シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
教育調査法特講Ⅰ | 2024 | 前期 | 金3 | 文学研究科博士課程前期課程 | 森 一平 | モリ イッペイ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-ED5-111L
履修条件・関連科目等
特にありませんが、学術的文章の基本的な読解力が必要です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
社会調査に基づく研究法には様々なものがあります。そのなかからどのような研究法を選択すべきかは、社会をどのようなものとして捉え、社会のどのような側面を切り出してきたいかにより異なってきます。
本科目では、エスノメソドロジー・会話分析(以下、EMCA)という社会学における1つの立場を中心に、主に「質的」とくくられるタイプの研究法について学んでいきます。EMCAとは、様々な社会領域が人びとの「方法」によってなりたつさまを、データの詳細な検討によって見通していこうとする立場です。
授業の具体的な進め方は「EMCAの立場から書かれた学術文献の輪読」を基本としますが、そのなかで複数の調査技法の基本や、EMCA以外の「質的」研究、ひいては「量的」研究の基本的な発想についても学修できるように配慮します。
科目目的
教育研究における主として「質的」とくくられる研究の方法を、エスノメソドロジー・会話分析の立場を中心に据えながらも幅広く学び、受講者それぞれの興味関心に適合する研究法の選択と一部実施を目的とする。
到達目標
[1]フィールドノーツや会話の録音などのデータを、調査倫理にもとづきながら実際の調査対象地で収集できる。
[2]エスノメソドロジー・会話分析やその他の立場から、論文執筆に耐えうるようなデータの分析を行うことができる。
[3]分析を言語化し、学位論文などの分析パートを執筆できる。
授業計画と内容
具体的な文献の選定は初回授業時に相談させてもらいますが、概ね以下の内容を扱う予定です。
1. 導入:「質的」研究とエスノメソドロジー・会話分析の位置づけ
2. エスノメソドロジー(1):データに示される「理解」と「実践」の構造
3. エスノメソドロジー(2):子どもの物語の分析可能性について
4. 会話分析(1):行為の構成と「why that now」の視点
5. 会話分析(2):発言の順番交替の組織
6. 会話分析(3):行為連鎖の組織
7. 会話分析(4):修復の組織
8. 参与観察研究(1):フィールドノーツをどう分析するか
9. 参与観察研究(2):「家族」であることの実践的達成
10. 参与観察研究(3):学校空間で展開されるコンテンツ消費
11. インタビュー研究(1):インタビューデータの特殊な位置価
12. インタビュー研究(2):薬物依存者の「回復」経験
13. インタビュー研究(3):医療従事者/トランスジェンダーの経験の構造
14. 総括:講義を踏まえての履修者による研究の方向性の共有
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業前までに指定文献を「精読」してくること、および授業外の時間でみずから調査をしデータを集めてもらうことを求めます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 50 | 文章全体の論理性、論旨の明快さ、分析の妥当性など、学術的文章一般の評価基準を適用します。 |
平常点 | 50 | 授業を構成するディスカッションへの貢献度(作成されたレジュメの質、議論への積極性)を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
必要に応じて、manabaのコンテンツ機能やレポート機能、zoomなどを活用します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは初回授業で指定し、また参考文献は適宜紹介します。