シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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中国哲学研究ⅠA | 2024 | 前期 | 金1 | 文学研究科博士課程前期課程 | 水上 雅晴 | ミズカミ マサハル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-EP5-101L
履修条件・関連科目等
白文の漢文と現代中国語を読めることを受講の前提条件としますが、現代中国語を読めないで人も授業内容を理解できるように一定の配慮をします。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
副題:中国注釈史
中国では古代から多くの注釈が作られつづけ、注釈に関しても長い歴史を持っています。それらの注釈の多くは、日本の学術・思想・政治・文化にも影響を与えました。本授業では、中国における注釈作成の歴史をたどり、個々の学者や組織が注釈を作成した理由、注釈が及ぼした影響について考察を進めます。
「注釈史」というのは、これまで論じられることが極めて稀なテーマであり、研究蓄積はほとんどありません。そこで授業では、主要な先行研究と言える汪耀楠《注釈学》(外語教学与研究出版社,2010年)を講読しながら、同書の中で取り上げられている人物や注釈書について、調査と分析を加えていきます。
科目目的
中国において注釈が作られた状況を把握したうえで、注釈が作られることの意味について考察し、考察したことをわかりやすく説明する。
到達目標
教材の読解と議論を通して、以下のように研究能力を高めることを目標とします。
(1)古典籍が大量に用いられている中国語の文章を読み、典拠を押さえた論理的な読解ができるようになる。
(2)経学・史学・文学・言語学・諸子学・書誌学・校勘学に関わる事柄を含め、中国の古典学に関する幅広い知識を身につける。
(3)研究論文執筆に役立つ情報調査能力を向上させる。
授業計画と内容
第1回 注釈と注釈史(1):易、書、詩
第2回 注釈と注釈史(2):春秋、礼
第3回 経籍の伝授と初期の注釈
第4回 初期(前漢まで)の注釈の特徴(1):春秋
第5回 初期(前漢まで)の注釈の特徴(2):詩
第6回 後漢における注釈(1):注釈者とその注釈書
第7回 後漢における注釈(2):後漢の注釈の特徴
第8回 魏晋南北朝から隋における注釈(1):南学と北学
第9回 魏晋南北朝から隋における注釈(1):注釈対象の広がりと深化
第10回 唐における注釈(1):経典注釈の整理と統一、そして懐疑
第11回 唐における注釈(2):「文選学」の形成
第12回 宋における注釈(1):理学の形成・発展と注釈
第13回 宋における注釈(2):注釈の革新
第14回 補足、全体のまとめ
*進行状況によって内容が変更されることがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・テキストや配布資料を事前に読み込んでおいてください。
・教材中の語句、事項や文法については、事前に調べておき、質問されたら答えられるようにしておきましょう。
・自分の担当分のレジュメの作成も事前準備に含まれます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 授業内容に関わる問題設定をして議論をした結果をレポートとして提出してもらいます。レポートに関しては以下の三点に即して評価します。 (1)設定したテーマに学術的意味があるか。 (2)きちんとした根拠にもとづいていて典拠表示に問題がないか。 (3)論理的に議論をすすめているか。 |
平常点 | 50 | 平常点に関しては以下の三点に着目して評価します。 (1)教材のテキストの字句・典拠の下調べがきちんとできているか。 (2)語法に忠実にテキストを読解しているか。 (3)自分のなりに問題意識を持ってテキストに取り組んでいるか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
以下の二つの条件をともに満たした場合に単位を認定します。
①公欠以外の欠席は4回以内とし、毎回の小レポートの内容も一定の基準を満たしていること。
②自分の担当分の発表、もしくはレジュメ提出を行い、その内容も一定の基準を満たしていること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
提出されたレポートに関しては、担当教員が校閲を加え、それを踏まえた修訂版を提出してもらいます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教材はプリントを用意します。参考書については授業の中で随時紹介します。
その他特記事項
自主性、主体性、積極性を評価します。