シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東アジア社会論特講 | 2024 | 後期 | 火3 | 文学研究科博士課程前期課程 | 首藤 明和 | シュトウ トシカズ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-SC5-122L
履修条件・関連科目等
中央大学大学院文学研究科社会学専攻が掲げる3つの柱「社会理論・社会調査・社会構想」について、その理論・方法・歴史を学ぶこと、その上でそれらを相互に関連させて展開させていくことに関心を持つことを履修条件とします。とくに、東アジア社会の特徴について、人間、信仰、互酬、共生、家族、地域、移動、思想などから比較の視点も交えてアプローチし、これからの東アジア社会の展望について、理論的かつ実証的に探究したい学生にとって適切な科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
まず、東アジア社会論の意義と射程を、エリアスタディーズとディシプリンの連携という方法論の検討から検討します。また、意味論からの東アジア社会論の可能性について検討します。次に、中国ムスリムから観察し記述する東アジア社会を、思想、思想家のルーツ(rootsとroutes)、コミュニティ、市民社会などに着目して検討します。さらには、中国の「人治社会」を「人間関係優先主義」から分析し、その実質合理性や社会圏のダイナミズムがもつ可能性を、21世紀地球社会の課題と展望に結びつけて考察します。
科目目的
当該科目の目的は、(1)実践力を身につけること、すなわち、調査研究にて培った学識、調査力、構想力をもとに、専門研究領域において貢献するとともに新しい社会を構想する力を持つこと、(2)知的教養を身につけること、すなわち、グローバルな視点と臨床的な視点の複眼的思考のもと、現代社会並びにその過去と未来の姿を見通し、多様な社会のあり方を論ずることができること、(3)倫理構築力を身につけること、すなわち、帰納的ならびに演繹的な方法を用いて理論構築が出来、かつ様々な理論レベルで議論し、かつ記述や説明ができることなどです。そのために、本科目では具体的に、東アジア社会論の意義と射程を、エリアスタディーズとディシプリンの方法論的連携を通じて理解できること、意味論に基づく東アジア社会論の意義と射程を理解できること、民族・信仰・互酬性あるいは実質合理性など、市民社会からは排除されがちな要素に着目して21世紀地球社会を展望できることを目的とします。
到達目標
到達目標は、東アジア社会論の意義と射程を、エリアスタディーズとディシプリンの方法論的連携を通じて理解できるようになること、意味論に基づく東アジア社会論の意義と射程を理解できるようになること、民族・信仰・互酬性あるいは実質合理性など、市民社会からは排除されがちな要素に着目して21世紀地球社会を展望できるようになることを通じて、(1)調査研究にて培った学識、調査力、構想力をもとに、専門研究領域において貢献するとともに新しい社会を構想する実践力を身につけること、(2)グローバルな視点と臨床的な視点の複眼的思考のもと、現代社会並びにその過去と未来の姿を見通し、多様な社会のあり方を論ずることができる知的教養を身につけること、(3)帰納的ならびに演繹的な方法を用いて理論構築が出来、かつ様々な理論レベルで議論し、かつ記述や説明ができる倫理構築力を身につけることなどです。
授業計画と内容
第1回 東アジア社会論の意義と射程――エリアスタディーズとディシプリンの連携
第2回 中国ムスリム(回族)から記述する東アジア社会
第3回 中国雲南回族の共生の作法――意味の事象・時間・社会的次元から
第4回 中国雲南回族の共生の作法――中国イスラーム思想と儒家思想
第5回 中国雲南回族の共生の作法――明清四大イスラーム漢文訳著家・馬注の生涯と時代背景
第6回 中国雲南回族の共生の作法――「二元忠貞」の絶対矛盾を支える馬注を機縁とするコミュニティ
第7回 中国雲南回族の共生の作法――「二元忠貞」と中国の市民社会
第8回 中国雲南回族の共生の作法――信仰と互酬性から市民社会を問う
第9回 中国の「人治社会」――「人間関係優先主義」(M. ヴェーバー)のもつ可能性を再評価する
第10回 中国の「人治社会」――「人間関係優先主義」から中国社会を記述する
第11回 中国の「人治社会」――実質合理性(人間関係優先主義)と形式合理性(市民社会)
第12回 中国の「人治社会」――家族圏と社会圏
第13回 中国の「人治社会」――日本と中国の家族制度と地域コミュニティ
第14回 総括・まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前学習としてあらかじめ指示されたテキストや資料等の該当箇所を読み、授業後は配布されたレジュメや資料等を熟読し、設定された締切までに授業内レポートと課題論文を必ず提出してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 授業内レポート(50%) |
平常点 | 50 | 課題論文(50%) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
(講義資料)
適宜、授業中に配布します。
(参考文献)参考文献については授業中に適宜紹介します。
首藤明和『中国の人治社会――もうひとつの文明として』日本経済評論社(2003).
首藤明和・王向華編『日本と中国の家族制度研究』風響社(2019).
首藤明和『中国のムスリムからみる中国――N.ルーマンの社会システム理論から』明石書店(2020).
中国ムスリム研究会編『中国のムスリムを知るための60章』明石書店(2012).
クリスティアン・ボルフ(庄司信訳)『ニクラス・ルーマン入門――社会システム理論とは何か』新泉社(2014).
ニクラス・ルーマン(土方透・森川剛光・渡曾知子・畠中茉莉子訳)『社会の宗教』法政大学出版局(2016).
『中国社会研究叢書:21世紀「大国」の実態と展望』(全9巻)明石書店.