シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
障害児心理学特講(福祉分野に関する理論と支援の展開) | 2024 | 前期 | 月6 | 文学研究科博士課程前期課程 | 山本 淳一 | ヤマモト ジュンイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-CY5-106L
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
(1)障害児心理学を概説し、アセスメントと支援のための「理論」、最先端の「支援方法」に関するエビデンス、わが国おける支援の実際を講義する。
(2)自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、限局性学習症(学習障害)、知的障害、発達性協調運動症などの症状と行動の特徴を、具体的な事例をあげながら説明する。
(3)それぞれの障害について、エビデンスに基づいた支援方法・教育方法を、具体的な場面を想定しながら概説する。
(4)臨床的な研究と同時に、実験心理学手法を用いた基礎研究についても、解説する。
(5)授業を通じて習得した知識を、実際の子育て支援、発達支援、教育、福祉の分野で活用した事例を数多く紹介する。
(6)日常生活場面で起こる様々な行動問題への予防支援、対応方法を、事例を通して整理し、問題解決の方法を習得する。
(7)授業は以下の方法で進める。内外の最先端の論文を解説する。支援の実際を概説する。事例に対するケースフォーミュレーションを行う。毎回、ショートレポート(授業内、授業前後)を課題とし、授業内でフィードバックを行う。
(8)映像を視聴し、国内外の質の高いWEBサイトから情報を得ることで、今現在起きている障害児支援の実際と方法とを主体的に習得できるように、授業を組み立てる。
科目目的
基礎心理学、臨床心理学の知識を前提に、障害児の心理に関する基礎研究と教育・福祉・臨床実践について広範な知識、科学的理論と研究法を修得し、専門家としての実践力の基盤をつくることを目的としている。公認心理師カリキュラムの大学院における必要な科目である「福祉分野における理論と支援の展開」のうち、障害児支援に関する知識を習得する。
ディプロマポリシーとの対応は以下のとおりである。
(1)知的教養:障害児本人のみならず保護者・教諭、支援者など多様な人々の行動の分析、および社会学、教育学などの関連領域の視点からの分析を通して、幅広い知識を習得する。
(2)実践力:現在の社会、制度、文化を生きる障害児の現実の場面(家庭、幼稚園、保育園、学校、発達支援機関)の実際を分析することで、実践力を習得する。
(3)論理構築力:生涯発達と行動の法則について、基礎・臨床を含んだ広範囲の心理学の知識を統合する議論を通じて、論理構成力を習得する。
(4)発信力:プレゼンテーション、全体討議などを通して磨きをかける。
到達目標
(1)福祉分野に関わる心理学の専門家としての基礎的実践技法を流暢に述べることができる。
(2)障害児の特徴を、具体的な行動として流暢に述べることができる。
(3)障害児への最先端のエビデンスに基づく支援の成果について、研究方法とその結果を、図を使って説明することができる。
(4)障害児への効果的な支援技法を系統的に解説することができる。
(5)実際の子育て支援、発達支援、病院臨床、教育、福祉の分野での支援の実際を、仮想事例を活用して連携者(保護者・保育士・教諭・医師・リハビリテーションスタッフ・福祉支援者を想定)に伝えることができる。
(6)行動問題への予防的支援を、系統的かつ具体的に述べることができる。
(7)行動問題への対応方法の基本を、PDCAの運用方法も含めて、保護者、教諭、支援者に的確に伝えることができる。
授業計画と内容
1.障害児心理学の概説
2.ICFと国際的な障害観・福祉観の展開
3.DSM-5概説(これまでの体系との比較、今後の発展)
4.応用行動分析学理論と支援の実際
5.障害科学理論と支援の実際
6.自閉スペクトラム症の特性と支援効果についてのエビデンス
7.自閉スペクトラム症の事例検討(幼稚園・保育園、学校、支援機関)
8.まとめと討議
9.注意欠如多動症の特性と支援効果についてのエビデンス
10.注意欠如多動症の事例検討(幼稚園・保育園、学校、支援機関)
11.限局性学習症の特性と支援効果についてのエビデンス
12.限局性学習症の事例検討(幼稚園・保育園、学校、支援機関)
13.知的発達症の特性と支援
14.感覚障害,運動障害の特性と支援
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
準備学習:指定された本、論文を事前に読んでくる。WEB映像教材を視聴し、まとめてくる。
事後学習:課されたショートレポートを作成する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 100 | ショートレポートの点数:50点 (到達目標のうちいくつかの重要な点をクリアできているかを評価の基準とする。) 最終授業時に提出する総合レポートの点数:50点 (到達目標の全てをクリアできているかを評価の基準とする。) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
(1)テキスト
使用しない.資料を配布する。
(2)参考文献
授業中に提示する.
その他特記事項
この授業では、障害のある子どもたちの「ライフ(人生・生活・生命)」と「行動(個人と環境との相互作用)」の双方をトータルに捉えるトレーニングを行います。学んだ授業内容を、実際の支援、教育、福祉の現場で活用できる「身についた知識」とするために、討議、ショートレポートでの質問・意見などを通して積極的に授業にコミットしてください。連絡は、メールにて受け付けます。