シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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神経心理学特講(保健医療分野に関する理論と支援の展開) | 2024 | 後期 | 金4 | 文学研究科博士課程前期課程 | 四ノ宮 美惠子 | シノミヤ ミエコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-CY5-105L
履修条件・関連科目等
脳障害としての高次脳機能障害と発達障害について基礎知識があることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
脳の損傷や機能障害によって生活上の困難さを抱える実際の事例紹介をまじえながら、困難さの背景にあると考えられる脳の障害と症状の理解、その評価法や神経心理学的リハビリテーション、支援についての講義を進める。レジュメによる講義のほか、あらかじめ決めたテーマにそって書籍や文献検索を行い、その内容についての発表機会を設け、質疑応答やグループディスカッションを行いながら理解を深めていく。
科目目的
脳の損傷や機能障害によって様々に生活上の困難さを抱える人を全人的に理解し、適切な支援を行う力を育成ことを目的とする。そこで、生物・心理・社会モデルの視点から、原因疾患、脳の損傷と認知機能の障害、合併症等にとどまらず、脳の損傷が心理面にもたらす影響や置かれた社会環境との双方向的な影響などを踏まえながら、評価や神経心理学的リハビリテーション、支援について学び、臨床場面における実践力の基礎の構築を図る。
到達目標
①脳の構造と主な部位の機能、脳の損傷によって生じる認知機能への影響や症状について理解する。
②高次脳機能障害や発達障害の主な症状について、説明できる。
③生物・心理・社会モデルの視点から、脳損傷を負った人に対する神経心理学的評価やリハビリテーションについて理解する。
④高次脳機能障害のある人に対する神経心理学的リハビリテーションの流れを理解し、心理職としてどのような支援が可能か考察できる。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション
第2回 脳の構造と主な機能
第3回 高次脳機能障害とは
第4回 高次脳機能障害をとりまく社会的背景と課題
第5回 前頭葉損傷と右半球損傷
第6回 社会的行動障害と心理学的アプローチ
第7回 日本高次脳機能学会学術集会への参加
第8回 小児期発症の高次脳機能障害
第9回 発達障害と神経心理学
第10回 高次脳機能障害のある方の心理
第11回 神経心理学的アセスメント
第12回 神経心理学的リハビリテーション
第13回 神経心理学的リハビリテーションの実際
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
プレゼンテーションの事前準備をする。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 課題の意図を正しく捉えられているか、読み手にわかりやすい表現で書かれているか、適切な文献引用ができているかなどから評価する。 |
平常点 | 60 | 事前学習、プレゼンテーションの準備、プレゼンテーションのわかりやすさ、グループワークにおける積極性、受講態度などから総合的に評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
リハビリテーション病院における身体障害や高次脳機能障害のある患者、その家族等に対する心理臨床業務のほか、障害者支援施設における身体障害や発達障害、高次脳機能障害のある利用者に対する心理支援や就労支援、臨床心理士、PT、OT、STなどのリハビリテーション専門職に対するスーパーヴィジョン等に従事。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
回復期リハビリテーションという医療の段階から地域生活に至るまでの、様々な段階におられる方の支援に従事した経験を踏まえ、外見からは捉えにくい生きづらさを抱える生活者としての高次脳機能障害当事者や発達障害当事者、その家族のありようから遡って、医療においてはどのような支援が必要とされるのかを考察しながら授業を進めていく。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
テキストは使用せずに、毎回レジュメ等を配布予定
【参考文献】
・緑川晶・山口加代子・三村將編 『臨床神経心理学』 医歯薬出版株式会社 2018年
ISBN 978-4-263-26561-1
・中村隆一監訳,G. P. Prigatano 『神経心理学的リハビリテーションの原理』医歯薬出版株式会社 2002年 ISBN 4-263-21274-6
・鈴木大介 『この脳で生きる 脳損傷のスズキさん、今日も全滅』合同出版 2023年
ISBN 978ー4ー772-61496ー2
・先崎章 『高次脳機能障害 精神医学・心理学的対応ポケットマニュアル』 2009年
ISBN 978-4-263-21332-2
その他、必要に応じて参考文献等を提示します。