めること
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ドイツからアメリカ合衆国にわたった美術史家Erwin Panofsky(1892-1968) 、現代ドイツを代表する美術史家のひとりHans Belting(1935-)それぞれが遠近法について書いたテクストを読む。
まず、パノフスキー『<象徴形式>としての遠近法』を日本語訳で読む。西洋における遠近法を1920年代に論じた古典である。
続いて、西洋における遠近法を比較文化の手続きにかけ、パノフスキーの論を相対化したBelting: Florenz und Bagdadの抜粋を原文で読む。
科目目的
数十年前の古典的論文(パノフスキー)を、現代の学者(Belting)が凌駕しようとするありさまを、読んでいただくことになる。これをBeltingは、ヨーロッパの外へと目を開くことにより、試みた。世界に広く目を配ることにより、従来の研究の弱点を見てとり、独自の見解に到達しようとする姿勢に、学んでいただきたい。自分が先行研究を踏まえ独自の知見に達しようとする際の参考になるであろう。
到達目標
・西洋絵画の核心的技法である遠近法の概要を知ること。
・学術文献を読む腕を上げること。特にドイツ語で読む力を上げること。これは自分で書く技量を上げることにもつながる。
・先行研究を踏まえ、批判的に扱いながら、独自の知見を示してゆく手続きを学ぶこと。
授業計画と内容
1 導入(Beltingの目次を縄田が解説、予習不要)
2 パノフスキー第I章
3 パノフスキー第II章
4 パノフスキー第III章
5 パノフスキー第IV章
6 Belting, S. 12-13 (Einführung第II節前半)
7 Belting, S. 13-14 (Einführung第II節後半)
8 Belting, S. 20-21 (Einführung第V節)
9 Belting, S. 282 (Schlussbetrachtung第1-2段落)
10 Belting, S. 283 (Schlussbetrachtung第3-4段落)
11 Belting, S. 283-284 (Schlussbetrachtung第5-6段落)
12 Belting, S. 284-285 (Schlussbetrachtung第7-8段落)
13 Belting, S. 285-286 (Schlussbetrachtung第9-10段落)
14 Belting, S. 286-287 (Schlussbetrachtung第11-13段落)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 100 | 予習がゆきとどいているか、議論に参加しているかを評価する |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
E. パノフスキー『<象徴形式>としての遠近法』(2009年ちくま学芸文庫)
(履修を決めてからでいいので、購入するなどして手元に置いていただきたい。)
テキスト
Hans Belting: Florenz und Bagdad. Eine westöstliche Geschichte des Blicks. 3. Aufl. München: C. H. Beck, 2009.
(読む部分の複写を配る。)
参考文献
宇佐美文理『中国絵画入門』(2014年岩波新書)
(テキストではヨーロッパ、アラビア語圏が論ぜられているが、中国絵画における独特の遠近感覚の表現を考え合わせると、面白いであろう。)