シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フランス文学演習(2) | 2025 | 通年 | 木3 | 文学部 | 小嶋 洋介 | コジマ ヨウスケ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-LT3-D605
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業は、フランス語で書かれた文学テクストを読み、翻訳し、その内容理解に努め、解釈するという一連の作業を行う「場」です。あえてその作業のキーワードを挙げれば、それは「変換」transformationです。まず、フランス語のテクストを読み、それを日本語に訳します。翻訳は、異なる言語間の意味・構造「変換」です。翻訳とは、同時に理解し解釈することです。理解し解釈することは、外国語の翻訳に限ったことではありません。そもそも読むとは、そのような行為です。それはまた、他者の認識を、自分の認識へと「変換」することでもあるのです。また、このような認識「変換」を正しく行うには、単に言語の内部に留まっていては理解の届かない部分が生じます。特に外国のような異文化に属するテクストに接する場合は、それが内属する社会や文化自体への知識や理解が必要です。それは自分が住む社会や文化との相対的「変換」をすることでもあるのです。このように多様・多層の「変換」を通じて、大事なことは、テクストという織物に、自分なりの新たな織物(テクスト)を編み込んでいくことです。既存のテクストを自分のテクストへと変貌させていく。テクスト「変換」です。それが、実は、考えるという行為です。考える行為を通じて、自分の思想や世界観を得ていくことです。いささか大袈裟な表現を使いすぎたかもしれません。実際の授業では、そこまで大層なことを行うわけではありません。しかしながら、テクストをしっかり味わって欲しいと思います。心や知性への滋養とする。魂への栄養とする。その意味では、それも「変換」です。そのように、じっくり味わうのに相応しいテクストを選びます。具体的には、Le Clézio, ''Mondo et autres histoires'' より、何篇か作品を選んで読みます。ル・クレジオ(1940年生)は、2008年ノーベル賞を受賞した世界的に著名な作家です。1963年『調書』でデビューして以来、今日まで精力的な作家活動を続けています。初期は、実験的で難解な作風で知られていましたが、授業で取り上げる『Mondo』は、少年少女の読者も視野に収めた比較的平易な言葉で書かれています。同時に、少年少女たちが主役となって、詩的でちょっと不思議な物語を紡いでいます。ここには、「神話」世界に対するル・クレジオの眼差しが生きています。「神話」とは、私たちの心の「根源」に働くものであると同時に、「生まれつつある世界」の「神秘」に垂線を降ろそうという冒険でもあるのです。物語を通じて、私たちの心の「根源」にある「神秘」を探索する冒険へと、共に旅立ちましょう。
科目目的
フランス語の力をさらに伸ばしつつ、文学テクストを「読む」実践的な経験を積むことを目的とします。同時に、読む行為を通じて「考え」、さらに「書く」という行為へと繋げることを、遠望しています。
到達目標
フランス語で書かれたテクストを、しっかり理解できるようにすること。その上で、その内容を検討し、解釈し、自分なりの批評眼を持てるようにすることが目標です。もっとも、そこに到達できるか否かはともかく、そのような行為を通じて、「読む」ことの快楽を得て欲しいです。
授業計画と内容
【前期】Le Clézio, ''Mondo et autres histoires'' より、作品を選んで読む。
第1回 ガイダンス:授業の概要、ならびにル・クレジオについて
第2回 Mondo を読む(1)
第3回 Mondo を読む(2)
第4回 Mondo を読む(3)
第5回 Mondo を読む(4)
第6回 Mondo を読む(5)
第7回 Mondo を読む(6)
第8回 Mondo を読む(7)
第9回 Mondo を読む(8)
第10回 Mondo を読む(9)
第11回 Mondo を読む(10)
第12回 Mondo を読む(11)
第13回 Mondo を読む(12)
第14回 総括・まとめ
可能ならば、どこかの回で、映画『モンド』(トニー・ガトリフ監督)を鑑賞する予定です。
【後期】Le Clézio, ''Mondo et autres histoires'' より、作品を選んで読む。
第1回 ガイダンス:授業の概要、ならびにコトバと神話論理について
第2回 Lullaby を読む(1)
第3回 Lullaby を読む(2)
第4回 Lullaby を読む(3)
第5回 Lullaby を読む(4)
第6回 Lullaby を読む(5)
第7回 Lullaby を読む(6)
第8回 Lullaby を読む(7)
第9回 Celui qui n'avait jamais vu la mer を読む(1)
第10回 Celui qui n'avait jamais vu la mer を読む(2)
第11回 Celui qui n'avait jamais vu la mer を読む(3)
第12回 Celui qui n'avait jamais vu la mer を読む(4)
第13回 Celui qui n'avait jamais vu la mer を読む(5)
第14回 総括・まとめ
以上に記した予定は仮のものにすぎません。実際に授業を行う中で、テクストの選別も、進度も、適宜変更や調整をします。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 80 | 前期末試験40% 後期末試験40% |
平常点 | 20 | 授業への参加度、発表の内容など |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>Le Clézio, ''Mondo et autres histoires'' : コピーを配布します。
<参考文献>
ル・クレジオの作品は、その多くが翻訳出版されています。私が関心のあるもの、比較的入手しやすいもののみ、以下に挙げておきます。
『調書』新潮社
『大洪水』河出文庫
『物質的恍惚』岩波文庫
『悪魔祓い』岩波文庫
『海を見たことがなかった少年』集英社文庫
『黄金探索者』新潮社
『オニチャ』新潮社
その他、授業のなかで随時紹介していきます。
映画化された作品として、トニー・ガトリフ監督『モンド』(1995)があります。
その他特記事項
参考URL
この授業は、仏文専攻・語文コース系の教員が担当しています。
語文コースHP https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/futsubun-gobun/
語文コースブログ https://chuo-bun-futsubun-gobun.blogspot.com/