シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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美術史各論(3)A | 2025 | 前期 | 月4 | 文学部 | 吉田 紀子 | ヨシダ ノリコ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-HR2-D455
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【世紀転換期芸術の連環――フランスのアール・ヌーヴォーⅠ】
19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパ世紀転換期の芸術に関して、今日の西洋美術史学では、一握りの巨匠や前衛運動の展開としてこれを語る見方は相対化されています。諸芸術の動向を重ね合わせると共に、美術館や博覧会といった文化装置、影響力を増すメディアとしての批評、国家の政策動因等を勘案することで、我々は世紀転換期芸術の実相により緊密に迫ることができるでしょう。
本講義ではフランス世紀転換期の芸術を取り上げ、装飾(デザイン)、絵画、批評、政策が織り成す「連環」、すなわち相互作用に注意を向けて考察します。2025~2026年度の2年間にわたり、フランスのアール・ヌーヴォーを中心に考察を進めます。本年度はまずその全体像を、来年度は各論としてアール・ヌーヴォーのポスターについて詳述してまいります。
科目目的
この科目はカリキュラム上、専門的な論題を通じてより高度な知識を得るための講義と位置付けられています。本講義は従って、履修学生が19~20世紀転換期のフランスのアール・ヌーヴォーに関して、広範かつ詳細な知識を習得することを目的とします。
到達目標
1. 19世紀末から20世紀初頭にかけてのフランス世紀転換期の芸術のうち、特にアール・ヌーヴォーについて、一つ一つの事象を知識として習得することができる。
2. 芸術家、作品、周辺環境が複合的に紡ぎ出す美術史の広がりに対して、関心と問題意識を高めることができる。
授業計画と内容
1.イントロダクション
2. 装飾芸術/産業芸術/応用芸術/工芸に分類される諸分野、「大芸術」と「小芸術」
3. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:エミール・ガレ(1846~1904年)①
4. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:エミール・ガレ(1846~1904年)②
5. サントリー美術館「エミール・ガレ 憧憬のパリ」展(2025年)をめぐって
6. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:理念的背景――装飾の「芸術化」①
7. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:理念的背景――装飾の「芸術化」②
8. 展覧会見学とレポート作成
9. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:政策的側面――装飾芸術中央連合①
10. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:政策的側面――装飾芸術中央連合②
11. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:商業的側面――ジークフリート・ビング(1838~1905年)①
12. アール・ヌーヴォーと装飾芸術:商業的側面――ジークフリート・ビング(1838~1905年)②
13. 総括とディスカッション
14. 理解度の確認
*諸事情により、各回の内容や順番に若干変更が生じる場合があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 学期末試験 |
レポート | 15 | 展覧会見学レポート |
平常点 | 15 | 出席状況 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席状況、レポートの充実度、学期末試験の結果等を総合して評価判断します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〇テキスト(教科書)について
教科書は使用しません。なお、フランス美術史とは別にデザイン史全般について事前に予習・復習したい学生には、次の本の関連箇所を一読しておくことをおすすめします。
阿部公正(監)『増補新装 カラー版世界デザイン史』(美術出版社、2012年)
暮沢剛巳 他『カラー版図説 デザインの歴史』(学芸出版社、2022年)
〇参考文献について
2025~2026年度講義内容全体にかかわる参考文献は次の通りです。このほか個別テーマ研究の参考文献について、授業時に詳細な文献リストを配布する予定です。
デボラ・シルヴァーマン『アール・ヌーヴォー:フランス世紀末と「装飾芸術」の思想』、天野知香・松岡新一郎訳(青土社、1999年)
天野知香『装飾/芸術:19‐20世紀のフランスにおける「芸術」の位相』(ブリュッケ、2001年)
セゴレーヌ・ルメン『スーラとシェレ:画家、サーカス、ポスター』、吉田紀子訳・解説(三元社、2013年)
『パリ♡グラッフィック:ロートレックとアートになった版画・ポスター展』図録、三菱一号館美術館(筑摩書房、2017年)
吉田紀子『ポスター芸術論:19~20世紀フランスの広告、絵画、ポピュラー・イメージ』(三元社、2022年)